「シャドーイングで口が回らないのはなぜ?」
「どうすればシャドーイングができるようになるんだろう」
「効果的なシャドーイングのやり方が知りたい」
英語を聞きながらそれを真似して発音するシャドーイング。リスニング力向上には効果的な勉強法ですが、口が回らなくて上手くできないと悩む方も少なくありません。
前提として、英語の発音は日本語とは違うので、シャドーイングは英語初心者にとってはかなり難しく感じる学習法なんです!
この記事では、TOEIC900点超えの元英語教師だった僕が、以下の内容について解説します。
- シャドーイングで口が回らない原因
- シャドーイングで口が回らないときの改善策
- シャドーイングの進め方
シャドーイングで英語力を上げたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
シャドーイングで口が回らない7つの原因
シャドーイングで口が回らない原因は以下の7つです。
- 発音を聞き取れていない
- 音の変化に気づいていない
- 口の筋肉が十分に動いていない
- 文法や単語の知識が不足している
- リズムや強弱を掴めていない
- 音源の読み上げのスピードが速い
- シャドーイングの勉強を始めたばかり
順に解説します。
1.発音を聞き取れていない
発音が聞き取れていないと、何をいえば良いのか分からない状態になってしまうのも仕方ありません。この場合、シャドーイングのやり方を改善するよりもリスニング力を強化することを優先しましょう。
まず英語を日常的に聞く習慣をつけてください!
毎日英語を聴く習慣をつけることで、自然と耳が英語の発音に慣れてきます。リスニングの教材としては、日常会話など身近なトピックを扱っているものがおすすめです。
なお、関連動画「【有料級】リスニング5ステップ【完全ガイド】」では、リスニング力アップの秘訣について具体的に解説しています!リスニング力を圧倒的に伸ばしたい方はぜひ参考にしてみてください。
2.音の変化に気づいていない
ネイティブスピーカーは英語を発話する際に、前後の単語によって音を変化させたり発話しなかったりすることがあります。そのため、数音の違いを理解できていないと、文全体を比較したときに違和感のあるシャドーイングになってしまうのです。
以下の表に、英語でよくある音の変化をまとめました!
連結 | 単語同士が繋がって発音される 音声変化例:This afternoonならズィス アフタヌーン → ズィサフタヌーン |
同化 | 隣り合う音に影響を受けて、違う音に変わる 音声変化例:Bless youならブレス ユー→ブレシュー |
ラ行化 | /t/や/d/の音が日本語の「ら行」のような音になる 音声変化例:puddingならプディン→プリン |
弱形 | 人称代名詞・前置詞・be動詞・助動詞などにおいて弱く短く発音される 音声変化例:himならィム |
脱落 | あるべき音が発音されなかったり、聞こえにくかったりする 音声変化例:Stopならストップ→ ストッ(発音しないが、口は/p/の形) |
通常の音声で分からないときはスピードを落として再生することで、発音の変化を捉える練習をしてみてください。
3.口の筋肉が十分に動いていない
日本語と英語の発音は音の発し方が異なるため、口の動かし方や使う筋肉も変わってきます。そのため、日常的に英語を話さない方がシャドーイングを始めるときに起こりがちなのが、普段使わない筋肉を動かすのに苦戦してしまう現象。
小さい子どもがだんだん言葉を流暢に話すようになるのと同様に、英語の発音も練習を重ねることで改善されていきます!
普段使わない口の筋肉も、シャドーイングを繰り返すことで自然に動かせるようになるはずです。
4.文法や単語の知識が不足している
文法や単語を知らない場合、英文の意味を理解できていないので、シャドーイングで再現ができないのも無理はありません。
シャドーイングの前に知識のインプットを行う必要があります!
日常英会話レベルの英文は、中学レベルの文法や英単語を組み合わせているものがほとんど。まずは参考書などで中学レベルの知識を身につけてみてください。
文法や単語がある程度理解できるだけで、シャドーイングで聞き取れる情報量が格段に増えること間違いなしです。
関連記事「【完全版】まずおさえたい英語の文法13個を総まとめ!1記事で基礎固めは完璧」では、英語文法の基礎について徹底解説しています。シャドーイングを行うために必要な文法は完全マスターできるので、ぜひ参考にしてみてください。
5.リズムや強弱を掴めていない
英語はリズムや強弱(アクセント)の上下が激しい言語。そのため、基本的にアクセントのある箇所は強くゆっくりと発音され、アクセントのない箇所は弱く早く発音される傾向にあります。
シャドーイングの場合は、このリズムや強弱を忠実に再現しなければなりません!
細かい部分ですが、アクセントが甘かったりリズムがずれていたりすると、精度の低いシャドーイングになってしまうので要注意。繰り返し音声を聞いたり、自分の音声と比較したりすることで、精度を高めましょう。
6.音源の読み上げのスピードが速い
自分が聞き取れる英語のスピードに対して音源の読み上げスピードが速いと、口が回らないのも無理はありません。
頭で理解できていない文章を再現するのは至難の業ですよね。
この場合、英語の発音に口を慣らすためにも、最初はゆっくりめの音源でシャドーイングに取り組むのがおすすめです。シャドーイングで重要なのは、精度を高めること。そのためにも、ゆっくりとした音源でも忠実に再現できていれば、確実にシャドーイングは上達します。
慣れてきたら、通常のスピードに戻しましょう。
7.シャドーイングの勉強を始めたばかり
英語学習を日常的に行っていても、話す機会が少ないとシャドーイングに苦戦してしまいます。ただ、知識が身についているのなら、シャドーイングは練習量を積めば次第に慣れてくるもの。
何事も最初は苦戦するものなので、根気強く取り組むことが重要です!
