「原形不定詞とto不定詞はなにが違うの?」
「原形不定詞の使い方が知りたい」
「不定詞も含めた文法をちゃんと理解したい!」
英文法を学習する人が、必ずと言っていいほどつまづく難関ポイント、原形不定詞。
to不定詞を覚えた後に、toのつかない不定詞が出ると混乱してしまいますよね。
そこで本記事では、登録者数40万人超えの英語系YouTubeチャンネルを運営する僕、イングリッシュおさるが、原形不定詞について解説します。
- 原形不定詞とは
- 原形不定詞が使われる10の場面
- 「to不定詞」との違い
- 「動詞の原形」との違い

原形不定詞を一発で理解できます!
なお、この記事では特に、英語学習でつまずきやすい使役動詞(make, let, have)や知覚動詞(see, hear, notice, feel)+ 原形不定詞の使い方を中心に、to不定詞や単なる動詞の原形との違いを分かりやすく解説します。
本記事を読めば、原形不定詞を適切に使えるようになるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください!


( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
原形不定詞とは


- to がない不定詞のこと
- 原形不定詞が使われる文の場合、「三単現のs」は不要(動詞の原形がそのまま使われるため)
英語の文法では、原形不定詞を使う特別なケースが存在します。
I saw him run.
→「彼が走るのを見た」 知覚動詞 see の後に原形不定詞 run が使われています。
このように、原形不定詞は一部の動詞や助動詞の後で使われるルールで、英語の自然な表現には欠かせない文法事項です。
日常英会話や試験でもよく出るため、早めに覚えておくと役立つでしょう。
【一覧】原形不定詞が使われる10の場面


原形不定詞は、to をつけない動詞の形を使う特殊な文法で、英語の様々な場面で登場します。
以下に代表的な10のパターンを紹介しますが、本記事では特に太字で示した使役動詞、知覚動詞、help O 原形不定詞について詳しく見ていきます。
用法 | 使われる表現 | 例文(日本語訳) |
---|---|---|
助動詞 | can, will, must など | You must study hard.(一生懸命勉強しなければならない) |
使役動詞 | make, let, have | She made me cry.(彼女は私を泣かせた) |
知覚動詞 | see, hear, notice, feel など | I saw him leave.(彼が出ていくのを見た) |
help O 原形不定詞 | help + O + 原形不定詞 | She helped me carry the bag.(彼女は私がバッグを運ぶのを手伝った) |
why / why not | why not, why + 原形不定詞 | Why not try again?(もう一度試してみたら?) |
had better | had better + 原形不定詞 | You had better sleep.(寝たほうがいいよ) |
would rather | would rather + 原形不定詞 | I would rather stay home.(家にいたい) |
cannot but | cannot but + 原形不定詞 | I cannot but smile.(笑わずにはいられない) |
do nothing but | do nothing but + 原形不定詞 | He does nothing but complain.(彼は文句ばかり言っている) |
仮定法現在 | suggest, insist などのthat節 | I suggest that he go now.(彼は今行くべきだと提案する) |
英語では、ある決まったパターンの中でしか使われません。どこで原形不定詞が登場するのかを知っておくだけで、英文法の理解がグッと深まります。
使役動詞 + 原形不定詞


ここでは、原形不定詞が使われるシーンのなかの「使役動詞 + 原形不定詞」について詳しく解説します。



使役動詞は「〜させる」の意味を持ちます。
具体的には、次の3つです。
- make O 原形不定詞|O に〜させる
- have O 原形不定詞|O に〜してもらう
- let O 原形不定詞|O が〜するのを許す
例文を見ながら意味や使い方を理解し、自分で使えるレベルまで引き上げていきましょう。
1. make O 原形不定詞|Oに〜させる
make + O「目的語」+ 原形不定詞 = O「目的語」に〜させる



無理矢理させる、無理矢理させられるイメージで使います!
「使役動詞 + 原形不定詞」の中でも一番強制力が強いのが「make + O+ 原形不定詞」の形です。
いくつか例文を確認してみましょう。
My father made me wash the car.
(父は私に洗車させた)
I made her study English.
(私は彼女に英語を勉強させた)
I made you wait.
(私はあなたを待たせてしまった)
He makes me want to go there.
解答と解説は……
【解答】彼は私をそこへ行きたい気持ちにさせる
感情や意欲を他人に引き起こすときによく使われる表現です。
2. have O 原形不定詞|Oに〜してもらう
have + O「目的語」+ 原形不定詞 = O「目的語」に〜してもらう



