「英語の自動詞と他動詞の違いがよくわからない」
「自動詞か他動詞かはどうやって見分けたらいいの?」
「自動詞と他動詞で意味が変わる動詞があるって聞いたけどどういうこと?」
英語を学ぶ上で避けては通れない自動詞と他動詞。どうしても理解できず、難しくて諦めてしまったという方もいるのではないでしょうか?ただ、英語を学ぶ上では、自動詞と他動詞の理解が必須です。
英語を正しく伝えるには、文型を理解しなければいけません。英語は語順がとても重要な言語であり、文型を間違えると、意味が伝わらなくなってしまうからです。
そして、その文型を理解するための土台になるのが自動詞と他動詞です。伝わる英語を身につけたいならば、ぜひ今日マスターしてしまいましょう。
この記事では、
- 自動詞と他動詞の違い
- 見分け方
- 自動詞と他動詞で意味が変わる動詞
- 間違いやすい動詞
を、数多くの方に英語を教えてきた僕が徹底的に解説します。自動詞・他動詞に苦手意識がある方は、ぜひご覧ください。
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
自動詞と他動詞の違いを解説
端的に言えば、自動詞と他動詞の違いは、後ろに目的語が必要かどうかです。
- 自動詞:後ろに目的語が不要
- 他動詞:後ろに目的語が必要
これだけだとピンとこないという方に向けて、もう少し詳しく解説します。
なお、自動詞と他動詞の概要については、関連動画「【たった1動画で全てがわかる】英文法完全攻略【永久保存版】」でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
自動詞とは
自動詞は、動詞だけで意味が完結するものを指します。
「自」分で意味が完結する「動詞」だから「自動詞」というわけです。
具体的には、「何を?」と聞く必要がないのが自動詞の特徴です。
I ran. (私は走った)
We stand.(私たちは立っている)
といった文章は、これだけで意味が理解できるはず。そして、立っているのも走るのも、基本的に一人でできることです。
このように、相手やものがなくても動作が完結できるのが自動詞と理解しましょう。
自動詞は自分一人でできることを説明するので、後ろに目的語を置けません。前置詞や副詞といった、文章を補足する要素が続きます。
他動詞とは
他動詞は、その動詞だけが人やものに影響を与えるのが特徴で、動詞だけでは意味が完結しません。
「他」人に影響を与える「動詞」だから他動詞です!
具体的に「何を?」という情報が必要になります。
I bought an apple. (私はリンゴを買った)
という文章では、「リンゴ」がないと意味が完結しません。ものが何もない状態で「買う」という動作自体ができませんよね。
I sent a message. (私はメッセージを送った)
も同様で、「私は送った」とだけ言われたら、「何を?」と聞きたくなります。また、何もものがなければ、送るという動作ができません。
このように、「何を」という情報がないと文が成り立たないのが他動詞です。
自動詞と他動詞の見分け方は?押さえるべき3つのポイント
自動詞と他動詞を見分けるには以下のポイントを意識するといいでしょう。
- 目的語に該当するものがあるか
- 副詞が挟まっていないか
そして、裏技として、「よくでる自動詞を覚えてしまう」というものもあります。具体的にもう少し解説します。
目的語に該当するものがあるか
自動詞か他動詞かを文法的に見分けるには、後ろに目的語があるかどうかを見るのが必須。ただ、くっついているものが目的語かどうか悩む方もいるでしょう。
目的語は、名詞とは限りません。以下のものは目的語になることがあります。
- 不定詞
- 動名詞
- that節
- 間接疑問文
- 複合関係詞(〜ever)
これらのような、名詞の役割をする文章の塊を「名詞節」と呼びます。あわせて覚えておきましょう。
副詞が入るケースに注意
動詞の後ろに目的語が入っていれば、他動詞と説明しました。ただし、直後に副詞が入っているケースには注意が必要です。
副詞は文の中のさまざまな場所に自由に入り、名詞以外のものを修飾します。動詞を修飾する副詞は、基本的に以下の位置にきます。
- 自動詞:動詞の直後
- 他動詞:目的語の直後
He spoke openly. (彼は堂々と話した)
He told his secret quietly. (彼は、彼の秘密をひっそりと話した)
tell の過去形 told は他動詞なので、後ろに目的語の his secret が来ています。一方、自動詞 speak の過去形 spoke の場合は、すぐ直後に openly という副詞が来ています。
