「some と any の使い分け方がわからない」
「any は否定文で使うって習ったのに違うの?」
「some と any は適当に使ってしまっている…」
よく出てくるにも関わらず、明確に使い分けられている人が少ないのが some と any です。読解問題などではなんとなく訳しているものの、実際に自分が英語を使おうとした際に「どっちを使えばいいの?」と悩んでしまう人も多いのではないでしょうか?
イメージと本質を掴めば一撃で理解できますよ!
そこで、この記事では以下の内容について解説します。
- some と any の本質とイメージ
- some の基本の使い方
- any の基本の使い方
- 否定文で使う some
- 肯定文で使う any
最後には知識をより深く定着させる確認テストもあるので、ぜひ最後までお読みください。
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
some と any の違いは肯定文か否定文・疑問文かではない!それぞれのイメージを解説
some と any の違いについて、学校で以下のように習った方も多いのではないでしょうか。
- some は肯定文で使う
- any は否定文・疑問文で使う
この法則は絶対ではありません!
some と any の違いを理解するためには、それぞれの本質を理解する必要があります。こちらでは、基本的なイメージや本質について解説します。
- some の本質
- any の本質
肯定文・否定文にとらわれていては正しく理解することはできません。それぞれ詳しく確認していきましょう。
1. some の本質
some の基本の意味は、以下のとおりです。
- いくつか
- いくらか
- 何人か
そして本質は「断定・特定」です。何かが「実在する」ことはわかっていて、前提とされます。
any よりも閉ざされたイメージを持てると完璧です。例文を確認しましょう。
There are some students in the classroom.(教室に何人かの生徒がいる)
「生徒がいる」ことは特定できていますよね。0人でないことは前提とされています。
2. any の本質
any の基本の意味は、以下のとおりです。
- どんな…でも
- どれでも
- 少しも…ない
本質は「任意・非特定」です。存在することは前提とされておらず、状況によって変わります。
some よりも開かれたイメージを持ってくださいね。例文を確認しましょう。
You may read any book.(あなたはどの本を読んでも良い)
読む本を特に指定しておらず、どれでも良いということから any の「任意性」を感じ取れると完璧です。
some の基本の使い方を例文とともに解説
「結局 some はどうやって使うの?」と気になる方のために、こちらでは基本的な使い方を例文とともに解説します。
- 肯定文
- 人に勧める・依頼する
使用頻度が高いので、しっかりとマスターしましょう!
「some は肯定文だけ」という思い込みは捨てて、しっかりと知識をアップデートしてくださいね。それぞれ詳しく確認していきます。
1. 肯定文
some は以下の3つの品詞として使われます。
- 形容詞
- 副詞
- 代名詞
形容詞としては、名詞の前につけることで「いくつかの」という意味を表現可能です。最も使う頻度が高い用法でしょう。
some の後ろに可算名詞の複数形、もしくは不可算名詞を置くと「いくつかの」という意味になりますが、可算名詞の単数形の場合は「とある~」という意味になります。
We spent some days together.(私たちは何日かを一緒に過ごした)
I want to go to Italy some day.(私はいつの日かイタリアに行きたい)
また、機械的に「いくつかの」と訳していては不自然になることがあるので、注意しましょう。
Some people like bitter food.(苦い食べ物が好きな人もいる)
という文章では「何人かは苦い食べ物が好きだ」と訳すと、不自然ですよね。和訳のバリエーションを増やして、文脈に合った日本語に訳すようにしましょう。
副詞は、名詞以外を修飾します。
They have some fifty books.(彼らは約50冊の書物を持っている)
という文章では、fifty を修飾して「約50」という意味を表現しています。「実在はしているが数量は具体的にわからない」という some のイメージが伝わりますね。
some の後ろに「of 複数名詞」を置いたり、some 単体で用いたりして代名詞としても使用可能です。
I bought some of these oranges.(私はこれらのオレンジのうち何個かを買った)
「肯定文」だけでも様々な用法があるので混乱してしまうかもしれませんが、本質とイメージを忘れずに例文を何度も見直してみてくださいね。
2. 人に勧める・依頼する
some は疑問文としても使われることが多いです。このとき「Yes の返事を期待している」または「Yes と返事をするように勧める」ニュアンスがあることを意識しましょう。
Would you like some coffee?(コーヒーはいかがですか?)
という文章では、コーヒーを勧めているニュアンスを感じ取れます。また、コーヒーがあることは前提となっていますよね。また、
Can I borrow some pens?(ペンを何本か貸してくれない?)
という文章では、Yes の返事を期待していると考えられるでしょう。
any の基本の使い方を例文とともに解説
こちらでは、any の基本の使い方を解説します。
- 否定文
- 疑問文
教科書などでも見かけることが多い用法ですが、any の「任意・非特定」という開かれたイメージを持って改めて確認していきましょう。また、any だけでなく以下のような複合語についても、それぞれ同じ用法があります。
- anything
- anyone
- anybody
それぞれ詳しく確認していきましょう。
1. 否定文
any は、not とともに使われると「まったく…ない」「少しも…ない」という意味になります。この用法で使われることが多いため「any は否定文で使う」というイメージが定着しているのかもしれませんね。
例文を確認しましょう。
I don’t have any water.(私はまったく水を持っていない)
any の後ろの名詞は、単数形でも複数形でもOKです。上記の文章のように、不可算名詞が後ろに来ることもあります。
I didn’t get any fruits, not a single one.(私は1つも果物が取れなかった)
I haven’t eaten anything since this morning.(私は朝から何も食べていない)
否定文で any が使われると、文章全体が否定される「全体否定」になる点を覚えておきましょう。
2. 疑問文
「あるかどうかわからない」といような非特定のことについて尋ねる際は、any が使われます。
Do you have any brothers?(兄弟はいますか?)
