「英熟語がどうしても覚えられない」
「似たような熟語が多すぎる…!」
「英語ができる人はどうやって覚えているの?」
英熟語を覚えるのに苦戦している方も多いのではないでしょうか?
しかし、断言します。英熟語を覚えるのは、英単語よりかんたんです。
英熟語は意味をひとつひとつ丸暗記するものではありません。たった1つの覚え方のコツさえ押さえれば、誰でもどんどん意味を覚えられます。
この記事では、英単語検定1級かつ英検1級語彙セクション満点を取得した僕が、英熟語の覚え方をわかりやすく解説します!
今回紹介するのは、僕が教えている指導生に伝授したところ「英熟語は2秒で覚えられますね」と言われているとっておきの方法です。
いままで英熟語の暗記に苦戦してきた方は必見です。ぜひ参考にしてみてくださいね!
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
そもそも英熟語とは!伸び悩んでいる人にサクッと解説
英熟語とは「2語以上の英単語を組み合わせた、別の意味を持つ言葉」を指します。
- 「動詞+前置詞」で作られるイディオム(慣用句)
- 会話でよく使われる言い回しやことわざ
などがありますが、この中でも多くの英語学習者を悩ませるのは「動詞+前置詞」のイディオムでしょう。
たとえば、look「見る」に for「~のために/~に対して」が組み合わさると、look for「〜を探す」へと意味が変わります。
ほかにも、
- look at ~を見る
- look into ~をのぞき込む
- look forward to ~を楽しみにしている
- look up and down ~をじろじろ見る
など、組み合わせる前置詞によって意味がまったく違うものに変化することから、表現の数は膨大です。
ただし、よく使われる言い回しやことわざの中には、日本語で知っている表現もあります。
It’s a piece of cake.(それは一切れのケーキです=朝飯前です)
Practice makes perfect.(練習が完全を作る=習うより慣れよ)
表現の数は多いですが、これらの英熟語が理解できるようになると、文中での使われ方がわかるため、理解力がアップし会話の幅も広がりますよ。
もちろん、英検やTOEICをはじめとした各種試験でのスコアアップも期待できるでしょう!
英熟語が覚えられない2つの理由
英語学習者が英熟語を覚えにくいと感じるのには、2つの理由があります。
- 前置詞を組み合わせて使う表現が多い
- 目的語が2つある表現で迷う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 前置詞を組み合わせて使う表現が多い
英熟語は2語以上の英単語を組み合わせて表現するため、もとの単語とは大きく意味が変わります。
たとえば「get + 前置詞」の場合なら、
- get up 起きる
- get off ~を降りる
- get by なんとかやっていく
- get over ~を乗り越える
- get to ~に到着する
など、後ろに続く前置詞でまったく意味が異なることがわかりますね。
「動詞 + 前置詞」の使い方だけでも日本の学習者には馴染みが薄いため、苦手に思う人が多いかもしれません。
そのうえ、組み合わせる前置詞の数だけ表現が存在し、同じような表記も多いため、学習者は混乱しやすく覚えにくいと感じるでしょう。
2. 目的語が2つある表現で迷う
英熟語には目的語を2つ置くパターンがあります。
たとえば、以下です。
- provide A with B(A に B を提供する)
- take A for B(A を B だとみなす)
この場合、A には「人物」を B には「物」をあてはめるよう英文法のルールで決まっています。
ただし、A や B のまま覚えようとすると混乱しやすいかもしれません。なぜなら、実際の会話では A や B は使わないからです。
普段から目的語の入れ方に慣れておかないと、実際に表現を使おうとするときに「A は人物と物どっちだっけ?」と迷ってしまうでしょう。
これじゃ覚えられない!英熟語のNGな学び方2選
「学習はしているのに、なかなか英熟語が覚えられない…」と悩んでいる人は、学び方の方向性がズレているかもしれません。
この項では英熟語のNGな学び方を2つ解説していきます。
- 丸暗記しようとしている
- アウトプットが足りていない
せっかく学ぶなら、効率的に身につけたいですよね。ぜひ、今のあなたの学習方法と比べてみてください。
1. 丸暗記しようとしている
英熟語が覚えられない理由は、ずばり丸暗記をしているから。
- run on:長々と続く
- run out:終わる
などと、ひとつひとつの意味を対応させてそれぞれ覚えてはいませんか?この覚え方だと、情報の類似性が高いため、なかなか頭に残りません。
似ている情報をなかなか覚えられないのは、あなただけではありません。双子の顔が見分けられないのと同じで、外観・外面だけを見て暗記しようとすると混乱してしまいます。
逆に言えば、それぞれの単語・熟語の違いをきちんと捉えられれば、英熟語を暗記するのは簡単です。
2. アウトプットが足りていない
英熟語が覚えられないからと、ひたすら読んだり書いたりしていませんか?
