「英語を勉強できる映画を知りたい!」
「映画を観て英語ができるようになるのかな?」
「映画を観るときに注意点はある?」
など考えていませんか?
映画は、英語の教材として利用できます。ただし、なかには勉強に向いていない作品もあり、どの映画を観るかが重要なポイントです。
そこでこの記事では、英語の勉強になる映画作品10本を、僕の音声もつけて紹介します。

筆者である僕は、英語のオンラインスクールを運営しています。
そのため「教育者」の目線から、おすすめの作品を厳選しています!
なお、映画だけで英語の学習するのはおすすめできません。記事内では学習効果を高める方法も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。


( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
【初心者向け】英語の勉強になる映画5選


英語を学習したての初心者におすすめの映画は、以下の5タイトルです。
- モンスターズ・インク
- チャーリーとチョコレート工場
- ターミナル
- ホーム・アローン
- 魔女の宅急便
おすすめポイントもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。



僕の音声も一緒にぜひ聞いてみてくださいね!
1.モンスターズ・インク
「モンスターズ・インク」は、子どもたちの悲鳴を集めてエネルギーにする「モンスターズ株式会社」を舞台としたアニメーション作品です。



2002年のアカデミー賞を受賞しており、ストーリーに定評があります!
子どもに対して話しかけるシーンが多いので、使われている英語が易しめです。加えて、会社を舞台としているため、ビジネスで利用する英語も使われています。
Kids these days. They just don’t get scared like they used to.
訳:最近の子どもたちは、昔ほど簡単に怖がらなくなったね。
【ポイント】
get scared=怖い、不安になる
「get+形容詞」で「〜になる」と表現しています。
I didn’t mean for this to happen. But Boss’s in trouble.
訳:こんなことになるつもりはなかった。でも、ボスがピンチなんだ。
【ポイント】
not mean=〜のつもりではない
2.チャーリーとチョコレート工場
「チャーリーとチョコレート工場」は、5人の子どもと工場長のウィリー・ウォンカを中心にストーリーが展開する作品です。



児童文学作品を基にした映画であり、ファンタジー作品が好きな方に向いています!
幼い子どもに話しかけるシーンが多く、使用している英語の難易度が低いです。そのため、英語初心者にぴったりの映画といえます。
Sorry we’re late. We were brainstorming.
訳:遅刻してごめん。会議をしてたんだ。
【ポイント】
「主語+be動詞+late」遅刻する
In the end, Charlie Bucket won a chocolate factory.
訳:ついに、チャーリー・バケットはチョコレート工場を手に入れたんだ。
【ポイント】
In the end=結局、ついに
3.ターミナル
「ターミナル」は主人公のビクターが、アメリカの空港でビザの不備により行き場を失ってしまい、長期間ターミナルに滞在する姿を描いたコメディドラマ映画です。感動と笑いを届ける名作として知られています。



主人公のビクターは、英語が話せない設定です!
会話で使われている表現は簡単であり、学習教材に向いています。
That’s it in a nutshell, basically.
訳:要するに、そういうこと。
【ポイント】
そのまま覚えて使える慣用句的な表現です。
What is the purpose of your visit? Business or pleasure?
訳:旅行の目的は何ですか?お仕事ですか、それとも観光ですか?
【ポイント】
空港や国境での入国審査やホテルの受付でよく使われる文章。
「Business.」(仕事です。)
「Sightseeing.」(観光です。)
と簡潔に答えられれば十分通じます。
他にも映画の設定上、空港などでよく使う文章が出てきて勉強になる作品です。
4.ホーム・アローン
主人公であるケビンが泥棒と戦う姿を描いた作品が「ホーム・アローン」です。コメディ要素が強く、楽しみながら英語を学習したい方に向いているでしょう。



地上波でも度々放送されているポピュラーな映画です!
主人公のケビンは子どもであるため、使われている英語が簡単です。続編もでていますが、まずは1作目にあたる「ホーム・アローン」を視聴することをおすすめします。
This house is so full of people it makes me sick!
訳:この家は人であふれかえっていて、うんざりする!
【ポイント】
it makes me 〜=それが私を~の状態にする
「sick」は、ここでは「体調が悪い」というよりも「嫌気が差す」「うんざりする」という感情的な不快感を表現しています。
He started it! He ate my pizza on purpose.
訳:彼が先にやったんだ!わざと僕のピザを食べたんだよ。
【ポイント】
He started it!=喧嘩やトラブルが起きた際、自分が先ではなく、相手が原因を作ったことを主張するのに使えます。
子どものけんかや軽い言い争いでよく使われるフレーズです。
on purpose=わざと、意図的に
5.魔女の宅急便
「魔女の宅急便」は、日本を代表するスタジオジブリのアニメーション作品です。海外でも人気の作品であり、英語版のDVDが販売されています。



