「聞き流しで英語力は上がる?」
「聞き流し教材の効果はどう?」
「どうすれば英語を聞き取れるようになる?」
こんな疑問にお答えしていきます!
聞き流すだけで英語ができるようになると聞くと、とても魅力的に感じますよね。スピードラーニングなどが流行ったこともあり、聞き流し系の教材がよく販売されています。
勉強法の1つとして、聞き流しを推奨するメディアもあるでしょう。
英語がある程度できる人なら、サブ教材のような感覚で聞き流しを活用することもおすすめできます。
しかし、予備知識のない方は、聞き流しだけにこだわっても、実は勉強の効果はほとんどありません。
そこでこの記事では、
- 聞き流しのメリット
- 聞き流しだけでは効果が薄い理由
- 英語を聞き取れるようになる方法
などを解説していきます。
耳からの情報で英語力を強化したい方は、ぜひこの記事で正しい聞き流しの活用方法を確認してみてください。
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
英語の聞き流しとは音声を集中せずに聞いている状態
英語の聞き流しは、集中せずに英語の音声を聞いている状態です。
例えば、家事や通勤時間の合間になんとなく聞いている状況が挙げられます。
聞き流しと似ている勉強法で「多聴」というものがあります。多聴とは、大まかな意味を理解しながら英語を聞くリスニングの方法です。
2つの勉強法の違いは、集中して音声を聞くかどうかです。多聴は、聞き流しと比較するとより集中して英語の音声を聞きます。
聞き流しで英語を勉強する2つのメリット
「聞き流し」とは、英語を耳から聞いてインプットする学習方法のこと。
英語の聞き流しによる勉強方法に人気があるのは、次の2つのメリットがあるためです。
- 手軽に勉強できる
- 上達すれば内容を楽しめる
それぞれサクッと解説します。
1.手軽に勉強できる
聞き流しでは、教科書や辞書を広げる方法よりも、気軽に英語をインプットできます。聞き流しなら、場所を選ぶことなく勉強をスタートできるためです。
例えば就寝前のベッドや、通勤中の電車の中などで、聞き流しにチャレンジできます。
スマホやウォークマンといった再生機器と、イヤホンさえあれば、聞き流しができない場所はほとんどないでしょう。
一方で、教科書やノートを広げる方法では、デスクがないと勉強をスタートできません。
仕事や子育てで忙しくても英語をインプットできるのは、嬉しいポイントですよね!
2.上達すれば内容を楽しめる
文法や単語の知識を身につけた上で英語を聞き取れれば、内容を楽しめるようになります。
ラジオや映画など、自分の好きなものを教材にでき、英語の勉強と趣味を兼ねられるのです。
意味を理解した上で聞き流しできると、音声の続きが楽しみになり「また続きを聞こう」と感じます。継続的に英語を勉強するためのモチベーションとなるでしょう。
英語を聞き流すだけでは効果が薄い5つの理由
メリットを知ると「聞き流しなら、苦労なく英語を習得できるのでは?」と感じてしまいますよね。
たしかに、英語をたくさん聞いたほうが良いという「多聴」は一定の効果が証明されています。
しかし、聞き流しで効果を感じられるのは、あくまで英語上級者の話。初心者が聞き流しだけで英語の上達を目指すには、あまりに効率が悪いでしょう。
その理由は主に5つあります。
- 聞き流しで言語力を成長させるには膨大な時間がかかるから
- 意識せずに聞いても雑音にしか聞こえないから
- 聞き流しだけでは意味理解ができないから
- 単語・文法力が身につきにくいから
- アウトプットする機会がないから
1つずつ詳しく解説していきます。
1.聞き流しで言語力を成長させるには膨大な時間がかかるから
聞き流しにも効果があるとはいえ、十分な成長を実感できるまでには、膨大な時間がかかります。
英語の勉強法を解説する記事などでは「日本の赤ちゃんだって、日々の生活で聞き流しを実践している」「自分たちも聞き流しだけで日本語を話せるようになってきたではないか」という理由で、よく聞き流しを推奨しています。
しかし、赤ちゃんが言葉を発せられるようになるには、3年程度の時間がかかっていますよね。
大人としっかり会話できるのは、早くても小学校高学年ごろになるでしょう…!
