「制限用法ってなに?」
「どうやって使うの?」
「非制限用法との違いを知りたい」
とお悩みではありませんか?
制限用法・非制限用法は名称もわかりにくく、つまずいてしまう人が多い文法事項です。ところが、英文を読む上では欠かせない重要なルールだと言えるでしょう。
関係代名詞と密接に関係している文法事項ですよ!
制限用法・非制限用法をマスターできると、複雑な構造の文章も簡単に把握できるようになります。そこで、この記事では以下の内容について解説します。
- 制限用法とは
- 非制限用法との違い
- 訳し方
- 非制限用法で使えない関係代名詞
最後には、理解度をチェックするテストもあるのでぜひ最後までお読みください!
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
制限用法とは?関係代名詞・副詞を例文とともに紹介
制限用法とはずばり「一般的な関係代名詞・副詞の使い方」です。
名称が難しいので、複雑に考えがちですが絶対に理解できますよ!
以下は関係代名詞についてまとめた表です。用法が不安な方は、ぜひもう一度確認してみてくださいね。
先行詞 | 主格(~は) | 所有格(~の) | 目的格(~を、~に) |
---|---|---|---|
人 | who | whose | whom |
物・動物 | which (that) | whose | which |
人・物・動物 | that | ー | that |
関係代名詞は、先行詞を修飾する文法事項です。なかでも「制限用法」は、関係代名詞節が先行詞を直接修飾し、意味を制限することからその名称で呼ばれています。
それでは、例文を確認していきましょう。
I know a boy who loves singing. (私は歌うのが大好きな男の子を知っている。)
先行詞は a boy
The woman whose car you hit was furious. (あなたがぶつけた車の持ち主は激怒していた。)
先行詞は the woman
This is the book which I have chosen. (これは私が選んだ本です。)
先行詞は the book
また、最後の文は
This is the book I have chosen. と which を省略可能です。関係代名詞の省略については、関連記事の「【基本から丁寧に】関係代名詞が省略できるのは目的格のとき!例外のケースや理由も紹介」をぜひ参考にしてみてください。
関係副詞についても復習しましょう。関係副詞には以下の4つがありますが、非制限用法があるのは when / where のみなので注意してくださいね。
- when
- where
- how
- why
関係代名詞と関係副詞は、後ろに完全文か不完全文のどちらが来るか、が変わります。関係代名詞は不完全文、関係副詞は完全文です。
先行詞が場所なら where ということではないので注意です!
例文を確認していきましょう。
I remember the day when I met her for the first time.(彼女に初めて会った日のことを覚えています。)
when の後ろの文 I met her for the first time. だけでも成立していますよね。関係副詞の例文については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
制限用法と非制限用法の違いはコンマの有無!訳し方を解説
制限用法と非常に紛らわしいのが「非制限用法」。「制限しない…ってどういうこと?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
2つの大きな違いは「コンマがあるかどうか」です!!
先行詞と関係代名詞の間にコンマが無いのが制限用法、あるのが非制限用法です。先行詞を直接修飾して意味を制限するのが制限用法で、補足的な説明を加えるのが非制限用法だと言えます。
非制限用法は、意味を制限して絞り込むのではありません。それぞれ、例文を確認していきましょう。
〈制限用法〉
She has an uncle who lives in London. (彼女にはロンドンに住んでいる叔父がいる。)
〈非制限用法〉
She has an uncle, who lives in London. (彼女には叔父が1人いて、その人はロンドンに住んでいる。)
制限用法の文章では、she には他にも叔父がいる可能性があります。つまり、以下の文章が成立します。
She has an uncle who lives in London. She also has an uncle who lives in Australia. (彼女にはロンドンに住んでいる叔父がいる。また、彼女にはオーストラリアに住んでいる叔父もいる。)
「叔父がロンドンに住んでいる1人だけなのか」という点は、制限用法の文章からだけでは判断できません。一方で、非制限用法の例文からは「彼女には叔父が1人しかいない」という情報が読み取れます。
文章が伝えるメインの情報は「彼女には叔父が1人いる」ということで、それを補足して「彼はロンドンに住んでいる」ことを伝えています。
訳し方のポイントは、以下のとおりです。
- 制限用法は関係代名詞以後の情報をわかりやすく訳す(先行詞の前につけると良い場合が多い)
- 非制限用法は関係代名詞以前の文章をまず訳す
- 非制限用法は関係代名詞以後の情報は、補足的に訳す
また、制限用法では関係代名詞が目的格の時は省略できますが、非制限用法ではできない点にも注意しましょう。
さらに、非制限用法は and や but で置き換えられます。この用法は「継続用法」と呼ばれます。前半の文の後ろに「〜あとに」を補えるのが特徴です。
We arrived in Kyoto, where we stayed for a week. (私たちは京都に到着し、そこに1週間滞在した。)
We arrived in Kyoto, and we stayed for a week.
