「other とか another とか紛らわしい…」
「どうやって使い分けるの?」
「違いを図で解説してほしい」
one / other / another などの代名詞は、登場頻度が高いのに非常にややこしく、つまずいてしまう人が多い文法事項です。難しいのに学校でもあまり詳しく説明されないことも多く、曖昧なまま放置している人も多いのではないでしょうか。
ですが、英語を使いこなすためには other と another の違いを理解することは非常に重要です。そこで、この記事では以下の内容について解説します。
- other と another の種類
- それぞれの違いを図解
本質からイメージで捉えられれば、一撃で理解できますよ。最後には練習問題もついているので、ぜひ確認テストとして活用してくださいね。
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
other と another の種類をサクッと解説
other と another は5種類の形で使われます!
よく使われるのは以下の5種類で、「代名詞用法」か「形容詞用法」のどちらか、もしくは両方として使われます。
- another
- other
- others
- the other
- the others
代名詞用法 … 単体で用いて「もう1つのモノ」や「他のモノ」という意味を表す
形容詞用法 … 名詞を後ろに伴って「もう1つの○○」や「他の○○」という意味を表す
以下が使われる用法の一覧表です。
代名詞用法 | 形容詞用法 | |
---|---|---|
another | 〇 | 〇 |
other | × | 〇 |
others | 〇 | × |
the other | 〇 | 〇 |
the others | 〇 | × |
other や another は「one(何か1つのモノ)」が既に文中や会話中で登場しており、それ以外のモノを指したい場合に使われることが多いです。one や名詞を繰り返さずに表現できるので、使いこなせると洗練した文章が書けるようになりますよ。
other と another の違いや使い方を図とともに徹底解説
「結局使い分け方がわからない」「混乱してしまう」という人のために、other と another の違いを図を用いて解説します。
- another
- other
- others
- the other
- the others
本質から理解できるようになるので、丸暗記する必要もありません。それぞれ確認していきましょう。
1. another
another は an + other です。つまり、an なので「不特定の1つのモノ」を表します。特定のモノの場合は「the」が用いられますよね。
another は「複数のモノの中に one があり、one 以外のモノのうちのどれか1つ」です。1つがどれであるのかはわからないので注意しましょう。
He liked the pastry so much he bought another.(彼はそのお菓子が気に入ったので、もう1つ買った)
という文章では代名詞用法で用いられており、彼が買ったお菓子「one」とさらに追加で買った「another」があるとわかります。同じモノの中で別の特定できない1つ、という場合に使われることが多いです。
They have another question.(彼らはもう1つ質問がある)
形容詞用法で another が使われており、既に1つ以上質問をしている状態だと考えられます。基本的に another 自体が単数なので、後ろに伴う名詞も単数形ですが、以下の場合のように複数形が来ることもあります。
It looks like it will continue to rain for another two weeks.(あと2週間雨が降り続けるようだ)
「数字+複数名詞」を1つの塊として捉え「もう1つの塊」として使うこともあるので、覚えておきましょう。
2. other
other が単独で代名詞として使われることは基本的にありません。後ろに複数名詞を伴って「別の○○」という形容詞用法で使われることがほとんどです。
Apart from the shoes, other objects are my sister’s hand-me-downs.(靴以外のモノは姉のおさがりだ)
靴以外の、例えばTシャツやスカートなどの複数のモノを指します。「靴以外すべて」なら the others でも良いように思えますが、後ろに objects を伴っているので other を使いましょう。
5つ服があってその中の1つ以外すべて、という場合には「the others」がふさわしいですが、この文章では「靴以外のモノ」が具体的にどれなのか特定できないので「the」をつけられません。
また、以下のような慣用句では後ろに名詞を伴わずに other が使われます。
- each other(お互いに)
- other than(~以外)
- some or other (何らかの)
「他の○○」という意味そのままでは使われていないことも多いので、注意してくださいね。
3. others
others は「不特定の複数のモノ」です。そして others と一緒に覚えてほしいのが「some」です。some は「いくつかの」という意味で、よく others とセットで使われます。
複数のモノがある中で some(いくつか)があり、それ以外の複数のモノが「others」です。ここで others が「残りすべて」を指すとは限らない点に注意してください。例えば、
Conflicts were resolved in our town, but continued in others.