強制力のあった make よりもやや柔らかい印象です!
make とは違い、強制ではないものの「〜させる」の意味をもつのが have です。
例文もチェックしておきましょう。
I have my friend repair my car.
(私は友人に車を修理してもらう)
We had him report.
(私たちは彼に報告をさせました)
I’ll have my secretary email you.
(秘書にメールを送ってもらいます)
I had my brother paint the wall.
解答と解説は……
【解答】私は弟に壁にペンキを塗ってもらいました
強制的にやらせたのではなく、依頼や許可のニュアンスを含みます。
3. let O 原形不定詞|Oが〜するのを許す
let + O「目的語」+ 原形不定詞 = O「目的語」が〜するのを許す



誰かの許可が必要なシーンで使うイメージです!
ディズニー映画で有名な(Let it go.)も、ありのまま成り行きに任せる許可を与えたと考えられます。
l’ll let you know later.
(後ほどあなたに知らせます)
Let me see.
(私に見せてください)
Let me know in the comments section.
(コメントで教えてください)
Let’s get started.
解答と解説は……
【解答】さあ、はじめましょう
この文は「さあ、〜しよう」という呼びかけの表現で、「これから始めよう」という意味になります。
知覚動詞ではないが覚えておきたい help O 原形不定詞
help O 原形不定詞= Oに〜を手伝ってもらう
原形不定詞の使い方で特徴的なのが help です。



help には通常、次のように to不定詞が使われます!
YouTube will help us to understand the new things.
(YouTubeは、私たちが新しいことを学ぶ手助けとなる)
この to不定詞の「to」には、「これから〜する」という未来へ向かうイメージがあります。そのため、「これから新しいことを学ぼうとする」というニュアンスが出ます。
一方で、未来へ向かうその過程ではなく、新しいことを学んだその結果に注目している場合、to不定詞ではなく原形不定詞が使用されるケースも。
YouTube will help us understand the new things.
(YouTubeは、私たちが新しいことを学ぶ手助けとなっている)
help の場合、どちらも形も使えますがニュアンスの差は小さい傾向にあります。「help は原形不定詞も使える」と覚えておくとよいでしょう。
知覚動詞 + 原形不定詞


次に原形不定詞が使われるシーンのなかの「知覚動詞 + 原形不定詞」のもつイメージと例文を紹介します。



次の4つにわけて覚えていきましょう。
- see O 原形不定詞|Oが〜するのを見る
- hear O 原形不定詞|Oが〜するのを聞く
- notice O 原形不定詞|Oが〜に気づく
- feel O 原形不定詞|Oが〜だと感じる
それぞれ解説します。
1. see O 原形不定詞|Oが〜するのを見る
see + O「目的語」+ 原形不定詞 = O「目的語」が〜するのを見る
例文を見ていきましょう。
I saw him play tennis.
(私は、彼がテニスをするのを見た)
I saw him enter the store.
(私は、彼がお店に入るのを見た)
I saw him run away.
解答と解説は……
【解答】私は、彼が逃げるのを見た
知覚動詞の典型的な使い方を示す表現です。動作の瞬間や全体を直接見たり聞いたりしたときに使います。
2. hear O 原形不定詞|Oが〜するのを聞く
hear + O「目的語」+ 原形不定詞 = O「目的語」が〜するのを聞く
hearの後ろに「Oが〇〇する」と意味が続く場合、原形不定詞が使われます。
hear を使った例文を確認してみましょう。
I heard my sister knock on the door.
(妹がドアをノックする音が聞こえた)
I heard somebody call me.
(誰かが私を呼ぶ声が聞こえた)
I heard him speak ill of his teacher.
解答と解説は……
【解答】私は彼が先生の悪口を言う声を聞いた
speak ill of ~ は「〜の悪口を言う」という意味の熟語です。
3. notice O 原形不定詞|Oが〜するのに気づく
notice + O「目的語」+ 原形不定詞 = O「目的語」が〜するのに気づく
notice も知覚動詞のひとつで、原形不定詞が使われます。「Oが〜するのに気づく」と意味するパターンを覚えておきましょう。
I noticed my client arrive at our office.
(クライアントが我が社に到着するのに気づいた)
I noticed her drop her phone.
(私は彼女がスマホを落とすのに気づいた)
I noticed them come in.
解答と解説は……
【解答】私は彼らが入ってくるのに気づいた
誰かの動作に気づいたことを直接的に表現する言い回しです。原形不定詞を使うことで、その場面をリアルに見ていたことが強調されます。
4. feel O 原形不定詞|Oが〜だと感じる
feel + O「目的語」+ 原形不定詞 = O「目的語」が〜だと感じる
「feel O 原形不定詞」には、しているのを感じる、されているのを感じるなどの意味があります。



