「朝の電車って集中できないし、何をすれば意味ある?」
「通勤中でも続けられる勉強法が知りたい」
「イヤホンで何か聞くらいしか思いつけないけど、勉強になってるの?」
こんな風に感じたことがある人は多いのではないでしょうか。
実は、日本の平均通勤時間は片道39.5分、東京など都市部では50分以上というデータもあります。もし片道50分・月20日出勤なら、毎月30時間以上もの“自由な学習時間”がある計算です。

これを英語学習に活かせたら大きな力になりますよね!
ただ、通勤時間に英語音声をただ聞き流すだけではもったいないです。大切なのは目的に合った学び方を選ぶこと。
そこでこの記事では、以下の内容を解説します。
- 通勤時間を英語の勉強に充てるための前提整理
- 目的から逆算する勉強法
- 通勤中にできる英語勉強スケジュール
- スマホでできる英語勉強ツール
- 通勤時間の英語勉強でやりがちな落とし穴
朝の電車で今までボーッとしていた時間が、1ヶ月後には「英語が少しずつ聞き取れるようになってきた!」という手応えに変わるかもしれません。
まずはこの記事で、あなたに合った勉強法を一緒に見つけていきましょう。


( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
【はじめに着手】通勤時間を英語の勉強に充てるための前提整理


「通勤中に英語を勉強するなら、アプリがいいらしい」
「YouTubeも使えるって聞いた」
このような情報を目にすることはあっても、実際に何をどう選べばいいのかは意外と分かりにくいもの。



大切なのは、手段を選ぶ前に方向性を決めることです!
- 勉強に使える時間を考える
- 今のレベルを把握する
- 自分に合った勉強スタイルを仮決めする
まずは、「どんな勉強ができるか?」を整理しながら、自分に合ったスタイルを考えてみてください。
1.勉強に使える時間を考える
通勤方法によって、できること・できないことが変わります。まずはご自身がどのタイプに当てはまるか確認しましょう。
- 運転中は「ながら聞き」ができる
※ただし運転に集中すること! - 目は使えないので、耳だけの学習に限られる
- イヤホンOK・画面操作OKの環境ならアプリや動画視聴
- 単語学習も可能
- 座れないと書き取りは難しい
- スマホ操作や書き取りは難しい
- 耳からのリスニングやスピーキングのシャドーイングができる
※ただし安全には注意!
自転車ではスマホ操作やイヤホンの着用ができません。
- 電車なら継続してゆっくり座っていられる時間はどのくらいか
- 車ならどのくらいの時間運転しているか
といった時間の制約についても洗い出すと、勉強法を検討するのに参考になります。
2.今のレベルを把握する
以下の中で、自分にいちばん近いと思うものを選んでみてください。
中学英語からあやしい…
アルファベット、基礎文法、超やさしい挨拶などからスタート
簡単な単語やフレーズは少し知っている
中学〜高校レベルの復習、日常英会話・リスニングの土台づくりが最優先
TOEIC600前後・英検準2級くらい
リスニング強化、シャドーイング、語彙の拡充でレベルアップ
TOEIC700~・英検2級以上
通勤時間を使って試験対策、英字ニュースの読解、英語でのアウトプットを繰り返す
どこを目指しているか(目標)も、通勤時間でやるべきことを決めるために大事な判断基準になります。
- TOEIC◯点
- 英検◯級
- 日常会話ができるようになりたい



できれば目標や数字で表現してみましょう!
3.自分に合った勉強スタイルを仮決めする
これまでに整理した「通勤時間のタイプ」「英語レベルや目標」に応じて、自分に合った学習スタイルを仮決めします。ここでは完璧を目指さず、まずは行動に移すための方向性を定めましょう。
耳だけインプット型(リスニング中心) | |
---|---|
向いている人 | 英語にブランクがある 完全初心者 通勤時間が短い 運転中などで目や手が使えない |
おすすめツール | リスニングアプリ Podcast 英語ニュース音声 |
声出し練習型(シャドーイング・発音) | |
---|---|
向いている人 | 英語の基礎はあるがスピーキングが苦手 通勤中に声が出せる環境(車内・徒歩など) |
おすすめツール | YouTubeのスピーチ動画 シャドーイング用アプリなど |
アウトプット準備型(知識系・文法など) | |
---|---|
向いている人 | TOEICや英検などの試験対策をしたい 電車やバスで本やスマホの画面を開ける |
おすすめツール | 参考書 単語アプリ 英作文ノート |
【目的から逆算】通勤中にできる英語勉強法