「兄弟がいる」ことを前提とはしていませんよね。そもそも兄弟がいるかどうかすらわからない、という不特定のイメージが感じ取れます。Yes か No かが明確ではありません。
some の疑問文とは「存在していることが前提となっているか」という点が異なります。
some は否定文でも使える!any との違いを例文とともに解説
「some は肯定文」と思い込んでいる方もいるかもしれませんが、否定文でも使えます。「any とどこが違うの?」と気になりますよね。
some と any では「否定の範囲」が異なります!
any の否定文=全否定
some の否定文=部分否定
例文を確認しましょう。
I don’t like any kind of sweats.(私はどんな種類のお菓子も好きではない)
I don’t like some kind of sweats.(私はいくつかの種類のお菓子が好きではない)
any を使った文章では「種類にかかわらずすべてのお菓子」を否定している一方で、some を使った文章では「すべてではなく一部の種類のお菓子」を否定しています。
「好きなお菓子の種類もあるけど…」ということが分かりますね。
any は肯定文でも使える!some との違いを例文とともに解説
「any は否定文・疑問文で使う」というのは、絶対ではありません。肯定文でも使えます。
some を使うよりも任意性が高くなるので、ニュアンスも変わってきます!
You may read any book.(あなたはどの本を読んでも良い)
You may read some books.(あなたは何冊か本を読んでよい)
any を使った文章では「本を読んでも読まなくても良い」そして「どれを読んでも良い」という、非特定の部分が多くなっていますよね。「本を1冊以上読む」ということが、前提にはなっていません。
一方で、some を使った文章では「本を読む」ことは前提としたうえで「何冊でも良い」というニュアンスが伝わってきます。
I can go to France any day.(私はいつでもフランスに行ける)
I want to go to France some day.(私はいつの日かフランスに行きたい)
some day は「いつか」とは言うものの、ある程度の未来が想定されていて、その中のワンポイントで日にを特定するニュアンスになります。any day はある程度の未来の想定すらありません。
まったく特定する要素がなく「いつでも」というニュアンスです。any の開かれたイメージをしっかりと想起してくださいね。
また、any は not がなくても否定文のニュアンスがある場合には「まったく…ない」の意味で使われます。
There’s hardly any pasta left.(パスタはもうほとんど残っていない)
以下のような単語がある場合に否定の文脈になり、any が使われることが多いです。
- never
- hardly
- without
「any は否定文」という思い込みは捨てて、肯定文でも使えるようになりましょう。
【確認テスト】some と any の違いを見分けよう
こちらでは、some と any のどちらが適しているかを見分ける問題を5題出題します。
アウトプットをして知識を定着させましょう!
【問題1】( )に当てはまるのは some と any のどちらでしょうか?
There is not ( ) salt left.(少しも塩が残っていない)
【正解】any
any は否定文で not とともに使うと「まったく…ない」という意味になります。any の最も基本的な用法なので、しっかりとマスターしましょう。また、salt は不可算名詞のため単数形のまま any の後ろに置かれます。
【問題2】( )に当てはまるのは some と any のどちらでしょうか?
I put ( ) pairs of shoes on the floor.(靴を何足か床に並べた)
【正解】some
some は、可算名詞の複数形の前について形容詞として名詞を修飾し「いくつかの~」という意味を表現します。some の最も基本的な使い方です。単数形の前についたときは「ある~」という意味になる点にも、注意しましょう。
【問題3】つぎの文章を和訳しましょう。
A:Any student in the class can answer the question.
B:Some students in the class can answer the question.
【正解】A:そのクラスの生徒ならだれでもその質問に答えられる B:クラスの中にはその質問に答えられる生徒もいる
Aは any student なので「不特定・任意の生徒、つまり誰でも応えられる」という意味になります。一方で、B は「答えられる生徒がいることは確実だけど、何人かはわからない」というニュアンスです。
この違いを掴めたら、some と any の本質が理解できている証拠です。any の後ろは単数形、some の後ろは複数形になっている点にも注意してくださいね。
【問題4】( )に当てはまるのは some と any のどちらでしょうか?
Will you have ( ) cake ?(ケーキはいかがですか?)
【正解】some
「疑問文だから any!」と決めつけてはいけません。何かを勧める際や、Yesを期待した質問では some が使えます。この文章でも、Yes を期待してケーキを勧めていますよね。
【問題5】次の文章を和訳しましょう。
There is hardly any time for argument.
【正解】議論する時間はほとんどない
any は not だけでなく、否定の文脈を持つ文章でも使われます。この文章では「hardly」が「ほとんど~ない」という意味を表すので、否定文と同様に any が用いられています。
問題を解くなかで怪しい部分があったら、説明の箇所に戻って確認してみてくださいね!この記事を読みこんで some と any の違いをマスターしましょう。
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