例文で確認してみましょう!
He felt someone touch his head.
(彼は誰かが彼の頭を触るのを感じた)
She felt her heart skip a beat when he smiled at her.
(彼が微笑んだとき、彼女は胸が高鳴るのを感じた)
They felt the building tremble in the strong wind.
解答と解説は……
【解答】強風で建物が揺れるのを彼らは感じた
五感で直接感じた動作や現象をリアルに描写する表現です。この文では「建物が揺れる」という動作全体を体感したことが伝わります。
原形不定詞と似た表現の違い


原形不定詞と似た表現との違いについて理解するため、以下2つも解説します。
- 原形不定詞と「to不定詞」の違い
- 原形不定詞と「動詞の原形」の違い
それぞれ確認しておきましょう。
1. 原形不定詞と「to不定詞」の違い



原形不定詞とto不定詞は見た目は似ていますが、使い方や意味に違いがあります。
どちらも「不定詞」に分類されますが、「to不定詞」は未来志向や目的を表し、文中で名詞・形容詞・副詞のように機能します。
一方、原形不定詞は特定の動詞のあとに「to」なしで直接置かれ、文法的な補語(説明語)になります。
I want to eat sushi.(私は寿司を食べたい)
She made me eat sushi.(彼女は私に寿司を食べさせた)
- to不定詞は目的や希望を表すのに対し、原形不定詞は実際の動作や状態を説明する
- どちらも動詞は原形を使うが、意味と位置づけに注意が必要
不定詞についてもっと知りたい人向けに、関連記事「不定詞の名詞的用法をわかりやすく解説!動名詞との違いや形式主語まですっきりわかる」という記事も用意しているので、ぜひ参考にしてください。


2.原形不定詞と「動詞の原形」の違い
「動詞の原形」とは「三単現のs」などがつかない、原形のままの動詞です。



一方、この記事で注目している「原形不定詞」も、形は「動詞の原形」と全く同じですが、文中での働きが異なります。
英語の文法の大原則として、一文に動詞はひとつであることから、使役動詞や知覚動詞の後の「動詞の原形」は動詞ではなく不定詞として扱われます。
You run fast.(あなたは速く走る)
I saw him run away.(私は彼が逃げるのを見た)
このように、同じ「run」でも時制が付けば動詞本体、時制がなければ不定詞として扱われます。
形が同じでも、「その動詞がどの位置にあるか」で働きが変わる点に注意しましょう。
原形不定詞をマスターするための練習問題


原形不定詞はわかったつもりでも、いざ文中で見つけると訳し方が分からなくなってしまうものです。
そこでここでは、使い分けが身につく練習問題を用意しました。



ぜひ3問正解を目指してみてください!間違ったら該当箇所に戻り、復習してくださいね!
問題①
She made her brother clean the room.
解答と解説は……
【解答】
彼女は弟に部屋を掃除させた
【解説】
「make」は使役動詞で、後ろに「人+原形不定詞」が続くと「人に〜させる」という意味になります。
問題②
I heard my brother play the guitar.
解答と解説は……
【解答】
私は弟がギターを弾くのを聞いた
【解説】
「hear」は知覚動詞で、後ろに「人+原形不定詞」が続くと「人が〜するのを聞く」という意味になります。
問題③
He does nothing but _ all day.
a. complain
b. to complain
解答と解説は……
【解答】
a. complain
【解説】
「do nothing but」の後は原形不定詞が使われるのがルールです。
ぜひこの記事を参考に、原形不定詞をマスターしてくださいね!
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