聞き流しに意味があったとしても、習得までに10年近くも必要となっては、効率的な勉強法とはいえません。
2.意識せずに聞いても雑音にしか聞こえないから
ただ聞き流すだけでは、どんなに綺麗な英語でも雑音にしか聞こえません。
イベントなどでザワザワしている環境では、声のひとつひとつを理解することは困難です。自分が完璧に聞き取れるはずの日本語でも、集中していなければ言葉として入ってこないのです。
それと同じで、英語も「聞いて理解するぞ」と心を傾けなければ、ただの雑音として耳に入ります。
聞き流しの勉強法は、ながら作業をして無意識下で英語をリスニングします。集中しないことを前提としたら、いくら英語を聞いても、雑音として右から左へと流れてしまうでしょう。
3.聞き流しだけでは意味理解ができないから
聞き流しで効果を得られたとしても、理解できるようになるのは英語の「音」だけ。
雑音からレベルアップし、音として認識できるようになっても、本当の意味で「英語が理解できている」とはいえません。
英語には、音理解と意味理解があるからです。意味理解ができていないと、英会話を楽しんだり、リスニング問題の答えを予測したりすることはできません。
そのため初心者は、聞き流し単体ではなく、文法なども併せて勉強しなければならないのです。
4.単語・文法力が身につきにくいから
英語を聞き流すだけでは、単語や文法を覚えられません。
例えば、日本語でも知らない言葉を聞くだけでは意味がわかりませんよね。目で認識して、意味を理解することで、初めてわかるようになります。
英語でも同様で、音声だけでは知らない単語や文法を身につけることは難しいです。
リスニングスキルを向上するためには、単語・文法力が必須。聞き流しよりも、参考書を使った学習が効果的です。
5.アウトプットする機会がないから
聞き流し学習は、受け身の状態です。インプットするばかりでは英語は身につかないため、アウトプットする機会を設けることが求められます。
例えば、野球のバッティングを上達させるためには、バットの振り方を知っているだけでは不十分。実際にバットを振って、正しい振り方ができているかを確認することが大切です。
聞き流しの学習効果を発揮するためには、インプットだけでなく、アウトプットする機会を作るようにしましょう。
聞き流しで英語を聞き取れるようになる6つの方法
ここからは、聞き流しで正しく効果を得られるよう、具体的な勉強方法を解説していきます。
- 正しい発音で読めるようになってから英語を聞く
- 単語を知って語彙力を増やす
- 文法の意味を理解してから聞き流す
- 自分のレベルに合わせた教材を選ぶ
- 能動的に聞く
- 気になった単語を調べる
今まで本当の意味で「聞き流し」をしてきた方は、ぜひやり方を改善していきましょう。
※この見出しではAmazonアソシエイトリンクを使用しています。
1.正しい発音で読めるようになってから英語を聞く
正しい発音で読めるよう、訓練をしていきましょう。自分が思っている音と、実際の音には大きな差があるためです。
自分が頭の中で思い描いていた音と、実際の音とのギャップを埋められれば、英語を聞き取れる可能性が上がります。
例えば「I’d like to.」は、綴り通りに「アイド ライク トゥ」と聞こえるわけではありません。「d」の部分は、発音上ほぼ聞こえないのです。
そのため、自分の口で実際に発音し、音のイメージのギャップを埋めることが重要。
僕の関連動画「【一撃で】英語耳を作る方法【魔法ワークあり】」でも、自分が思っていた発音と実際の発音の差を埋めるためのワークを行っています。
ぜひ一緒に実践し、聞き流しに役立つ英語耳を作ってみてください!
