「英検2級のライティングが苦手…」
「得点を伸ばせるコツを知りたい」
「内容が思いつかなくて焦ってしまう」
英検で問われる内容の中でも、ライティングを苦手としている方は非常に多いです。リーディングやリスニングのように明確な答えがないので、自分でもどう勉強したら良いのかわかりにくいですよね。
ですが、コツを押さえればライティングを得意にできます。採点基準を意識して書けば、得点源にできるのでライティングが怖くなくなりますよ。この記事では、ライティング攻略のために以下の内容について解説しています。
- 英検2級のライティングの試験概要
- コツ
- 確認ポイント
- 思いつかないときの対処法
配点の3分の1を占めるライティングを攻略できれば、合格がグッと近づきます。ぜひ最後まで読んでライティングを得意にしてくださいね!
英検2級のライティングの試験概要
英検2級のライティングは、一次試験である筆記の大問4で、1題のみ出題されます。配点は全体の3分の1と、1題のみですが非常に高くなっています。
また、リーディング・リスニング・ライティングの各技能で一定以上のスコアを取らなければいけないため、対策必須の問題だと言えるでしょう。ライティングの問題は、与えられたTOPICについて自分の意見とその理由を80~100語程度のエッセイにまとめる内容です。
解答時間は約20分が目安です!
ライティングの過去問題を確認してみましょう。
- 以下の TOPIC について、あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。
- POINTS は理由を書く際の参考となる観点を示したものです。ただし、これら以外の観点から理由を書いてもかまいません。
- 語数の目安は80語~100語です。
- 解答は、解答用紙のB面にあるライティング解答欄に書きなさい。なお、解答欄の外に書かれたものは採点されません。
- 解答が TOPIC に示された問いの答えになっていない場合や、TOPIC からずれていると判断された場合は、0点と採点されることがあります。TOPIC の内容をよく読んでから答えてください。
TOPIC
Some people say that Japan should accept more people from other countries to work in Japan. Do you agree with this opinion?POINTS
日本英語検定協会|2級の過去問・対策|2022年度 第2回一次試験
- Aging society
- Culture
- Language
- 以下の TOPIC について、あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。
- POINTS は理由を書く際の参考となる観点を示したものです。ただし、これら以外の観点から理由を書いてもかまいません。
- 語数の目安は80語~100語です。
- 解答は、解答用紙のB面にあるライティング解答欄に書きなさい。なお、解答欄の外に書かれたものは採点されません。
- 解答が TOPIC に示された問いの答えになっていない場合や、TOPIC からずれていると判断された場合は、0点と採点されることがあります。TOPIC の内容をよく読んでから答えてください。
TOPIC
Some people say that Japan should use the Internet for people to vote in elections. Do you agree with this opinion?POINTS
日本英語検定協会|2級の過去問・対策|2022年度 第3回一次試験
- Convenience
- Cost
- Security
英検2級のライティングのコツ7選
「ライティングが苦手」「何を意識すれば良いの?」という方のために、こちらでは7つのコツを解説します。
- 主張→理由→結論の型に沿って書く
- 問題にあるPOINTSを活用する
- 簡単な表現を使う
- 便利なフレーズを暗記する
- 書けそうな意見を選択する
- いきなり書き始めない
- 時間配分をあらかじめ決めておく
それぞれ詳しく確認していきましょう。
1. 主張→理由→結論の型に沿って書く
80~100語に理由を2つ書くとなると、文章全体の形は自ずと決まってきます。模範とされる型は、以下のとおりです。
主張→理由①とその根拠→理由②とその根拠→再び主張(結論)
思いついたことを書き連ねるのではなく、この型に当てはめるように書いていきましょう。それぞれの段落で使えるフレーズや、表現を覚えておくと便利です。
【主張で使えるフレーズ】
I believe~ / I don’t believe~ / In my opinion~ / People should / I agree with the opinion that~
