「英語の時制が難しくて、全然理解できない」
「英作文をしていても、時制の間違いを毎回指摘される」
「日本語にない表現もあるから、時制を理解するのは諦めてしまっている」
英文法のなかでも、苦手意識を持つ方が多いのが時制です。多くのルールがあるように感じて、使いこなせていない方も多いのではないでしょうか?
一見複雑そうに見える時制ですが、実は覚えるべきパターンは12個しかありません。それぞれが持つイメージさえ頭に入れてしまえば、実はすんなりと理解できるのです。
しかも、特に重点的に覚えるべき時制のルールは5つだけ。残りは、この5つの時制を組み合わせただけの表現になるので、新しく暗記する必要はないのです。
そこでこの記事では、講師として数多くの方に英語学習をサポートしてきた僕が、基本の5つの時制が持つイメージを徹底的に解説します。さらに、これらを組み合わせたパターンも網羅し、1記事で時制の基礎が身に付けられるようにしました。
時制に戸惑い、悩むのは今日で終わりにしましょう。本質を理解して英語のレベルを1段階上げたい方は、ぜひご覧ください。
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
最初に覚えたい英語の基本時制5選
それでは早速、最初に覚えるべき英語の時制を5つ紹介します。
- 現在形
- 現在進行形
- 現在完了形
- 過去形
- 未来形
冒頭でも説明したとおり、その他の時制はここで紹介する5つを組み合わせただけのものです。そのため、まずはこの5パターンのイメージをしっかりと頭に叩き込ましょう。
1. 現在形
現在形は、現在を含めて過去・未来で継続的に成り立つことを示します。「安定していつも起こっている」ことというイメージを持ちましょう。
現在形という言葉のせいで「今のこと」だけを指すと理解している方がいますが、それは誤りです。「いつも起きている」というイメージを大切にしてください。
例文を見てみましょう。
I eat breakfast.(私は朝食を食べる)
ならば、今日朝食をとったという話をしているわけではありません。習慣的に毎日朝食をとっていることを示します。
Water boils at 100 degrees.(水は100度で沸騰する)
のように、現在形はいつも成り立つ一般的な理論を伝えるときにも用いられます。 コロコロと変わらない、安定した状況のイメージを持つからです。
このように現在形は、
- いつもおこなっている習慣
- 思考
- 宣言
- 一般的に変わらないこと
を説明するのに用いられます。
また、現在形を未来のことを伝えるのに使うこともあります。現在形を用いるのは、確定した未来を伝えるとき。
The train arrives at eight.(電車は8時にきます)
というのは、一見未来のことを伝えているように見えます。しかし、電車が来る時間は時刻表などであらかじめ決まっており、昨日も明日も変わりません。つまり、未来・過去をみても変わらない事実を伝えているだけなので、現在形でよいのです。
そのほか、実演中のことにも現在形を使います。
I fry potatoes. (じゃがいもを炒めます)
という現在形を使った表現は、料理番組でよく用いられます。
ここで現在進行形を用いると、「今炒めている最中である」という作業途中のイメージが強くなります!
しかし、レシピを伝えたいだけで、別に炒めている最中であることを強調したいわけではありません!
料理をするための一般的な手順の説明をしていると考えれば、現在形を使用するのも理解できるはずです。
2. 現在進行形
現在進行形は、「今まさに行っていることを躍動感をもって表す」表現です。現在形との違いは、一時的であるかどうか。
I’m taking a shower.(私はシャワーを浴びている)
ならば、今まさにシャワー中。
I’m making dinner.(夕食を作っている最中です)
ならば、今まさに材料を炒めたり切ったりしている途中であることが生き生きと伝わります。
「躍動感」というイメージさえつかめば、進行形はマスターしたと言っても過言ではありません。
基本的に、進行形が取れるのは動作動詞。走ったり料理をしたりする動作は、始めたりやめたりできるものだからです。 逆に、状態動詞は基本的に進行形を取れません。
I like beef. (私は牛肉が好きだ)
という文章は、進行形を取れないものの典型例です。牛肉を好きになったり、好きではなくなったり、コロコロと感情を変えられるものではありませんよね。すぐに始めたりやめたり出来ないから、進行形のイメージには合いません。
ただし、状態動詞でも進行形にできるケースが2つあります。
- 一時的であることを強調する場合
- 変化を表す場合
これも、例外の動詞を丸暗記しなくても、進行形のイメージさえ理解できていれば説明が付きます。
You are being kind today.(今日はやけに親切だね)
という文章では、いつもと違って親切という感じを強調するために進行形を使っています。
Insects are dying.(虫が死にかけている)
という例文では、生きている状態から死んでいる状態に今まさに変化しているという躍動感を伝えるために、進行形が使えるのです。
3. 現在完了形
現在完了形は、過去に起きた事象が「今」どうなったのかを遠回しに伝える用法です。
現在完了形は have + 過去分詞で示されます。この形から分かるように、 過去に起きたこと(過去分詞)を今持っている(have)というイメージがあり、「過去の出来事が現在と何かしらの関係がある」と理解しましょう。
I have lost my key. (鍵をなくした)
という文章では、現在も鍵がない状態で探していることを示します。
過去形は現在の状況とは関係ありません。たとえば、以下のような状況で完了形を使います。
Can you make the meeting? (会議に間に合いそう?)
Sorry. I have overslept! (ごめん!寝坊した!)
