「第三文型ってなに?」
「5つの文型の違いが分からない」
「具体的にどんな文章があるの?」
とお悩みではありませんか?
「文型」は英語の核心ともいえる重要な文法事項でありながら、意外と理解できていない人が多い内容です。
ですが、英語は文型が9割と言っても過言ではありません。
「配置の言語」ともいわれる英語において文型をマスターできれば、格段に英語を読むのが楽になりますよ!さらに、第三文型は他の文型との違いが分かりにくく、つまずく人が多い箇所です。
そこでこの記事では、多くの人に英語を教えてきた僕が以下の内容について解説します。
- そもそも文型とは?
- 第三文型とは?
- 他の文型との違い
- 第三文型における前置詞の使い方
- 例文10選
この記事を読めば、今まであやふやなまま放置していた文型についてしっかりと理解できるようになります。紛らわしい「第三文型」についても完璧にわかるようになるので、ぜひ最後までお読みください。
第三文型ってなに?5つの文型をサクッと解説
「そもそも文型って何?」「第三文型ってどれのこと?」という方のために、まずは5つの文型について簡単に説明していきます。
英語は、以下の5つの要素で構成されています。
- S =主語
- V =動詞
- O =目的語
- C =補語
- M =修飾語
5つの要素についてまとめたものが、以下の表です。
記号 | 意味 | 略す前 | 役割 | 品詞 |
---|---|---|---|---|
S | 主語 | subject | 「~は・~が」 | 名詞 |
V | 動詞 | verb | 「~する・~である」 | 動詞 |
O | 目的語(対象語) | object | 「~を・~に」 | 名詞 |
C | 補語 | complement | 動詞を通じて、主語or目的語の状態や動作を補う | 名詞・形容詞・その他 |
M | 修飾語 | modifier | 他の要素を修飾 | 形容詞・副詞・その他 |
また、5つの文型は以下のように構成されています。
- 第一文型= S V
- 第二文型= S V C
- 第三文型= S V O
- 第四文型= S V O O
- 第五文型= S V O C
それでは、5つの文型をそれぞれ確認していきましょう。
1.第一文型
第一文型は、SとVだけで構成されるシンプルな文章です。
She goes to school. (彼女は学校へ行く。)
という文章では、
S = She
V = goes
M = to school
となります。
第一文型に目的語は含まれないので、使われる動詞は自動詞です。自動詞は「自分だけで構造的に成立する動詞」のことです。
自動詞については関連記事「【完全版】自動詞+前置詞の使い方を徹底解説!間違えやすい用法5選や例文も紹介」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
2.第二文型
第二文型は、S V C で構成される文章です。第二文型において最も重要なのが「S = C が成立する」という点です。
例えば、
I am happy. (私は幸せだ。)
という文において、I = happy が成立していますよね。第二文型に用いられる動詞には、以下のようなものがあります。
- be動詞全般
- become (~になる)
- look (~のように見える)
- sound (~に聞こえる)
- seem (~のように見える)
- taste (~の味がする)
- feel (~に感じられる)
3.第三文型
第三文型は、S V O で構成される文章です。第三文型の大きな特徴は「S ≠ O」となる点です。
例えば、
He has a lot of apples. (彼はたくさんのりんごを持っている。)
という文において、He ≠ a lot of apples ですよね。要素数は同じでありながら、第二文型と大きく異なるのがこのポイントです。
a lot of apples は He の動作の対象であるだけで、 He 自身の性質とは全く関係ありません。第三文型には、直後に目的語を置き「他の物を対象として影響を与える動詞」である他動詞のみが使われます。
4.第四文型
第四文型は、S V O O で構成される文章です。目的語が2つ使われているのが大きな特徴で、1つ目の Oを O1、2つ目の O を O2 とすると「O1 ≠ O2」という関係が成り立ちます。例えば、
He taught me science. (彼は私に科学を教えた。)
という文において、O1 = me、O2 = science になるので me ≠ science ですよね。第四文型で使われる代表的な動詞は、以下のとおりです。
- give (~を与える)
- tell (~を伝える)
- buy (~を買う)
- teach (~を教える)
- cook (~を作る)
- send (~を送る)
5.第五文型
第五文型は S V O C で構成される文章で、「O = C」が成立します。例えば、
My father keeps the kitchen clean. (私の父は、台所をきれいに保つ。)
O = the kitchen、C = clean なので the kitchen = clean が成り立ちますよね。第五文型でよく使われる動詞は、以下のとおりです。
- name (~と名付ける)
- make (~の状態にする)
- think (~と考える)
- find (~と分かる)
- believe (~と信じる)
5つの文型は、非常に重要なのでそれぞれの特徴を覚えてしまいましょう。
第三文型と他の文型との違い
「第三文型って他の文型とどこが違うの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
第三文型と他の文型にはそれぞれ決定的な違いがありますよ!