ちなみに、英語版のタイトルは「Kiki’s Delivery Service」です!
使われている英語は、中学生レベルのものです。そのため、初心者の英語学習に向いています。
There are still times when I feel sad but all in all, I sure love this town.
直訳:まだ悲しいと感じる時もあるけれど、なんだかんだ言ってもこの街が本当に好きだ。
【ポイント】
日本でも有名なキャッチコピー「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」の英語版です。
but all in allで「でも」と繋いでいることがポイントです。
Just follow your heart and keep smiling.
訳:ただ自分の心に従って、笑顔を忘れないで
【ポイント】
直訳では「keep smiling=笑顔をし続けて」ですが「忘れないで」と言い換えるとことで自然なニュアンスになります。
【中・上級者向け】英語の勉強になる映画5選


英語の知識がある程度身についている方は、以下の5作品がおすすめです。
- バック・トゥ・ザ・フューチャー
- マイ・インターン
- トイ・ストーリー
- ターミネーター
- ソーシャル・ネットワーク
各映画について、順番に紹介します。



例文の音声は、僕が話しています!ぜひ聞いてみてくださいね!
1.バック・トゥ・ザ・フューチャー
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、タイムトラベルをテーマにしたSFアクション作品です。20世紀を代表する名作ともいわれています。
SF作品は専門用語が多く、英語の学習には向いていないです。しかし「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、スラングが少なく、勉強に利用できる綺麗な英語が使われています。



スラングとは、ネイティブスピーカーが友達や家族などの親しい間柄で使われるくだけた表現のことです。
Never mind that now. Never mind that now. Not now.
訳:今はそのことは気にしないで。(というニュアンス)
【ポイント】
never mind=気にしないで
普段の会話でも使いやすい表現です。
Why don’t you make like a tree and get out of here?
訳:木になったつもりで、出て行ったらどうだ?
【ポイント】
正確に言葉を選ぶなら「make like a tree and leave」となりますが、口語的な表現のままセリフを使うことで、キャラクターのユーモアが出るリアルな文章となっています。
2.マイ・インターン
「マイ・インターン」は、70歳の男性がオンラインファッション企業のインターンとして働く様子を描いたコメディ映画です。



親子関係や職場の人間関係など、人間ドラマがあるのが魅力ですね!
インターンをテーマにしているため、ビジネス英語が多用されています。「ビジネスシーンで使われているフレーズを学びたい」と考えている方におすすめです。
Best thing that’s happened around here all week.
訳:今週、この辺で起きた一番いいことよ!
【ポイント】
映画では明るいニュアンスで使われていますが、皮肉な表現としても使えます。
「今週、この辺ではこれが唯一まともなことだね。」といった使い方ができるでしょう。
Everything you hear in the car is strictly confidential.
訳:車の中で聞いたことはすべて口外禁止です。
【ポイント】
「ここだけの話だからね!」とカジュアルな伝え方でも使えます。
3.トイ・ストーリー
「トイ・ストーリー」は、おもちゃ(トイ)の視点から描くアニメーション作品です。子どもから大人まで楽しめる名作として知られています。
使われている英語は簡単ですが、早口なので聞き取りが難しい可能性があります。



リスニング学習を普段からおこなっている方が視聴すると、より効果を感じられるでしょう。
I got to go back home to my owner, Andy.
訳:僕の持ち主、アンディの家に帰らないと。
【ポイント】
I got to=「~しなければならない」という口語的な表現で、フォーマルな表現の 「I have to」とほぼ同じ意味です。
There seems to be no sign of intelligent life anywhere.
訳:知的生命体の気配がまったくないようだ。
【ポイント】
There seems to be=推測や状況を説明するときに使える表現です。
4.ターミネーター
「ターミネーター」は、未来から送り込まれた殺人マシーンが、人類の救世主となる男性を狙うアクション映画です。高い人気を誇り、世界中にファンがいる作品でもあります。