2.単語を知って語彙力を増やす
単語の意味を知り、語彙力を強化することも大切。音を聞き取れても、単語を知らなければ文章そのものの意味を推測できないためです。
1冊だけで基礎単語を網羅するなら「データベース3000」(※クリックでAmazon購入ページへジャンプします)がおすすめ。僕も大学1年生の時に、勉強に使用していました。
その後の英語学習で必要な単語をこの本のおかげでマスターできたといっても過言ではありません。「データベース3000」以外でも、聞き流しで出てきそうな単語は一通り把握しておきましょう。
3.文法の意味を理解してから聞き流す
意味理解をより強化するには、文法の理解も必要です。
自分が思っている音と実際の音との差を埋めても、それだけで内容を理解できるわけではありません。
文法を知って英語の語順に慣れたり、ある程度の知識から文脈を推測したりできるように対策してください。
文法の参考書は、「キク英文法」(※クリックでAmazon購入ページへジャンプします)がおすすめです。「キク英文法」で、英語習得に必要な9割以上の文法を網羅できるでしょう。
4.自分のレベルに合わせた教材を選ぶ
聞き流しの教材として、自分のレベルに合わせたものを選ぶことがポイントです。
いきなり洋楽や映画の聞き流しにチャレンジしても、内容が難しかったり速すぎたりしては、理解が難しいためです。
本当に初心者のうちは、子供向け番組や童話の読み聞かせなどを選ぶのもおすすめ。
聞き取りを重ねるごとに発音と文法がわかって、理解できる教材が少しずつ増えてくるはずです。
初心者向けの内容を満足に聞き取れるようになってから、少しずつ教材のレベルをあげて対応しましょう。
5.能動的に聞く
自ら進んで耳を傾け「英語を理解する」という強い気持ちを持って取り組んでみてください。
「聞き流し」とはいっても、本当に右から左へと聞き流すだけでは、英語力は身に付きません。
理解できるはずの日本語でも、ただ流しているだけでは後から内容を思い出せないのと一緒です。
ながら作業の聞き流しは卒業してくださいね!
6.気になった単語を調べる
聞き流しで気になった単語の意味を調べ、語彙力を強化しましょう。スクリプト(原稿)がある教材なら、単語を調べやすいです。
スクリプトに出てきた単語を全て把握するつもりで、しっかりと調べることが重要です。
電子辞書を使えば発音を聞けるので、インプットして次の聞き流しに備えられます。僕のおすすめは、カシオのXD-SX4900(※クリックでAmazon購入ページへジャンプします)です。
最初は大変でも、調べるごとにリサーチにかける時間は減っていきます!
英語の聞き流し学習と組み合わせるべきアウトプットの方法3選
繰り返しになりますが、聞き流し「だけ」を受け身で続けても、英語力は上がりません。しかし、勉強環境などの理由で「やはり聞き流しが自分に合っている」と感じる方もいるでしょう。
事情があって聞き流しの勉強法を優先したい時には、次の方法でアウトプットも並行することをおすすめします。
- オーバーラッピング
- シャドーイング
- ディクテーション
この3つのアウトプット方法は、聞き流しに負けないくらい簡単に実践できます。ぜひチャレンジしてみてください!
1.オーバーラッピング
オーバーラッピングは、お手本の文章と同時に発音する練習です。カタカナで覚えていた英語と実際の音との違いが埋まり、リスニング力の向上に役立ちます。
文法の基礎学習を終えてから実践するようにしましょう。
オーバーラッピングのコツは、カタカナ読みにならないこと。英語特有の喉発音を意識して、お手本とそっくりに読めるよう練習してくださいね。
2.シャドーイング
オーバーラッピングができたら、シャドーイングに進みます。特に中級者以上の方は、シャドーイングが効果的です。
お手本の音声が聞こえてから、すぐに真似して読み上げましょう。スクリプトを見なくてもスラスラ読めるよう、発音を重ねてください。
電車の中などでは、声に出さない「サイレントシャドーイング」も取り入れられます。イヤホンとマスクを付けていれば、シャドーイングをしていることを周りに気づかれません。
上手く発音できない場所があったら、オーバーラッピングや発音の復習に戻ってみましょう。
3.ディクテーション
ディクテーションは、聞こえてきたその場で英文を書き起こすことです。書き取りで文章を推測できない場所があれば、該当部分の文法や単語の理解がまだ足りていません。
ディクテーションで不安を感じた場所は、意味の勉強や音読に戻って理解を強化しましょう。スペルミスも潰すことで、ライティング力の成長も期待できます。
英語の聞き流し教材の探し方3選
聞き流しだけで英語ができるようにはなりません。とはいえ、ここまでに紹介したポイントやアウトプットの方法を押さえて行動すれば、効果的な聞き流しに近づくことは可能です!