英語学習に使える時間・環境・レベルは人によってバラバラ。



だからこそ、目的に合わせて勉強法を選ぶことが大切です。
たとえば「英会話の基礎力をつけたいけど、通勤中は声が出せない」という人もいるでしょう。この場合、通勤中は耳だけでインプット、自宅で声を出すアウトプットと、役割を分けるのが効果的です。
ここからは、目的ごとに通勤時間をどう活用すればよいかを具体的に紹介します。
- ゼロスタートでまずは英語に慣れたい人|耳だけでインプット
- 英語の勉強を始めた超初心者|文法・単語固めの時間に
- 試験対策をしたい人|試験対策を強化
今の状況と照らし合わせ、しっくりくる方法を見つけてみてください。
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1.ゼロスタートでまずは英語に慣れたい人|耳だけでインプット
- 英語学習が久しぶり/英語にアレルギーがある
- 何から始めたらいいかわからない初心者
- 通勤中にスマホ操作や本を開く余裕がない(運転中・満員電車など)
「耳だけで勉強」と聞くと、なんとなく流しておくだけでOKと思われがち。しかし、ただの聞き流しでは効果が薄いのが現実です。
日本語でも、上の空で聞いていた話は思い出せないのと同じように、英語も意識を向けなければ頭に残りません。



とはいえ、すべてを理解する必要はありません。
たとえば、子ども向けの番組や絵本の読み聞かせ音声などは、単語の意味がわからなくても「言葉の流れ」として耳に入りやすく、英語への抵抗感をやわらげるのにぴったりです。
さらにおすすめなのが、前日の夜に音声のスクリプト(台本)を軽く確認しておくこと。
「今回は動物がテーマらしい」「登場人物は子どもが2人出てくるみたい」といったざっくりとした予備知識があるだけで、言葉を拾いやすくなります。
2.英語の勉強を始めた超初心者|文法・単語固めの時間に
- 英語を基礎からやり直したい
- 将来の英会話や試験対策に備えて、土台をつくりたい
- 通勤中は声が出せない環境(電車・バスなど)
通勤中は声を出せない環境も多いですが、「見る・考える・覚える」ことは十分に可能です。
この時間を「アウトプットの準備」として割り切り、コツコツとインプットに集中することで学習効率が格段にアップします。



まず取り組みたいのは、中学レベルの文法・単語の総復習 !
これができていれば、その後の試験対策や英会話学習など、あらゆる目標への土台となります。
中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。
中学英単語をひとつひとつわかりやすく。
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中学レベルの文法・単語ができていれば、その後様々な目標に向かって本格的な勉強を始められます。
3.試験対策をしたい人|試験対策を強化
TOEICや英検のスコアアップを目指している
英検準2級以上とTOEICを受ける場合は、試験を意識した文法・単語もさらに強化しましょう。
キク英文法(※クリックでAmazon購入ページへジャンプします)
文法項目が網羅されており、TOEIC・英検どちらにも対応可能。
まとまった解説と例文がセットなので、復習にも使いやすいです。



新しい本をたくさん買うより、1冊を何周もして定着させるのがポイントです!
通勤時間ではまとまった問題演習が難しいため、過去問への取り組みは自宅で補完しましょう。
通勤時間では文法・単語・リスニングなどの「仕込み」に集中し、アウトプットは別の時間に分けて考えるのがコツです。
通勤中にできる英語勉強スケジュール