続編も出ているほど人気です!
アクション映画であるため、スピーディな英語のやり取りが繰り広げられます。しかし、ストーリーはシンプルで分かりやすいので、英語の学習に向いています。短くても力強い英語表現が多いことが特徴です。
There’s no time for that.
訳:そんなことをしている時間はない。
【ポイント】
There’s no time for〜=~する時間がない
緊急性や焦りを伝えるのに便利です。
From your point of view… I don’t know tech stuff.
訳:君から見たら…僕は技術的なことを何も知らないよね。
【ポイント】
your point of view=君の視点、君の見方
「自分ではなく、相手の視点から物事を考えた場合」というニュアンスです。自分の知識不足や限界を伝えていると読み取れます。
5.ソーシャル・ネットワーク
「ソーシャル・ネットワーク」は、Facebookの創設者であるマーク・ザッカーバーグの半生を描いたドラマ映画です。



アカデミー賞など数々の映画賞を受賞しています!
特徴は、ITや法律に関する英語がたくさん出てくることです。そのため、上級者向けの映画といえるでしょう。
We lived on farms, then we lived in cities, and now we’re gonna live on the internet!
訳:昔は農場に住み、それから都市に住み、今やインターネットに住む時代だ!
【ポイント】
時代の変化を示すために、過去・現在・未来を使い分けた表現です。
gonna=「going to」の略で、カジュアルな未来形として使われています。
This is our time.
訳:今が俺たちの時代だ。
【ポイント】
強調のためにシンプルな構文を使った表現です。短いフレーズながら、強い決意や意欲を伝えている印象的なセリフとなっています。
英語の勉強になる映画の選び方3つのポイント


映画は楽しみながら英語を学ぶのに最適な方法の1つです。ただし、すべての映画が学習に適しているわけではありません。
そこでここでは、「英語の勉強になる映画」を選ぶ際に押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
- 英語レベルに合った映画を選ぶ
- ストーリーを知っている映画を観る
- リスニングに適した映画を選ぶ



映画選びにもこだわって学習効果を高めましょう!
1.英語レベルに合った映画を選ぶ
難しすぎる映画を選ぶと、内容が理解できず挫折しやすくなってしまいます。



例としてレベルごとの選び方のポイントをご紹介します!
おすすめ:子ども向けの映画やアニメーション
会話がシンプルで、キャラクターの表情や動きから内容を理解しやすいです。
おすすめ:日常会話が多いドラマやコメディ映画
日常的に使える表現が多く、会話が現実的です。
おすすめ:セリフが多く、専門的な内容や文化的背景を含む映画
複雑な構文や深い内容で応用力を鍛えられます。
「有名なあの作品を原作で見たい!」という気持ちもわかりますが、あくまで目的は映画鑑賞でなく学習。映画選びで背伸びしすぎないことがポイントです。
2.ストーリーを知っている映画を観る
初めて観る映画は、内容を理解することで頭がいっぱいになるため、勉強どころではなくなってしまいます。
教材として選ぶなら、何度か観ていて、ストーリーを知っている映画が良いでしょう。



内容を忘れている場合は、最初に日本語訳で観てから学習に取り組むのがおすすめです!
3.リスニングに適した映画を選ぶ
アクション映画のようにセリフが少ない作品よりも、会話が中心の映画のほうが勉強に効果的です。
- 聞き取りやすい発音
- 適切なセリフ量
- 学びやすいテンポ
などの条件がそろった映画を選びましょう。
キャラクターの出身地や作品の舞台によっては、あえて訛りのある英語で演じられている場合があります。



アクセントや発音が一定の映画を選ぶのがおすすめです!
なお、僕の公式LINEでは、英語学習に関するノウハウを発信しています。有料級の特典も用意しているので、ぜひチェックしてみてください。
映画で英語の勉強効果を高める4つの方法


映画だけで英語の勉強をするのはNGです。ただし、工夫次第では学習効果を高められます。
こちらでは、映画を使って英語の勉強をするときに注意したいことを4つ解説します。
- 英語の字幕をつける
- 映画を繰り返し観る
- 基礎学習と併用しておこなう
- リスニング学習を取り入れる
順番にみていきましょう。「映画を観ながら勉強したい」と考えている方は必見です。
1.英語の字幕をつける