【理由①で使えるフレーズ】
First~ / One reason is that~ / To begin with~ / for example
【理由②で使えるフレーズ】
Second / also
【結論で使えるフレーズ】
Therefore / thus / For these reasons / In conclusion
2. 問題にあるPOINTSを活用する
ライティングの問題には「POINTS」として、単語が3つ挙げられています。テーマを考える上で参考になる単語なので、活用すれば効率よく解答を作成できるでしょう。
注意したいのが「POINTSは使わなくても良い」ということです。使うのが難しい場合は無理せず、自分の言葉で書きましょう。
3. 簡単な表現を使う
難しい表現を使ったから加点される、ということはありません。文法的にミスのない文章であれば、表現が簡単でも難しくても得点は同じです。例えば「私は転職活動をしている」と書きたいときに「転職活動」という表現がわからなかったとします。
無理をして「act of changing job」などと表現しても、減点対象となるだけですが、単純に
I’m looking for a new job.(私は新しい仕事を探している)
と書けば減点されません。
「知ってる単語や文法で確実に書けないかな」と考える訓練をしてみてくださいね。
4. 便利なフレーズを暗記する
どんなTOPICでも使える表現は、暗記しておくのがおすすめです。便利なフレーズを7つ紹介します。
- It is said that S V:…だと言われている
- help 人 動詞の原形:人が…するのに役に立つ
- It takes 時間 to do.:~するのに時間がかかる
- play an important part in~:~において重要な役割を担う
- S is good for~:Sは~にとって有益である
- cause~:~の原因となる
- lead to~:~につながる
練習問題を解いた際に「便利だな」と感じた表現はストックしておきましょう。
5. 書けそうな意見を選択する
ライティングで選択する意見は必ずしも、本当の自分の考えである必要はありません。もし実際には「賛成だな」と思うTOPICでも、反対のほうが書きやすそうであれば「反対」で書くのがおすすめです。
理由は後付けでよいので、書きたい文ではなく書ける文を優先して意見を決めましょう。
6. いきなり書き始めない
問題を読んですぐに書き始めると、途中で行き詰ってしまったり論理の破綻に気づかなかったりします。そのため、書き始める前に構成を作成するのがおすすめです。
構成は型に沿って以下のように、書きましょう。しっかりと文章化する必要はなく、日本語の走り書きや英単語をいくつか書くだけでもOKです。
- 意見(賛成 or 反対)
- 理由①とその根拠
- 理由②とその根拠
それぞれでだいたい何語くらい書けば良いかについても想定しておくと回答を作成しやすいです。
7. 時間配分をあらかじめ決めておく
練習の段階から、完成までの各工程にかける目安の時間を決めておきましょう。解答作成のステップは以下のとおりです。
- 問題を読む
- 内容を考え、構成を作る
- 実際に書く
- 見直し
全体で約20分を目安に、最も自分に合った時間配分を決めるのがおすすめです。構成を作成する段階で「この意見や理由は書きにくいな」と気づけると、修正もしやすいのでぜひ試してみてくださいね。
英検2級のライティングで確認したい5つのポイント
「解答が作成できた!」という方も、見直しせずに提出しては意外なところで減点されてしまう可能性があります。こちらでは、ライティングの解答作成後に確認したいポイントを紹介します。
- TOPICの内容に沿っているか
- 矛盾していないか
- 冗長な部分がないか
- 文章の流れが自然か
- スペルや文法は合っているか
日本英語検定協会は、ライティングの採点に関する観点として以下の4つを挙げています。
- 内容:課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由)が含まれているかどうか
- 構成:英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
- 語彙:課題に相応しい語彙を正しく使えているか
- 文法:文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか
そのため、解答作成時は常に上記の観点を持つと良いでしょう。
参考:日本英語検定協会|ライティングテストの採点に関する観点および注意点(1級・準1級・2級)
1. TOPICの内容に沿っているか
「問題が求めていることに答えられているか」という点です。超基本的なことですが、意外と難しいので気をつけてくださいね。