このように、後ろにくっついているものが名詞ではないケースもあるので要注意。副詞1語だけでなく、副詞の役割をする文(副詞節)がくることもあるので、必ず文の構造を考えましょう。
副詞節については「【誰でもわかる】副詞節とはなにかわかりやすく解説!見分け方や使い方のルールも網羅」でさらに詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
【裏技】自動詞を覚えてしまう
実は英語の動詞は、自動詞のほうが圧倒的に少ないんです。そのため、日常会話や試験でよく出てくる自動詞だけを先に覚えてしまうのも一つの手。
暗記しているものは自動詞で、それ以外なら一旦他動詞と考える方法でも、それなりに乗り切れます。
もちろん、原則は後ろに目的語があるかどうかで判断すること。ただし、文の形の見当がついていたほうが、複雑な文章でも読みやすくなるのは事実です。そのため、間違いやすい自動詞は覚えてしまっても良いでしょう。
自動詞と他動詞で意味が異なる動詞
ここからは、自動詞でも他動詞でも使われるけれど、それぞれ意味が異なる動詞を紹介します。
- run
- grow
- stand
- enter
これらは意味が全く異なってくるため、必ず目的語の有無を確認して訳していきましょう。
1. run
run は「走る」とだけ覚えている方もいるのではないでしょうか?実は、他の意味もあります。
「走る」という意味になるのは自動詞のとき。
I run in the park every morning. (私は毎朝公園を走る)
in the park とevery morning はどちらも副詞にあたります。
run が他動詞になると「経営する・運営する」という意味になります。例文を見てみましょう。
I run a restaurant. (私はレストランを経営している)
では、run の後ろに a restaurant という名詞が直接くっついているので、他動詞として使われています。
2. grow
grow が自動詞で使われると、「植物が成長する」という意味になります。
Plants grow in sunlight. (植物は日光を浴びて育つ)
自動詞の場合、手入れをせずに勝手に育っているイメージです。
他動詞だと、人が手をかけて育てているという意味に変わります。
Ken grows tomatoes. (ケンはトマトを育てている)
ちなみに、「育てる」という意味で grow が使えるのは、目的語が植物の場合だけ。人や動物を育てる場合は raise を使うので、注意が必要です。
Ken raises abandoned cats. (ケンは捨て猫を育てている)
3. stand
stand が自動詞として使われたときの意味は「立つ」。
The child is standing on a chair. (子どもが椅子の上に立ってるよ)
立つ動作は人や物に影響を与えないから、自動詞というわけですね。
他動詞の stand は、我慢するという意味。主に口語で使われます。
I can’t stand it any longer. (もう我慢できないよ!)
という表現は、会話でも頻出なので、そのまま覚えてしまいましょう。
4. enter
enter は、前置詞の into と結びついて「契約を結ぶ」という意味になります。
I entered into a land contract. (私は土地契約を結んだ)
ちなみに、enter into は契約書でよく出てくる表現です。ビジネスで英語を使う方は覚えておくと良いでしょう。
一方、他動詞は、「入る」という意味。
He entered the house. (彼は家に入った)
また、「枠に情報が入る」というニュアンスから、記入する・入力するという意味でも使えます。
Please enter your name on this form. (このフォームにお名前を入力してください。)
自動詞か他動詞か間違いやすい例
動詞の中には、自動詞か他動詞か間違いやすく、試験で問題に出されることが多いものもあります。ここでは代表的なものをまとめました。
- marry
- discuss
- agree
- lieとlay
- riseとraise
- sitとseat
- dieとkill
どれも、試験でよく聞かれるものばかりなので、自動詞・他動詞どちらか自信がないものは、確認してみてください。
例文付きで解説します。
1. marry
結婚する、という動詞の marry は他動詞です。
Will you marry me? (結婚してくれますか?)