それぞれの文型との違いをしっかりと理解すると、つまずきがちな第三文型をマスターできます。
- 第二文型との違いはO・CのSとの関係性
- 第四文型と第三文型の違いは目的語の数
- 第五文型と第三文型の違いはCの有無
それぞれ詳しく確認していきましょう。
1.第二文型と第三文型の違いはO・CのSとの関係性
第二文型は「S = C」が成立する一方で、第三文型は「S ≠ O」です。
第二文型がCで、第三文型がOという違いももちろんあるのですが「この名詞が O なのか C なのかわからない」というときには、Sとの関係性を確認しましょう。例えば、
My mother became a lawyer. (私の母は弁護士になった。)
という文章では S = My mother で、名詞は a lawyer です。2つの単語の関係性を考えると「My mother = a lawyer」が成立しますよね。そのため、この文は第二文型です。一方で、
He plays tennis. (彼はテニスをする。)
という文章において S = He で、名詞は tennis です。2つの単語は、もちろん=ではありませんよね。「He ≠ tennis」です。そのため、この文章は第三文型です。
S V +αという構造の文章を見た際は、Sと+αの関係性を考えて第二文型か第三文型かを判断してみましょう。
2.第四文型と第三文型の違いは目的語の数
第三文型は「S V O」の一方で、第四文型は「S V O O」なので O(目的語)の数が異なります。例えば、
My husband gave me a birthday present. (夫が私に誕生日プレゼントをくれた。)
という文章において、目的語は「 me 」と「 a birthday present 」の2つがあります。そのため、この文章は第四文型です。名詞しかOにはなれないので、動詞の後ろに名詞が2つ並んでいる文章は第四文型だといえます。
一方で、
He played tennis yesterday. (彼は昨日テニスをした。)
という文章も「 tennis と yesterday が並んでいるから第四文型じゃないの?」と思う人がいるかもしれませんが、この文章は第三文型です。
確かに tennis は名詞で O にあたります。しかし yesterday は名詞ではなく「副詞」としてこの文章で使われており、O ではなく M(修飾語)にあたります。
また、O(tennis) ≠ yesterday なので第五文型でもありません。
動詞の後に続く単語の品詞の見極めが、第三文型と第四文型を見分ける際には重要です!
3.第五文型と第三文型の違いはCの有無とOとの関係性
第三文型は「S V O」ですが第五文型は「S V O C」です。さらに、第五文型においては「O = C」という関係が成り立ちます。例えば、
I think her kind. (私は彼女が親切だと思う。)
という文章において、O = her で、C = kind なので「 her = kind 」が成立しますよね。C は名詞だけでなく、形容詞や副詞である可能性もあるので要注意です。では、
We enjoyed the party last night. (私たちは昨晩パーティーを楽しんだ。)
この文章の文型は何でしょうか?
「 the party という名詞と last night という副詞が続いているから第五文型かな?」と考えた方も多いのではないでしょうか?ところが、この文章は第三文型です。
O = the party というのは正解ですが、C = last night だとすると O と C の関係性は = ではありませんよね。そのため、この文章は第五文型にはなれず、副詞の last night は M となるので第三文型の文章になります。
第三文型と第五文型を見極めるには、動詞の後の単語の品詞を考えた後に O との関係性を考えましょう。
第三文型に用いられるのは他動詞!前置詞の使い方を解説
第三文型( S V O )において、V になれるのは他動詞だけです。
他動詞とは「他の物を対象として影響を与える動詞」のことです!
自動詞は、自分だけで構造的に完結するので直後に目的語を置けません。情報を付け足したいときは、前置詞を使う場合が多いです。
ここで注意したいのが、第三文型でも前置詞は使われるという点です。例えば、
I like to play soccer. (私はサッカーをするのが好きだ。)
という文章を見たときに「I = S で like = V 、前置詞 to が使われているから to play soccer は M (修飾語)で、第一文型だ」と考えた人もいるのではないでしょうか。
ところが、この文章は S = I 、 V = like、 O = to play soccer の第三文型です。 to play soccer は「サッカーをすること」という名詞として用いられています。
第三文型でも、to +動詞の原形の形が名詞として目的語になっている可能性があります、 to を見たときは M と決めつけるのではなく、文章の中でどんな役割を果たしているのかを考えましょう。
第三文型の例文10選
こちらでは、第三文型の例文を紹介します。
今までの内容を思いだして、S V O がそれぞれどれか考えてみてくださいね!
1:I eat dinner. (私は夕飯を食べる。)
2:I throw a ball. (私はボールを投げる。)
3:We eat tempura every day. (私たちは毎日てんぷらを食べる。)
4:I watched TV last night. (私は昨晩テレビを見た。)
5:He likes playing soccer. (彼はサッカーをすることが好きだ。)
6:I know him very well. (私は彼をよく知っている。)
7:I keep walking every morning. (私は毎朝散歩を続けている。)
8:He respected the doctor. (彼はその医者を尊敬した。)
9:She asked me to close the window. (彼女は私に窓を閉めるよう頼んだ。)
10:I don’t think that it is impossible. (私はそれが不可能だとは思わない。)
everyday や last night の副詞はM(修飾語)であることや、 playing や that節も目的語になれることに気をつけましょう。
この記事を参考に、ぜひ第三文型を使いこなしてくださいね!
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