このケースでは、寝坊した結果会議に遅刻することを遠回しに伝えています。
このように、ある一時点の情報を伝えることで、現在に何かしら影響するという間接的なメッセージを伝えられます。
4. 過去形
過去形のイメージは「遠いもの、今と切り離されたもの」であり、距離感を表します。
過去形の持つ距離感のイメージは、
- 時間的距離
- 心理的距離
の2つ。 現在完了は今とのつながりがあるものであり、 過去形は今と切り離されているものであることが特徴です。
When I was a student, there was a restaurant next to the school. (私が学生のとき、学校の横にレストランがあった)
この場合、過去の話をしているだけで、今の状態はわかりません。
また、心理的な距離も指すので、過去形を使うと丁寧な表現にもなります。
Can you pass me the salt? (塩をとってくれる?)
Could you pass me the salt?(塩をとっていただけますか?)
この文章では、can の過去形 could を使うことで、相手と心理的な距離をおいているんですね。ここから相手を敬うニュアンスが生まれ、丁寧な表現をするのにも用いられます。
5. 未来形
未来を表す表現には、will と be going to があります。
will の本質的な意味は「意志」です。will は未来の出来事について「やるぞ」という意志は固まっているものの、具体的な段取りなどについては決まっていない場合に用いられます。
Do you know if he will be at the meeting? (彼が会議に参加するか知ってる?)
I’ll ask him later. (後で聞いてみるよ)
という文章では、具体的にいつ尋ねるのか決まっていません。このように、やることは決まっているが、詳細の決まっていない未来を伝えるのに will を用います。
一方で、be going to は will より具体的な内容が決まっている未来の話をするときに用います。
I am going to prepare for the meeting tonight. (ミーティングの準備をする予定です)
のように、 事前に予定を立てていた場合は、be going to を使います。
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【応用編】英語の時制7パターン
ここからは残りの時制パターン7つについて解説します。
- 過去進行形
- 未来進行形
- 過去完了形
- 未来完了形
- 現在完了進行形
- 過去完了進行形
- 未来完了進行形
名前を見ると分かる通り、ここまでで説明した5つのパターンを組み合わせているだけの表現なので、サクッと理解してしまいましょう!
1. 過去進行形
進行形を過去形と組み合わせることで、今より昔のある時点で起きている最中だった内容を伝えられます。
I was watching TV at about 3 o’clock.(3時頃はテレビを見ている最中だった)
過去進行形は、ある点をピックアップして話しているので、必ず時を表す表現と組み合わされるのが特徴です。また、過去の限られた短い時間に繰り返し起きたことも進行形で表せます。
She was coughing the entire class. (彼女は授業中ずっと咳き込んでいた)
この文章では、授業中という限定的な時間で、咳の動作が連続していたことを伝えています。
2. 未来進行形
進行形に、意志を示す will が加わることで、これから先のある時点で行われる出来事を想像し、見通しているニュアンスになります。
This time next week I’ll be enjoying a swim in the ocean. (来週の今頃は海水浴を楽しんでいるだろうな)
のように、未来の予定に関する意志を伝えられます。
3. 過去完了形
過去完了形は、現在完了形の時制が前にずれただけです。 過去のある時点について、さらに過去の内容が影響しているときに用います。
The train had already left when I arrived at the station. (駅に着いた時には電車はすでに出ていた)
I had never been to America until I was 30. (30歳までアメリカに行ったことがなかった)
のように、過去の一時点を示す表現とともに用いられます。
4. 未来完了形
未来完了形も同様に、現在完了の時制が未来にずれただけです。現在完了形同様に、その後の状況に影響があることを示唆するのに用いられます。
I will have finished my homework by tomorrow. (明日までには宿題が終わるよ)
という文章では、「だから明日はショッピングに行けるよ」「だから提出日には間に合うよ」など、未来の出来事を意識しているでしょう。
5. 現在完了進行形
現在完了進行形は、その名前の通り現在完了形と進行形がくっついた形を指します。
現在完了(have+過去分詞)と進行形(be+ing)を組み合わせただけですね!
現在完了進行形は連続した動作を強調しているイメージを持つといいです。現在完了進行形と現在完了形の文章を比較してみましょう。
A) I have studied English for 3 years. 私は英語を3年間勉強した(どのタイミングで勉強したかは不明)
B) I’ve been studying English for 3 years. 英語を3年間勉強している(今も勉強途中)
現在完了形の場合、継続したことは示すものの、どのタイミングで続けていたのかは不明です。たとえば、学生時代に英語を3年間勉強し、今はやっていない場合でも A) の表現は使えます。
一方、現在完了進行形の B) は進行形がつくことで、今も勉強をしているニュアンスが追加されます。
なお、現在完了進行形については「【例文でわかる】現在完了進行形の意味・使い方を徹底解説!完了形・進行形との違いまで詳しく紹介」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
6. 過去完了進行形
過去完了進行形も、考え方は同じです。自分である時点から振り返って、そこまで過去から動作を継続しているイメージがあります。
動作がある時点で進行中だったり、少し前に終わっているがその影響を今受けていたりする場合に使います。
When I came home, my son had been playing the game for 2 hours.(私が家に帰ってきたとき、私の息子は2時間もゲームをやっていたんだ)
この文では、「私が帰ってきた」というタイミングで過去を振り返り、そこまでずっとぶっ通しでゲームを継続している様子がわかりますね。私が帰ってきたのもすでに過去のことなので、過去完了形が使われています。
7. 未来完了進行形
未来完了進行形は、継続の意味を強調し、また、話の焦点になっている時点以降も続く可能性がある場合に用いられます。
I will have been studying by 10pm tomorrow. (明日の午後10時まで英語の勉強をし続けているでしょう)
なお、未来完了進行形はイメージが複雑になることもあり、日常会話に置いて使用は稀です。「こんな表現もあるんだな」くらいで理解しておきましょう。
この記事では、12の時制について解説しました。まずはそのなかでも基本となる5パターンから、しっかりイメージを理解しましょう。ニュアンスを理解できれば、使い分け方がすんなり分かるはずです。
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