「副詞節って何なの?文法用語は苦手だなぁ」
「和訳をするとき、副詞節って説明を受けたけどそもそもどういう意味だろう」
「副詞節を見分ける方法が知りたい」
和訳するために文の構造を分析していると出てくる言葉、副詞節。
そもそも何者かわからない、説明を聞いてもどれが副詞節なのか理解できないという方もいるのではないでしょうか?
副詞節は、文のなかで追加説明をしているものであり、自由に使える要素です。しっかり理解することで文の構造がわかりやすくなるので、ぜひここでマスターしましょう。
この記事では、英語の講師として数多くの方の指導を行ってきた僕が、副詞節について詳しく解説します。
- 副詞節とはなにか?
- 名詞節・形容詞節との違い
- 副詞節の見分け方
- よくある用法
などを解説し、1記事で周辺知識までしっかりマスターできます。英文解釈を得意にしたい方や、文法で躓いてきた方は、ぜひご覧ください。
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
副詞節とは?概要をサクッと解説
まずは、副詞節についてざっくりと理解しましょう。
副詞節は、副詞の役割をしていて節になっているものです。もっとしっかり理解するために
- 副詞
- 節
とはそれぞれなにか、おさえておきましょう!
副詞は動詞や文全体を追加説明するもの
副詞は、一言でいうと名詞以外を修飾するものです。
- 動詞
- 形容詞
- 文全体
など、名詞以外の要素を詳しくする説明するために使われます。
場所や時間、程度などの情報を付け加えることで情報を限定したり、説明を付け足したりするのが副詞の役割です!
見分け方は簡単で、名詞と、名詞以外の前後についているものはすべて副詞になります。
節とは大きな文の一部分にある文のこと
節とは、大きな文の一部となって使われている「文」のこと。節のなかには主語と動詞が含まれていて、節だけ取り出しても文の形をしています。
節は文の中のさまざまな位置において、自由に使える要素です。
これらをまとめると、副詞節は「名詞以外を詳しく説明するために付け加えられた文のかたちをしたもの」といえます。
まずは、説明のために付け加えられた小さな文だと理解してしまいましょう!
副詞節と名詞節・形容詞節との違い
副詞節をよりしっかり理解するために、名詞節・形容詞節との違いを理解していきましょう。
さっそく復習ですが、副詞節は文全体のなかで修飾し、説明を補足するもの。
When I was a child, I lived in Tokyo. (私が子供の頃、東京に住んでいた)
この文では、When から続く文が東京に住んでいた時期を付け足して説明しています。これが副詞節。ここから、名詞節と形容詞節も例文付きで紹介していきますね!
名詞節は名詞の役割をするもの
名詞節は、名詞の役割をしている文のことです。
I know that he is a doctor. (私は彼が医者であると知っている)
この文では、that から後ろが名詞節にあたります。know という動詞の後には、「私が知っている内容」を示す名詞(目的語)が必要です。知っている内容を文章で表していますね。
名詞節は、主語にもなれます。
Whether I buy it will depend on the price. (それを買うかどうかは値段による)
この文では、Whether からの節が大きな文の主語になっています。
このように、主語や目的語となっており、名詞の役割を果たしているのが名詞節です。
形容詞節は名詞の説明をするもの
形容詞節は、名詞の説明をする文のことです。
The T-shirt which she bought is cute! (そのTシャツ、彼女が買ったものなんだけど、かわいいよね!)
ここでは、which she bought の部分がTシャツについて補足説明していますね。
He has a son who lives in Tokyo. (彼は東京に住んでいる息子がいる)
こちらの文では、who 以降の節が息子について説明を加えています。
このように、文の形をしていて名詞を説明しているのが形容詞節です。
名詞節・形容詞節以外のもの、つまり「名詞の役割せず、名詞の説明にもなっていないもの」はすべて、副詞節になります。
副詞節の見分け方を解説
副詞節がなにかわかったところで、見分け方を覚えていきましょう。名詞節・形容詞節にならないものが副詞節、と消去法で見分けるのがわかりやすいです。
<名詞節の見分け方>
文の主語・目的語・補語どれかになっている
<形容詞節の見分け方>
・名詞の直後にある
・節の中身が完全な文でなく、欠けている
どちらにも当てはまらなければ、副詞節です!
それでは、さっそく練習問題に挑戦してみましょう。次の節が名詞節・形容詞節・副詞節どれか当ててみて下さい。
問題1
That he is hiding something is plain to see. (彼が何かを隠しているのは簡単にわかる)
問題2
You will arrive there at eight if you leave now. (今出発したら、そこに8時にはつくよ)
問題3
He asked me if I wanted to go to Kyoto. (彼は私が京都に行きたいかどうか訪ねた)
問題4
The boy who is playing there is my son. (あそこで遊んでいるのが私の息子です)
問題5
I can’t go because I am sick. (病気だから私は行けない)
それでは、答え合わせしていきましょう!