もし聞き流しをするなら、次の方法で音源を調達しましょう。
- 聞き流し専用のスマホアプリを使う
- 動画の音声を聞き流す
- 聞き流し用の書籍を買う
「聞き流しに興味はあるけれど音源を持っていない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
アプリや動画から聞こえてきた音を受け身になって聞くだけでは、英語を完璧にすることは難しいです。事前に語彙力を増やしたり、発音の仕方を覚えたりしてから、積極的にリスニングしましょう。
1.聞き流し専用のスマホアプリを使う
聞き流し用の音源が入った、スマホアプリが配信されています。無料で利用できるアプリも多くあることがメリットです。
TOEICを主催する国際ビジネスコミュニケーション協会によるアプリでは、重要単語や熟語の解説も閲覧できます。
バッググラウンド再生・オフライン再生ができるアプリなら、聞き流しがしやすいでしょう。
おすすめのアプリは、本記事中の「英語の聞き流し学習におすすめのアプリ5選」にて紹介しています。
2.動画の音声を聞き流す
動画の音声部分を活用して、聞き流しに使えます。
YouTubeなら再生速度の変更や、自動生成の字幕を表示する機能が聞き流しに役立ちます。
ただし外出先で聞けるようにダウンロードしたり、バッググラウンドで流したりするには、有料版に切り替えなければなりません。
普段娯楽として使っている、AmazonプライムやNetflixといった動画配信サービスでは、料金内で海外の作品も見られることがメリットです。
ダウンロードやピクチャインピクチャの機能が聞き流しにもピッタリです!
3.聞き流し用の書籍を買う
聞き流し教材として販売された本では、音源の付録が付いてきます。本では文法やスクリプトが解説されており、理解を深めるのに役立つでしょう。
TOEICや英検を意識した本も多数販売されているので、試験への合格を目指している方におすすめです。
ただし通勤電車などで聞くには、スマホにCDのデータを移行する手間がかかるので注意してください。
英語の聞き流し学習におすすめのアプリ5選
英語の聞き流し学習をする際には、以下5つのアプリを利用してみてください。
- RedKiwi
- Cake
- 英会話リスニング
- TED
- TOEIC presents English Upgrader
どのアプリも無料で使えます。おすすめポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
イヤホンをしながらアプリを使えば、通勤電車で寝ていたような隙間時間を有効活用できます。しかし聞き流しアプリによるインプットだけでなく、英作文や英会話といった積極的なアウトプットも重ねていってくださいね。
1.RedKiwi
「RedKiwi」は、リスニングに特化したアプリです。
カリキュラムは、YouTubeに投稿されている動画を元に作られています。そのため、自分の興味のあるジャンルを選んで、楽しみつつ学習を進められます。
難易度は3段階に分かれており、レベルにあわせながら学習できるのが魅力です。
2.Cake
「Cake」の特徴は、AIを搭載したスピーチ認識機能が搭載されていることです。自分の音声を録音すると、AIによるフィードバックがもらえます。そのため、聞き流し学習のアウトプットに利用するのがおすすめです。
さらに、1日の学習目標を設定することが可能です。目標を達成することで、学習のモチベーションを維持しやすいでしょう。
3.英会話リスニング
短めのフレーズが多数収録されているのが「英会話リスニング」です。各問題には丁寧な解説がついているため、英語学習を始めたての人におすすめです。
収録されている音声は、ビジネスや旅行、留学などで使えます。実用的なフレーズを学習できるのは、このアプリの魅力といえるでしょう。
4.TED
「TED」は、世界中のプレゼンテーションやスピーチ動画を視聴できるアプリです。依存症や人工知能などの難しい内容のものが収録されており、英語力をさらに伸ばしたい上級者に向いています。
動画には、日本語や英語の字幕を付けられます。分からない単語や文法を後から振り返りやすくなっているのがポイントです。
5.TOEIC公式スマートフォンアプリ
「TOEIC公式スマートフォンアプリ」は、名前の通りTOEIC対策に特化したアプリです。ビジネスや日常会話など、幅広いシーンで使える音声を聞けます。
1日1つ表現を覚えられる「今日のフレーズ」を活用すれば、隙間時間などで小さなインプットを習慣化できます。理解度をチェックするためのクイズもあり、学習効果を感じやすいでしょう。
ぜひこの記事を参考に、効果的な方法で英語の勉強に取り組みましょう!