今よりも英語力を高めるために、継続的にシャドーイングに取り組んでみてください。
なお、イングリッシュおさるの公式LINEではシャドーイングの勉強法だけでなく、英語力を本質的に向上させるための教材を無料配布しています。以下のリンクから登録すれば受け取れるので、ぜひチェックしてみてください!
シャドーイングで口が回らないときの5つの改善策
ここでは、シャドーイングで口が回らないときの改善策を解説します。
- 事前準備をする
- 速度を落とす
- 強弱を意識する
- 身近なトピックを選ぶ
- 継続する
上手くシャドーイングができずに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.事前準備をする
シャドーイングを始めたばかりのときは、事前に教材のテキストを読み、知らない単語の意味と発音を調べましょう。分からない発音や単語で止まってしまうと、なかなか学習が進まないからです。
英語の発音の感覚を掴むためにも、勉強を始めたばかりの頃は調べながら進めて大丈夫です!
単語によっては、スペルを見ても読み方がわからない複雑なものもあると思います。その場合は、カタカナでルビを振るのがおすすめです。
ここまでを、事前準備として行っておいてください。
2.速度を落とす
普段英語を話さない方が、シャドーイングで口が回らなくなるのは無理もありません。なかなか発音が追いつかない場合は、教材の音声を忠実に発音できるスピードまで落とすのがおすすめです。
音声が早いままシャドーイングを行っても、あやふやな発音でごまかしながら進めることになるので、効果が薄まってしまいます!
音源のスピードは0.8倍速が目安。ただし、スピードより正確さを意識して進めべきなので、0.8倍速でも口が回らない場合はもっと音源の速度を落として構いません。
音の変化・強弱・リズムなどを忠実に再現できるように繰り返しシャドーイングしてみてください。
3.強弱を意識する
英語は強弱やリズムがとてもはっきりしているので、強弱を意識することで文章の流れが掴みやすくなります。
英語には、強く発音する強形と弱く発音する弱形の言葉があります!
強形には動詞などの文章の内容を表す重要な品詞、弱形にはあまり意味を持たない言葉が当てはまる傾向にあるので、ぜひシャドーイングの際も意識して聴いてみてください。
強形の言葉の中でも、アクセントがかかる音節はとくに注意して聴き取りましょう。
4.身近なトピックを選ぶ
シャドーイングの勉強を始める際は、専門的なトピックよりも身近な話題を選ぶのがおすすめです。
身近な会話のほうが展開をイメージしやすいので、より耳に入ってきやすくなります!
TOEIC受験を目指しているならTOEICの問題集を、日常会話を勉強したい場合は日常のストーリーを採用している教材で対策してみてください。自分が挫折しないレベルの教材を選ぶことで、シャドーイングの勉強を継続できます。
5.継続する
シャドーイングは、単語学習などとは異なり、英語初心者が苦戦しやすい学習法のひとつ。そのため、初めのうちはなかなか口が回らないと悩むのも無理はありません。
そもそも、筋肉を鍛えるには最低1ヶ月以上はかかるもの。成長実感がないからと数日でシャドーイングをやめてしまうのは非常にもったいないです。
シャドーイングは口の動かし方に慣れる訓練でもあるので、焦らずに練習を重ねましょう!
なお、関連動画「一撃で聞こえる!シャドーイング完全攻略」では、ワークをまじえてシャドーイングを行う機会を提供しています。シャドーイングの反復練習にぴったりなので、ぜひ参考にしてみてください。
口が回らない方に!シャドーイングの進め方3step
シャドーイングの進め方を3stepで解説します。
- 音読する
- オーバーラッピングをする
- シャドーイングに取り組む
ぜひ参考にしてみてください。
1. 音読する
シャドーイングで口が回らないときの改善策でも紹介したとおり、事前に発音や意味の分からない単語がないかチェックしましょう。また、読み方が分からない場合は、音声を繰り返し聞くことで発音の仕方を確かめたり、カタカナでルビを振ったりします。
ここまで準備できたら、いよいよ音読です!
音読は一度ではなく、何度か繰り返してください。回数を重ねるごとに、どこで区切れば良いかが分かってきます。
2.オーバーラッピングをする
続いてシャドーイングと言いたいところですが、慣れていない場合はオーバーラッピングを挟むことで、その後のシャドーイングをスムーズに進められます。
オーバーラッピングとは、スクリプトを見ながら、放送される英語の音声と同時に英語を発音する勉強法のことです!
シャドーイングの前にオーバーラッピングをしておくことで、聴きながら話す感覚が掴めるでしょう。また、音声を聴きながら読み上げることで、よりネイティブに近い発音が目指せます。
オーバーラッピングもシャドーイングと同様に、口が回らなければ音源のスピードを下げて構いません。精度の高い発音ができるように、繰り返し演習しましょう。
3.シャドーイングに取り組む
ここまでこなせたら、いよいよシャドーイングです。シャドーイングでは、とにかくひとつの文章を完璧に再現できる状態まで極めることが重要になります。
まずはスクリプトありで音声を追いかける練習をし、慣れてきたら音声だけでシャドーイングします。ある程度できるようになったと思ったら、自分の音声と音源を比較して細かい発音やアクセントができているか確認してみてください。
地道に繰り返すことで、ネイティブ並みの発音とリスニング力が身に付きますよ!
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