TOEICや英検、日常英会話など、目的に関係なく「最低限こなしておきたい基礎固め」のスケジュールを紹介します。
- 1〜2ヶ月目:文法の勉強(基礎)
- 3ヶ月目〜:単語・発音の勉強(基礎)
- 基礎固めが終わったら試験単語を勉強
- 模試や過去問を解く
すでに中学英語の文法・単語を一通り復習できた人が、次に何をすべきか迷ったときに進むべきフェーズとしてもおすすめです。
通勤時間を使って、段階的に実力を積み上げていきましょう。
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1〜2ヶ月目:文法の勉強(基礎)
英語学習において、最初に取り組むべき最重要分野が文法です。
実際、文法の段階でつまずいて挫折してしまう人は非常に多く、ここを乗り越えられるかどうかが今後の学習効率を大きく左右します。文法の基礎が身についていると、その後の単語やリスニングの習得スピードが何倍にも加速するからです。



僕はTOEIC900点や英検1級を目指す際に、「キク英文法」を使って集中的に文法を強化しました。
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- 全49項目の目次を「1日5項目ずつ」で約10日間で1周
- 約2ヶ月で6周するペース
というサイクルで繰り返し学習し、覚えた内容を忘れないように復習を重ねながら定着させました。
3ヶ月目〜:単語・発音の勉強(基礎)
英検2級レベルまでの単語は、高校英語で習う基礎単語が中心です。
TOEICの高スコアや英検1級を目指す場合でも、まずはここをしっかり復習しておくことが大切。いきなり難しい単語帳に飛びつくと、本来押さえておくべき基礎語彙が抜け落ちてしいます。



僕はこのフェーズで「データベース3000」(現在は最新版の「データベース3300」)を使い、以下のペースで取り組みました。
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- 1日1章・約1週間で1周
- 1ヶ月で約5周の反復
通勤時間のみで取り組む場合は、3〜6ヶ月ほどで1冊を網羅できるペースが目安です。
また、発音は1日10分ほど、発音記号や音の変化を口に出して練習しました。電車やバスで声を出しにくい場合は、自宅で進めると良いでしょう。
基礎固めが終わったら試験単語を勉強
TOEICや英検に取り組むなら、試験ごとの頻出単語を押さえておきましょう。
1語ずつ完璧に覚えようとするのではなく、何度も出会って少しずつ馴染ませる「反復重視」のインプットが効果的です。
試験単語には、普段の生活ではなかなか触れない難しい語も含まれます。だからこそ、意味を丸暗記するのではなく、以下のような工夫を加えると定着しやすくなります。
- 単語の「概念」をイメージで覚える
- 写真のように情景を思い浮かべて記憶する
- 語源や派生語に注目して、言葉のグループごとに理解する
暗記の工夫は、関連記事「英単語が覚えられない!ストレスを溜めない効率的な暗記方法7選」でも詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。


模試や過去問を解く
本番を意識して模試や過去問にチャレンジしてみましょう。解いてみてわからなかった文法や単語は、必ず復習してクリアにしてください。
とはいえ、通勤時間はまとまった学習には向きません。



紙の問題集を広げたり、ノートにメモを取ったりするのは難しい場面も多いですよね。
そんなときは、「朝のスキマ時間で問題を解く→通勤中に復習する」というように、学習の役割を分けるのがおすすめです。また、模試で見つかった苦手分野は、週末などに集中的に補強すると効率的に力がついていきます。
通勤時の荷物を減らしたい!スマホでできる英語勉強ツール3選





重たい参考書やノートを持ち歩くのは、毎日の通勤では正直つらい…。
そう感じたら、スマホひとつで完結する英語学習ツールの出番です。
ここでは、「荷物を増やさず、続けやすい」をテーマに、通勤中でも手軽に使える厳選ツールを3つご紹介します。
- YouTube
- TED
- スタディサプリ
電車でも車内でも、スキマ時間を有効活用したい人はぜひチェックしてみてください。
1. YouTube
英語学習に関する動画や音声がたくさん投稿しています。
僕も「英語コーチ-イングリッシュおさる」チャンネルで、レベル別の文法復習やそもそもの勉強の仕方を学べるような動画をたくさん公開しています。