英熟語を覚えたいなら、インプットのみの学習で終わらせるのはおすすめしません。特に書き取りは、時間がかかって疲れてしまい非効率的だからです。
英語は生きた言葉なので、できるだけ実際に使って覚えるのがおすすめ。これまでインプットしても効果がいまいちだと感じている人は、アウトプットの時間が足りていないのかもしれません。これを機に、実践の時間を増やしてみましょう。
具体的な方法は、本記事の後半「スピードアップ!英熟語を定着させる4つのポイント」で解説するのでぜひ参考にしてみてくださいね!
覚えられないを脱却!英熟語の覚え方「たった1つのコツ」
それでは英熟語をサクサクと覚えるにはどうすればいいのでしょうか?
結論から言うと「直訳」して「イメージ化する」こと。たったこれだけで、英熟語は驚くほど簡単に暗記できます。
そうは言われても、具体的にどうしていいのかわからない方も多いでしょう。
そこで、本章ではさらに具体的に覚えるコツを解説します。
なお、関連動画「【知らないとヤバイ】一撃で覚える英熟語の覚え方【英検1級語彙満点 &英単語検定1級】」では、具体的なワークも含めて覚え方のコツを解説しています。
より深く理解し、コツを身につけたい方は必見です。
1. 直訳とは
直訳は言葉の通り、動詞と前置詞のもつ意味をそのまま訳していくこと。
たとえば pass away という英熟語なら、以下のようにそれぞれを訳します。
- pass:通り過ぎる
- away:現世から離れる
つまり、現世を通り過ぎて離れてしまうから「亡くなる」という意味になります。ひとつひとつの意味を直訳してあげると、英熟語の意味はすぐに類推できますよね。
この方法ならば、pass と away の意味をそれぞれ覚えてさえいれば、忘れるのが難しいはずです。
もう1つの例として pass by を挙げてみましょう。
- pass:通り過ぎる
- by:近くを
とそれぞれの意味がわかれば「そばを通り過ぎる」とわかります。pass 自体に通り過ぎる意味がありますが、by がくっつくことで、近い場所を通り過ぎるイメージが簡単に捉えられるでしょう。
2. イメージ化とは
直訳だけでもある程度意味を覚えやすくなりますが、まだ不十分です。
直訳だけでは、熟語の意味に納得できないことがあります。
ここで役立つのが「イメージ化」です。
イメージ化とは、away に対して「離れる」という言葉の意味を覚えるのではなく、以下の図のようなイメージを持つこと。
イメージ化するメリットは、イメージからの派生の意味を理解できることです。
具体的に説明しましょう。wear away という英熟語の意味はわかりますか?
答えは「すり減る・消耗する」です。away に対して、離れるという直訳だけを覚えていると、この英熟語の意味を思い出すのは難しいでしょう。
ここで役立つのがイメージ化。away には特定の場所や人から離れていくイメージがあります。野球のボールが離れていくと、だんだん小さくなりますよね。
ここから、away の意味が「小さくなる・減少する」に派生するのです。
だからこそ、wear away が「すり減る・消耗する」という意味になります。このように、イメージを頭に持っておけば、派生の意味が理解しやすくなります。
頻出の英熟語に含まれる前置詞のイメージ9選
イメージ化の威力がわかったところで、具体的に前置詞が持つイメージをいくつか学んでいきましょう。
今回は、特に使用頻度が高い前置詞を9つ取り上げます。
- on
- in
- at
- with
- of
- from
- by
- for
- to
もっと多くの前置詞のイメージを掴みたい方は、関連動画「【完全イメージ化】英熟語100選+例文100個」もご覧ください。29個の前置詞に加え、よく出る動詞のイメージも紹介しています。
1つの動画で100個の英熟語を例文付きで覚えられるので、基本的な表現はバッチリ押さえられますよ!