問題1:that節が主語の役割を果たしているので、名詞節です。
問題2:if節は主語・目的語・補語になっておらず、名詞の直後にもないので副詞節です。
問題3:if節が目的語になっているので、名詞節です。
問題4:whoからの部分がthe boyという名詞の直後にあるので形容詞節です。
問題5:because以降は主語・目的語・補語になっておらず、名詞の直後にもないので副詞節です。
全部できましたか?文章が長くなっても、文全体の構造がしっかり見極められるようになれば、同じ考え方で節を見分けられますよ!
副詞節を作る基本3パターン
副詞節を作るパターンも理解しておくと、さらに構造を予想しやすくなります。ここでは、副詞節によくなる3つのパターンを解説します。
- 接続詞
- 関係副詞
- 複合関係詞
ひとつずつ理解していきましょう!
接続詞
以下のような接続詞がつながると、副詞節になることが多いです。
- if
- though
- when
- while
- because
- before / after
これらは従属接続詞と呼ばれるもの。接続詞がついていないほうの文が伝えたいことであり、接続詞がついているほうの文が補足説明をしています。
Because I studied hard, I passed the exam. (熱心に勉強したから、試験に合格した)
You can win if you do your best. (ベストを尽くしたら勝てるよ)
どちらも、メインの文にくっついて補足説明をしていますね。ただし、接続詞がつけば必ず副詞節になるわけではありません。
Do you know if she will come here? (彼女がここにくるかどうか知ってる?)
この文では、if から後ろが目的語の役割を果たしているので名詞節になります。このように副詞節にならないこともあるので、必ず文の構造を見てから判断しましょう。
関係副詞
関係副詞は必ず、副詞節になります。
関係副詞は関係代名詞の親戚にあたるもの。後ろから前の名詞をつまみ上げて説明を付け足し、修飾しています。
- where:場所に関する情報を付け足す
- when:時に関する情報を付け足す
- why:理由に関する情報を付け足す
関係副詞は名詞の直後に置かれますが、文の欠けがないので副詞節です。例文を見ていきましょう。
This is the city where I was born. (ここは私が産まれた都市だ)
Do you remember the day when we met? (私達が出会った日を覚えてる?)
ちなみに、関係代名詞は副詞節にはなりません。
The man who lives next door is a doctor. (隣に住んでいる男の人は医者だ)
who以降の節は名詞の直後に置かれているため、形容詞節になります。
複合関係詞
複合関係詞も、副詞節になることがあります。複合関係詞は先行詞と関係詞を兼ね備えたもので、~ever という形をしています。
- whenever
- wherever
- whoever
- whichever
など、関係代名詞や関係副詞に ever が付きます。例文を見てみましょう。
Whenever you come to my home, I treat you. (うちに来たらいつでもごちそうするよ)
Whenever の部分が後ろの文を説明していますね。この節は、名詞の役割もせず、名詞の直後にも置かれていないので副詞節です。
Whichever you choose, we are sure you will love it. (どちらを選んでも、あなたは気にいると思います)
こちらも、後ろの文を Whichever の部分が補足説明しています。
ただし、複合関係詞も名詞節になることがあるので、しっかり文の構造を確認しましょう。
Whoever comes is welcome. (来る人はだれでも歓迎します)
この文では、Whoever の部分が大きな文の主語になっているので、名詞節になります。
時や条件を表す副詞節は時制に注意
副詞節でよく受験や試験に出されるルールがあるので、覚えておきましょう。
時や条件を表す副詞節のなかは未来のことでも現在形にする。
今まで、「文の中の時制は一致させる」というルールを聞いてきた方もいるかもしれません。しかし、時や条件を表す副詞節は例外です。
I will call you when I finish the homework. (宿題が終わったら電話するね)
のように、現在形を使いましょう。
このルールができた背景には諸説あるので、一つピックアップして説明します。
will という助動詞は本来、100%確実だと話し手が主観的に思っている意志や推量を表すものです。上の文でいえば、「宿題が終わったら、確実に電話する」と本人が考えているから、未来のことを伝えられます。
しかし、when 以降の副詞節は前提条件。副詞節の内容が実現した場合の話をしているので、意志や推量を表す will を使うと不自然になってしまいます。推量っぽさを入れると違和感があるから、現在形で表すというわけです。
ルールを丸暗記しても良いですが、背景まで理解すると忘れにくくなりますよ!
大きな文のなかで、自由に修飾を付け足せるのが副詞節。副詞節が入ると一文が長くなっていくので難しそうに見えますが、文の情報を詳しくできる使い勝手の良いものです。
また、英文を訳していくときに副詞節を見分けられると、文章の理解が容易になります。ぜひ、基本ルールを抑えて文の構造を理解できるようになりましょう。
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