「与えられたTOPICに適切に答えられているか」「理由は明確に2つ書いているか」という点を意識しましょう。また、理由も単純に「~だから」だけではなく、その根拠まで求められています。
夢中で書き進めていると、いつの間にか問われていることから外れてしまう場合があるので、最後に必ず確認しましょう。
2. 矛盾していないか
英検2級のライティングでは、論理が細かく採点されることはありませんが、明らかに矛盾した内容の場合は減点対象になります。例えば、最初に「賛成」の立場だと述べたにも関わらず、明らかに「反対」を支持する理由を書くのはNGです。
書く内容が真実である必要はないですが、必ず自分が表明した意見に合った理由や具体例を述べるようにしましょう。意見と理由・根拠の整合性が取れているか、自分の解答を確認してみてくださいね。
3. 冗長な部分がないか
TOPICに無関係なことを書いている場合も、減点対象です。文字数稼ぎのために、とりあえず書けそうなことを書いている場合に起こりがちです。
読み返した際に「この部分関係ないな」と感じた箇所は、削るようにしましょう。どうしても80語に届かない場合は、根拠を付け足したり、語数の多い表現を選択したりして対処するのがおすすめです。
4. 文章の流れが自然か
文章の流れが自然で、論理関係が明確かどうかも確認しましょう。突拍子のないことを書いている場合は、減点対象になります。
理由は意見を支えるものになっているか、根拠は理由を補足できているのか、注意しながら書いてみてくださいね。流れを自然にするためには、接続詞をうまく使うのが効果的です。
汎用性が高くおすすめの接続詞を紹介します。
- Therefore(したがって)
- However(しかし)
- Nevertheless(~にもかかわらず)
- In addition(さらに)
- In other words(言い換えると)
- For instance(例えば)
- Otherwords(もしそうでなければ)
- as a result(結果として)
- On the other hand(一方で)
ぜひ使ってみてくださいね。
5. スペルや文法は合っているか
単語のスペルミスや基礎的な文法間違いは、非常にもったいないです。時制や、単数系・複数形などのミスに気をつけましょう。
「文法が合ってるか不安」という場合は無理に使わず、確実にわかる表現で同じような内容が書けないか考えてみるのがおすすめです。スペルミスはくせになりやすいので、練習のときに間違えたものはリストアップするなどして対策しましょう。
英検2級のライティングで思いつかないときの3つの対策
「どうしよう何を書けばいいかわからない」「時間がどんどん過ぎていく…」という状況、非常に焦りますよね。こちらでは、書く内容が思いつかないときの対策を紹介します。
- 主張を変えてみる
- テンプレートを使う
- 自分の得意な分野につなげる
それぞれ確認していきましょう。
1. 主張を変えてみる
賛成の立場で内容を考え出したが行き詰ってしまった、という場合は反対の意見で一度考えてみるのがおすすめです。逆の意見のほうがすんなりと書けそうなら、主張を変えて書けばOKです。
主張を変えなくても別の角度からTOPICについて考えられるので、元の立場からの内容も思いつくかもしれません。必ずしも本当の自分の意見を書く必要はない、ということを覚えておきましょう。
2. テンプレートを使う
英検2級のライティングでは「書いてある内容が真実か」は問われません。つまり、作り話を書いても論理的に正しければ減点対象にはならないということです。
そのため「本当に書くことが思いつかない」という場合は、作り話用のテンプレートを使いましょう。おすすめのテンプレートは、以下のとおりです。
- Studies have shown that ~.:研究では~という結果が出ている
- The world is going ~ is getting popular.:世界では~が流行している
- Some people are ~, others are…:~という人もいれば…という人もいる
- ~ is common.:~は一般的だ
理由を支える根拠の部分で役に立ちますが、屁理屈のようになってしまう場合もあるので使うのは最終手段にしましょう。
3. 自分の得意な分野につなげる
自分が得意だったり、書きやすい分野がある場合、その方向につなげるのも効果的です。教育や環境分野は汎用性が高いので、トレンドを確認したり使えるフレーズを暗記しておくのがおすすめです。
あまりにも元のTOPICから離れていると、論理的におかしいと見なされ「構成」の観点から減点されてしまうので注意しましょう。
本番で焦らないように、普段から様々なジャンルについて書く練習をしておくのが効果的です。ぜひこの記事を参考に、英検2級のライティング対策をしてみてくださいね。