1. on:くっついているイメージ
on はなにかにくっついているイメージを持つ前置詞です。
「〜の上に」と覚えている方もいますが、くっついていれば上でも下でも大丈夫。
There is a mosquito on the ceiling.(天井に蚊がいる)
のように、上に乗っかっていないときにも使います。
また、このイメージから派生して「継続する」という意味も持ちます。何かとくっついていてなかなか離れないと、それが続くイメージも持つからです。
だからこそ
- on and on(ずっと)
- from now on(今からずっと)
という意味となります。
すべて「くっついている」というイメージから派生しているので、まずはこのイメージを掴みましょう。
2. in:立体的に囲まれているイメージ
inは立体的に囲まれているイメージを持ちましょう。
「〜の中に」と覚えるのでは不十分です。内部にいるという感覚を持ってください。
具体的に例文を使って解説します。
This train arrived in Tokyo.(この電車は東京に到着した)
in を使うのは、東京の中に到着したからです。
Count me in!(私も仲間に入れて!)
こちらも、内部感覚があるため in を使います。
I took part in the meeting.(ミーティングに参加した)
会議の中に入るので「参加した」という意味になります。
I’m dressed in brown.(茶色の服を着ている)
は、茶色の服を着ている内部感覚があるから in を使うんです。
「着用の in」という説明をしている参考書もありますが、内部感覚さえつかめればこの用語を知らなくても覚えられるはずです。
in の内部感覚さえつかめれば、英熟語は一撃で覚えられます。
3. at:地図上の点のイメージ
at のイメージは地図上の点。
「狭い場所を指す」と覚えるのはやめてください。点を指せばいいので、時間などの抽象的な概念にも使えます。
She threw a ball at him.(彼女は彼にボールを投げた)
では、彼という一点をめがけて投げているから at を使います。
I called at her house.(私は彼女の家を訪れた)
I shot at a bird.(私は鳥を狙い撃ちした)
はどちらも一点をめがけているから at を使うわけです。
at と in の違いがあやふやな方もいるかもしれません。at は地図上の点を指し、in は内部に入った感覚があります。
This train will arrive at Tokyo.
This train arrived in Tokyo.
という例文を考えると違いがわかります。
at の方は、東京駅という一点に到着するイメージです。一方で、in の方は、東京という地域の中に入るイメージがあります。
4. with:つながっている関係性のイメージ
with を「〜と一緒に」という意味で覚えるのはやめましょう!もともと with は対立を表す against や方向を表す toward と同じ意味で用いられていました。
with はつながっている関係性をイメージしてみてください。この関係性は一方通行のこともあれば、仲良く一緒にいることもあります。
I’m strict with my children.(子供に対して厳しい)
では、子供への一方通行の関係性を示しています。
I played soccer with my friends.(友達と一緒にサッカーをした)
は友達と一緒にいるイメージを持てば、with が使われる理由もわかるでしょう。
また、道具の with と言われる使い方もありますが、これも with のイメージさえ持てば理解できます。
I eat fish with chopsticks.(箸を使って魚を食べる)
では、箸と私が物理的に一緒の状態にあるから「使う」という意味が出てきます。
5. of:離れているものの一部はつながっているイメージ
of のイメージは「所有+分離」です。離れてはいるものの、一部はつながっているイメージをしましょう。
This book is free of charge.(この本は無料です)
ならば、料金から離れているから of を使います。
また、independent of は主語から離れたイメージがあるから自立するという意味です。
6. from:起点から完全に離れるイメージ
起点から離れているイメージを持つのが from。起点に焦点があり、そこから離れるイメージです。
このように伝えると、of との違いが気になる方もいるかもしれません。
of は一部はつながっているイメージ、from は完全に離れているイメージを持ちましょう。
Cheese is made from milk.(チーズはミルクからできている)
は原料から完全に離れているからこそ、from。ミルクから完全に離れて別のものになっているからです。
This chair is made of wood.(このいすは木製だ)
はもとの木からは離れているものの、材質という意味ではつながっているから of を使います。
一部はつながっているイメージを持つ of と完全に離れたイメージをもつ from の違いをしっかり理解できれば、それぞれの使い分けもわかるはずです。
7. by:近くにいるイメージ
by には複数の意味があると言われて混乱した方もいるかもしれません。しかし、by も1つのイメージを押さえれば大丈夫。
by のイメージは「そばにいる」です。
Stand by me.(そばにいて / 私を支えてほしい)
という意味なのも、そばに寄り添ったイメージがあるから。
また、熟語「by the way」は、本題の道があってそのそばにいること、つまり道からそれるイメージを持てば「ところで」という意味になるのも納得でしょう。
8. for:なにかに向かう方向のイメージ
for の意味は、目的・交換・代償・理由など20個以上に及びます。こんなにたくさんの意味を覚えたくはないですよね。
でも、実は for のイメージである「なにかに向かっている方向」という意味さえ押さえればすべて解決!