テロップや図解も入れているので「イヤホンをしても電車の音でよく聞こえない」という状況でも見やすいと思います!
イングリッシュおさるの公式LINEでも、英語の基本をまとめた学習スライドを無料プレゼントしています。
スマホで見られるように作ってあるので通勤中にぜひ活用してみてください。
2.TED
世界中の著名人や起業家による英語スピーチ動画を配信しているWebサイトで、YouTubeやアプリでも展開しています。
スクリプト(台本)表示やスピード調整の機能があるので、ただ聞くだけでなくオーバーラッピングやシャドーイングでのトレーニングに使いやすいです。
英語音声を聞きながら、同じスクリプトを見て声に出して読むこと
英語音声を聞きながら、スクリプトを見ずに少し遅れてマネして話すこと
テクノロジーや環境など教養となるテーマも多く、試験のライティングやスピーキングで求められる時事問題も学べます。
3.スタディサプリ
僕も昔使っていた英語学習アプリです。大人向けには次の3つでコースが分かれています。
- TOEIC対策
- 日常会話
- ビジネス英会話
英会話系のコースでは一部で発音によるアウトプットもありますが、クイズやアプリ内で完結する書き取りなどは通勤電車でも活用できます。
関連記事「【口コミあり】スタディサプリの英会話コースは「効果なし」って本当?上手くいかない5つの理由と対策を紹介」でスタディサプリについてレビューしていますので、ぜひあわせてご覧ください。


通勤時間の英語勉強でやりがちな3つの落とし穴
せっかく英語の勉強を始めても、なんとなく続けているだけでは効果は出づらいです。
- 聞き流す「だけ」で勉強した気になる
- いつも違う教材をつまみ食い
- 「通勤時間=メイン学習の時間」にしてしまう
無駄を省いて、通勤学習の効率をグッと高めましょう。
1.聞き流す「だけ」で勉強した気になる
「なんとなく聞こえている」と「実際に聞き取れている」は、似ているようでまったく別ものです。
英語の音声をBGMのように流すだけでは、英語を聞いていた気分にはなっても、実際のリスニング力はなかなか伸びません。



重要なのは、「聞き取ろうとする意識」と「自分の口で再現する力」をセットで鍛えること。
そのためには、聞こえた音声をすぐに真似するシャドーイングや、スクリプトを見ながら発音を重ねるオーバーラッピングが効果的です。
なお、関連記事「【衝撃】英語の聞き流しだけでは学習効果が低い!聞き取れるようになる6つの方法を紹介」では、聞き流しの学習について、より深く解説しています。あわせてチェックしてみてくださいね!


2.いつも違う教材をつまみ食い
脳が「これは重要な情報だ」と判断するためには、繰り返しのインプットが欠かせません。
たとえばTOEIC対策の単語帳であれば、どの教材も似たような単語が多く掲載されており、何冊も手を出すより1冊をやり込むほうが圧倒的に効率的です。
最低でも3〜5回は反復することを前提に、1つの教材を使い倒すつもりで取り組みましょう。「あれもこれも…」とつまみ食いをするより、「この1冊なら全部覚えた」と自信を持てるほうが、学習のモチベーションにもつながります。
3.「通勤時間=メイン学習の時間」にしてしまう



通勤時間は、あくまでも「制約のあるスキマ時間」です。
集中力を要する難しい問題に取り組んでも、目的の駅で中断されてしまい、結局「やっている気分」だけが残ることも。
そのため通勤時間は、知識の「定着」や「復習」の時間として活用しましょう。昨日覚えた単語や文法をもう一度思い出したり、リスニングで耳を慣らしたりするのです。
考えて悩むのではなく、反復で自然に身につけていきましょう。
この記事を参考に、通勤時間も英語のレベルアップに変換してみてください。
イングリッシュおさるの公式LINEでは、通勤時間のインプットにも使える学習スライドを無料プレゼントしています。何から手をつければ良いか迷っている人はぜひ通勤時間のおともに使ってくださいね。