映画で勉強をする場合、英語の音声・日本語の字幕で勉強してしまいがちです!
この方法では、ストーリーに集中してしまったり、英語が聞き取れなかったりするのでおすすめできません。
学習効果を高めるなら、英語の音声に英語の字幕をつけましょう。セリフを視覚的に確認できるため、英語の聞き取りにも役立ちます。
2.映画を繰り返し観る
一度観るでは、英語を理解できるようにはなりません。そのため、同じ映画を繰り返し観るよう意識しましょう。
また、飽きたからといって別の映画を次々と観るのは好ましくないです。できるだけ1本、多くとも3本までに絞り、学習を進めていくのがおすすめです。
3.基礎学習と併用しておこなう
英語を伸ばすためには、文法や単語の基礎スキルが必要不可欠です。



基礎が身についてない状態では、せっかく映画で勉強しても効果を感じられません。
そのため、映画の勉強と基礎学習を併用しておこないましょう。学習効果を高められるため、効率よく英語を学べます。
英語の基礎学習について詳しく知りたい方は、関連動画「【初心者向け】英語学習の始め方【3ヶ月で達成できる】」をご覧ください。具体的なワークを交えて、学習方法を紹介しています。
4.リスニング学習を取り入れる
映画を使ってリスニングの勉強がおこなえます。
具体的には、1フレーズでかまわないので、映画の分からなかった単語や文法を調べましょう。自分の理解度を把握しつつ、新たな知識を増やせます。
その後、フレーズを音読します。できるだけ映画の発音に近づけ、つまらずに読めるところまで目指します。
リスニングの学習方法は、関連記事「【初心者も爆伸び】英語のリスニング勉強法は2つ!TOEICや英検でも使える基礎学習を徹底解説」にて紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。


映画だけで英語の勉強をするのはやめよう!5つの理由を解説


映画は、英語学習に使えるツールです。しかし、映画だけで勉強をするのは好ましくありません。
主に、以下5つの理由があるためです。
- アウトプットができないから
- 単語や文法を理解できないから
- 聞くだけでは時間がかかってしまうから
- ストーリーに集中してしまうから
- 試験対策に向いていないから
映画だけで勉強すると、学習効率が悪くなり、英語を習得するまで膨大な時間がかかってしまいます。



映画を使った勉強をしようと思っている方は、ぜひともチェックしておきましょう!
1.アウトプットができないから
映画だけでは、受け身の状態で英語学習が進んでしまいます。英語に限らず、インプットするだけでは知識として定着しません。



たとえば、野球を上達するためには、素振りの方法を知るだけでなく実際にピッチャーを相手に練習することも大切ですよね。
映画を使って勉強するなら、セリフの音読をはじめとしたアウトプットの機会を設けましょう。体を使って落とし込むことが、英語を身につけるうえでのポイントです。
2.単語や文法を理解できないから
英語力をアップするには、単語・文法のスキルが必要です。特に、文法は基礎中の基礎なので、英語学習では力を入れなければなりません。
しかし、映画の音を聞くだけでは、使用されている単語や文法を理解しにくいです。そのため、英語学習に必要な基礎が身につかず、かえって勉強の効率が悪くなってしまいます。
3.聞くだけでは時間がかかってしまうから
映画に限らず英語を音として聞くだけでは、膨大な時間がかかってしまいます。
たとえば、赤ちゃんは3歳くらいで会話ができるようになります。つまり、聞くだけで言葉を学習するには3年以上の時間が必要ということです。



試験対策や就職・転職などを理由に英語学習をする方は、そんな膨大な時間をかけていられませんよね。
効率よく英語を身につけるには、映画だけの勉強では不十分です。
4.ストーリーに集中してしまうから



「モンスターズ・インク」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」など、本記事中で紹介した映画は、どれもストーリーに定評のあるものばかりです。
そのため、ついつい話に夢中になってしまう方は少なくありません。結果、英語の勉強がおろそかになってしまうのです。
映画を使って勉強するなら、何度も観たことがある作品をチョイスしましょう。内容を知っているので、ストーリーに夢中にならず、英語学習がしやすくなります。
5.試験対策に向いていないから
映画のセリフは、国や地域ごとになまりがあることが珍しくありません。そのため、試験対策としては不十分です。
たとえば、日本語のリスニング試験を対策するなら、標準語の音声で勉強をするのが好ましいです。博多弁や津軽弁などの方言の音声を使う方は、まずいないですよね。
加えて、映画ではネイティブならではの言い回しがあります。TOEICや英検などを受験予定の方は、映画だけで英語の勉強をするのは控えましょう。
とはいえ、映画を使った学習にメリット・デメリットはあっても、英語の空気やリズムに触れる登竜門としては良い取り組みになるでしょう。



ぜひこの記事を参考に、映画を使った英語学習に取り組んでみてください!