(争いは私の町では解決したが、自分の町以外の他の地域によっては続いた)
という文章では特定の地域「自分の町」(one)があり、その他の others に含まれる地域があります。ですが、others に含まれる地域すべてで争いが続いているとは限りません。
others に含まれる地域すべてで争いが続いたということを明示したい場合は、the others を使うと良いでしょう。
Of the ten, two are from the Kanto region and others are from the Kansai region.(10人の中で2人は関東地方出身で、他には関西地方出身の人もいる)
という文章では、8人の中で関西地方出身の人が何人いるかわかりません。2人かもしれないし、8人全員かもしれません。関東、関西どちらの出身でもないひとがいる可能性があるということです。
また、others は some とセットで使われると「~なモノもあれば…なモノもある」といった意味になります。慣用句化しており、頻繁に使われるので覚えておきましょう。
Some people like chocolate, and others crisps.(チョコレートが好きな人もいれば、ポテトチップスが好きな人もいる)
and 以降は like が省略されています。さらに、others は単体で代名詞として用いられて「その他の人々」を表すことも多いです。
Others have already condemned them.(他の人々は既に非難した)
後ろに名詞もなく、some もない others を見た場合はこの用法の可能性が高いでしょう。
4. the other
the other は「特定できる単数のモノ」です。the other が使われる場面には、大きく2種類あります。
- 2つのモノがあり「one」について言及があって「one ではないほう」としての「the other」
- 3つ以上のモノがあり「残り1つ」として特定できる「the other」
共通しているのは「1つに特定できる」という点です。例えば、
I have two daughters: one lives in Tokyo and the other in the US.(私には2人の娘がいる。1人は東京に住んでいて、もう1人はアメリカに住んでいる)
2人しか娘がいないので「東京に住んでいる娘とは別の娘」と言えば、誰の事だか特定できますよね。また、
Of the ten, three are dressed in blue, six in green and the other in red.(10人のうち3人が青い服を、6人が緑の服を、残り1人が赤い服を着ている)
「青か緑の服を着ていない人」というと10人の中では自ずと1人に決まってしまうので、the other が使えます。この2つの文章はいずれも代名詞として使われていますが、the other には形容詞の用法もあります。
The other skirt of the two was tried on.(2つのうち、もう1つのスカートを試着した)
複数形が後ろに来る場合もありますが、the others でも代用可能です。
One orange was rotten, but the other oranges were not.(1つのオレンジが腐っていたが、他は腐っていなかった)
=One orange was rotten, but the others was not.
複数形を後ろに伴う場合を除いて「1つに特定できる」という点がポイントです。
5. the others
the other の複数形で「複数ある中の残りすべて」を表します。the other 同様に「特定できる」点がポイントです。
Two of the six are 22, the others 21.(6人のうち2人は22歳で、他の人は21歳だ)
「4人全員が」ということまで読み取れます。単数の場合には使えないので注意してくださいね。
Some in the class like English, the others like maths.(クラスの中で何人かは英語が好きで、他の人は全員数学が好きだ)
some を使っているので、英語が好きな人が具体的に何人いるのかは不明ですが「some 以外の残り全員」を指して the others が使われています。
【やってみよう】other と another の違いを見分ける練習問題5題
では実際に、other や another を使った練習問題に取り組んでみましょう。不安な箇所がある場合は、何度もこの記事を読み返してくださいね。
【問題1】( )に当てはまるものを選んでください。
Of the eight people here now, three are from China, two are from the US, and ( ) from France.
①other ②others ③the other ④the others
【正解】④the others
和訳:今ここにいる8人のうちで、3人は中国、2人はアメリカ、そして残りはフランスの出身だ。
全体が8人とわかっていて、中国とアメリカ出身でない残り「3人」を指す単語が入ります。特定でき、かつ複数なので the others が最適です。
【問題2】( )に当てはまるものを選んでください。
Some TV programs are fine, and ( ) seem bad for children.
①others ②the other ③other ④the others
【正解】①others
和訳:子供にとって良いテレビ番組もあれば、良くないような番組もある。
「Some~, 」を見たらどこかに「others~」がないかチェックしましょう。不特定のいくつかのモノ(some)と、それ以外で不特定の複数のモノなので others になります。
【問題3】( )に当てはまるものを選んでください。
Children should be taught how to get along with ( ).
①another ②other ③others ④the others
【正解】③others
和訳:子供は他の人たちとうまくやっていく方法を教えられるべきだ。
others は単体で用いられて「他の人」を指します。汎用性が高く、登場頻度も高いので覚えておきましょう。
【問題4】( )に当てはまるものを選んでください。
We have ( ) ten miles to walk before sunset.
①others ②the other ③another ④other
【正解】③another
和訳:私たちは日没までに、あと10マイル歩かなければならない。
another が形容詞用法で用いられるときは、基本的に後ろに単数名詞を伴いますが「時間」「距離」などの場合は複数名詞でも後ろに来ることがあります。これは複数のモノを1つの塊として捉えているためです。形容詞用法だという点から others を消去し、複数名詞が続く点から the other を、他に「one」に当たるものがない点から other を消去しましょう。
【問題5】( )に当てはまるものを選んでください。
There are two reasons for our decision, and you know one of them. Now I’ll tell you ( ).
①another ②the other ③other ④the others
【正解】②the other
和訳:私たちの決定には2つの理由があり、あなたはその1つを知っています。今、あなたにもう1つの理由をお話しします。
2つのうち、1つについて言及されているので「もう1つ」と言えば特定できる状況です。そのため、単数かつ特定できる語を指す the other が正解です。
難しい文法事項ですが、ぜひこの記事を学習に役立ててくださいね。関連動画「【完全イメージ化】英文法完全攻略【永久保存版】」でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事で、 other ・another の違いを押さえておきましょう!
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