「〜のために」とおぼえてしまうのは避けましょう。ポイントは「向かっている」というイメージを持つことです。
I left for Tokyo.(私は東京に向かった)
なら、東京という方向に向かうから for を使います。
その他の for の使い方も、「方向」というイメージさえ押さえれば説明できます。
I’m looking for my smartphone.(スマートフォンを探している)
はスマホという方向に向かっているからfor。
This is for you.(こちらをどうぞ)
は、あなたに向けたものだから「あなたのためのものです → こちらをどうぞ」という訳になります。
I bought this ring for 1000 dollar.(この指輪を1000ドルで買いました)
は、指輪が1000ドルという価値に向かっているから for を使います。
for を「〜のために」という訳で覚えると理解できませんが、イメージさえわかればしっくり来るはずです。
9. to:到着のイメージ
to のイメージは「到着」です。方向の意味を持つ for と似ていると感じる方もいるかも知れません。
for と to との違いは到着点があるかどうか。
for は向かっているだけで到着する地点はありません。to には、向かうだけでなく到着しているというイメージも含みます。
I left for Tokyo.(東京に向かった)
では、ただ東京に向かっただけ。着いたかどうかはわかりません。
一方で、
I went to Tokyo.(東京に到着した)
は向かうだけでなく、実際に東京に到着しています。
そのほか、
She is bored to death.(彼女は死ぬほど退屈している)
ならば、死ぬというレベルに到達するくらい退屈だから to を使います。到達点というイメージを持つだけで、to はスッキリ理解できるはずです。
ぜひ、図のイメージを頭に叩き込んでください。
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スピードアップ!英熟語を定着させる4つのポイント
英熟語を定着させるには4つのポイントがあります。
- 前置詞のイメージを頭の中に作る
- 聞いて発音する
- 簡単な英作文をしてみる
- 英会話の中で使ってみる
ぜひ意識して、英熟語をあなたのものにしていきましょう。
1. 前置詞のイメージを頭の中に作る
まずは先程紹介した前置詞のイメージを頭の中に刷り込むところから始めましょう。イメージを持たずに英熟語を覚えていくのでは効率が悪いからです。
それぞれの前置詞を聞いたときにパッと頭に絵が浮かぶようになれば、英熟語をマスターするのに近づきます。
2. 聞いて発音する
英熟語を覚えるのに、熟語帳を眺めているだけでは非効率。しっかり定着させるなら、音を聞いて必ず発音してみてください。
正しい音を覚えることは、リスニング対策にも繋がります。音を知らなければ、どんなに熟語を覚えても聞き取れないこともあるからです。
ぜひ、発音をサボらずに耳でも覚えましょう。
3. 簡単な英作文をしてみる
英熟語を自分のものにするには、英作文がおすすめです。
まずは、覚えた英熟語を使ってすぐに英作文をしてみましょう。自分がよく使う表現に落とし込むと暗記しやすく、また会話の中でも使いやすくなります。
特に、目的語が2つある英熟語などは迷いやすいため、自分でよく使う簡単な英単語をあてはめて実際に例文を作ってみると、理解が深まるのを実感できるでしょう。
たとえば、provide A with B「A が B を提供する」という表現なら、
I provide you with advice.(私はあなたにアドバイスをします)
He provides me with textbook.(彼は私に教科書を貸してくれます)
They provide us with drinks.(彼らは私たちに飲み物を提供してくれます)
など、簡単な単語を入れ替えて、自分に関する英文を作ってみます。その後は音読するのがおすすめです。
すると、必ず A に人物を当てはめることを目や耳で覚えるので、実際に使う時にも迷わないようになりますよ。
4. 英会話の中で使ってみる
英熟語を自分のものにするには、英会話で意識的に使ってみるのがおすすめです。
たとえば、英会話をするときに「今日は pass away を一回は使うぞ」と目標を決めて使ってみてください。自分で会話の中で使ってみることで、さらに忘れにくくなりますよ。
また、実際に自分事として作った英文はあなたの生活に密接したリアルな英語です。これらを使って練習することで、いざ本番で使おうというときに格段に使いやすく感じられるでしょう。
ぜひこの記事を参考に、英熟語を使いこなしてみてくださいね!
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