のように、目的語をそのまま続けます。
結婚するという行為には必ず相手がいるから他動詞、と理解するとわかりやすいはずです!
marry を自動詞と間違える方が多いのは、以下のような文章もよく使われるから。
He is married to an American. (彼はアメリカ人と結婚している)
「結婚している」という状態を説明するときは、過去分詞を使って be married で表せます。過去分詞に形を変えると、目的語が後ろに取れないため、前置詞 to が必要です。
この表現と混ざってしまい、marry は自動詞と勘違いしてしまうんですね。先ほど説明した通り、結婚するという行為には必ず相手がいるから他動詞と理解するのが良いでしょう。
2. discuss
discuss も他動詞です。
They discussed their travel plans. (彼らは旅行の計画を話し合った)
よくある間違いは後ろに about をつけてしまうというもの。これは、talk about という表現と混ざっているのが原因かと思います。
We talked about soccer games. (私たちはサッカーの試合について喋った)
間違えないようにするには、2つのニュアンスの違いを理解するといいです。
discuss はメンバーみんなが意見を出して集中して議論するイメージ。真面目に議論するには、必ず議題がいるので、それを目的語で補わないといけません。
一方、talk はカジュアルに軽くおしゃべりするイメージ。おしゃべりするのに、わざわざ毎回議題を真面目に決める人はいないですよね。だから、talk は目的語が必要ない自動詞で、前置詞の about がつながります。
3. agree
同意するという意味の agree は、自動詞です。
I agreed with him. (私は彼に同意した)
同意するのは、誰かの言葉や内容。人や具体的なものに同意するわけではないので、他動詞にならないと理解するといいでしょう。
4. lieとlay
lie と lay はよく似ていますが、lie が自動詞で、横になるという意味です。lay は他動詞で何かを横にするという意味になります。
I often lie on the grass. (私はよく、芝に横になる)
Please lay the box on its side. (箱は横にしてください)
のように使い分けます。
5. riseとraise
rise は自動詞で「あがる」、raise は他動詞で「あげる」という意味です。
The sun rises in the east. (太陽は東から上がってくる)
Please raise your hand.(手をあげてください)
これも、「何を?」という説明が必要かどうかで考えると理解できるでしょう。
6. sitとseat
sit は「座る」という意味で、自分で完結できるから自動詞です。
I sat and watched the movie. (私は座って映画を見ました)
一方、seat は誰かを座らせるという意味になるので他動詞です。
I seated my son. (私は息子を座らせた)
7. dieとkill
die は死ぬという意味の自動詞で、kill は殺すという意味の他動詞です。死ぬのは、具体的な相手がなくても起こりうるから自動詞になります。
People die someday. (人はいつか死ぬものです)
一方、kill は相手がいないと成り立たないので他動詞です。
Heavy rains killed the plants. (豪雨で植物が枯れてしまった)
他動詞が自動詞になるケース
他動詞の中には、特定の用法のときだけ自動詞のように使われるものもあります。具体的には以下の動詞があげられます。
- drive
- write
- read
- buy
それぞれの訳を覚えてもいいですが、暗記が嫌だなという場合は「ものを」を補って訳すのがおすすめです。ざっくりと意味が読み取れます。
1. drive
drive は、自動詞で用いると「車を運転する」という意味になります。
I drove along the coast. (海沿いを運転した)
何かを運転すると言われたときに、パッと思いつくのは車のはず。だから、自動詞でも使えます。
2. write
write を自動詞で使うと、ものを書くという意味。ここから、執筆する、手紙を書くという意味で訳されます。
I wrote to my mother. (私は母に手紙を書いた)
3. read
read を自動詞にすると、ものを読む、つまり読書するという意味になります。
I read every day. (私は毎日読書する)
ものを読むと言われて自然に思いつくのは「本」のはず。だから、読書するという意味になるんです。
4. buy
buy は買い物をするという意味の自動詞でも使われます。ものを買うから「買い物」と理解すれば、わかりやすいですよね。
I bought in Karuizawa. (私は軽井沢で買い物をした)
ちなみに、買い物をするという表現には shop もあります。shop は実際に何も買わず、お店で価格や商品を比較するだけでも使えます。
一方、buy を使う場合は、最終的に買う前提であるというのが違いです。
自動詞と他動詞は、英文の構造を理解するために必ず理解したいもの。他人やものに影響するかどうかで判断すると、すんなり理解できます。悩んだ場合は、よく使う自動詞だけ覚えてしまうのも良いでしょう。
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