会話中に非制限用法を使うときは、先行詞と関係代名詞の間に少し間を取ることで表現します。関係副詞の非制限用法の訳し方などは、関係代名詞と同じです。
when:するとそのときに
where:そしてここに
when は at that time / and then などと置き換えられ、where は and there に置き換えられます。
That February day, when he arrived, was so cold.(2月のその日は、彼が到着した日なのだが、非常に寒かった。)
次は関係代名詞・副詞別に例文を紹介していきます。
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非制限用法の例文を関係代名詞・副詞別に紹介
「実際の例文で確認したい」という方のために、こちらでは関係代名詞・副詞別に例文を紹介していきます。
- who
- whose
- whom
- which
- when
- where
それぞれの訳し方の特徴などをしっかりと掴んでくださいね。
1. who
That girl is Mary’s sister, who runs fast.(あの女の子はメアリーの姉で、走るのが速い。)
2. whose
My uncle, whose wife is French, lives in Paris.(私のおじは、奥さんがフランス人で、パリに住んでいます。)
whose は非制限用法がないと思われがちなのですが、意外と使われるのでマスターしましょう。
3. whom
He had a beautiful wife, whom they didn’t speak well of.(彼には美しい奥さんがいたが、世間の評判はよくなかった。)
4. which
He said he wasn’t afraid of ghosts, which wasn’t true.(彼は幽霊は怖くないと言っていたが、それは本当ではなかった。)
5. when
I called him at seven, when he didn’t wake up.(私は7時に彼に電話したが、そのとき彼は起きていなかった。)
6. where
I went to Germany, where I stayed for three weeks .(私はドイツに行き、そこに3週間滞在した。)
非制限用法には使えない関係代名詞がある!4つの使い方を紹介
制限用法・非制限用法についてかなりわかってきた皆さんに、注意してほしいことがあります!
それは「非制限用法を使えない関係代名詞・副詞がある」という点です。すべての関係代名詞・副詞において、制限用法・非制限用法の両方を使えるわけではありません。
「that」「what」の2つは、非制限用法では使用不可です。以下の関係代名詞を用いて表現し直せないか、考えてみましょう。
- which
- who
- where
- when
例えば、
×:He has two watches, that his father gave him. (彼は2つ腕時計を持っていて、それは彼の父があげたものだ。)
〇:He has two watches, which his father gave him.
関係副詞も、when / where の2つ以外は非制限用法で使えないので注意してくださいね。また、非制限用法には特殊な使い方がいくつかあります。こちらでは、4つの用法を解説していきます。
- 非制限用法が文中に挿入される場合
- 非制限用法と前置詞を一緒に使う場合
- 文全体を先行詞にする場合
- 先行詞が固有名詞の場合
それぞれ詳しく確認していきましょう。
1.非制限用法が文中に挿入される場合
非制限用法は、文中に挿入できます。例文を確認してみましょう。
My friend, who is Chinese, is coming to Japan. (私の友達が日本に来るのだが、その友達は中国人である。)
この文章は、以下の文章と全く同じ意味です。
My friend is coming to Japan, who is Chinese.
文構造としては、S = My friend 、V = is coming のシンプルな文章なのですが、文中に非制限用法が挿入されることでわかりにくくなっています。
「いきなりコンマで囲まれた節が出てきた!」と思ったら、非制限用法を疑ってみましょう。
2.非制限用法と前置詞を一緒に使う場合
非制限用法を前置詞と一緒に使う場合にも、注意が必要です。そもそも制限用法と前置詞の使い方が怪しい、という人は関連記事「【まるわかり】前置詞+関係代名詞の文の作り方2ステップ!種類や見分け方・訳し方を例文でわかりやすく解説」の記事をお読みください。
非制限用法を前置詞と一緒に使う場合は、コンマの後ろに前置詞+関係代名詞が置かれます。例文を確認してみましょう。
She bought a new hat, for which she paid quite a lot. (彼女は新しい帽子を買ったが、それに相当な金を払った。)
この文は、以下のように表現しても同じ意味になります。
She bought a new hat. She paid quite a lot for which.
また、補足的に1文で訳すのが難しい場合は、以下のように2文に分けて訳しても良いでしょう。
My grandfather liked to walk in the park, in which there were many cherry trees. (祖父はその公園を歩くのが好きだった。そして、そこには桜の木がたくさんあった。)
= My grandfather liked to walk in the park. There were many cherry trees in the park.
以下は、前置詞が関係代名詞の前に移動せず文末に残されたままで、さらに非制限用法が文中に挿入されている例文です。
This whiskey, which I paid ten dollars for, is awful. (このウイスキーは10ドルで買ったものだが、ひどい味だ。)
前置詞+関係代名詞はつまずく人も多いですが、マスターできれば英文を読むのが格段に楽になりますよ!
3.文全体を先行詞にする場合
非制限用法は、文全体を先行詞に取れます。「先行詞って the boy みたいな単語じゃないの?」と思う方は、以下の例文を確認してみてください。
Adults gradually stop exercising, which is bad for their health. (大人はだんだん運動しなくなるが、それは彼らの健康によくない。)
この文の which の先行詞は「Adults gradually stop exercising」という文全体です。関係代名詞の近くに先行詞になれそうな名詞がない時や、あっても意味が通らない場合は「文全体が先行詞になっている可能性」を考えてみてくださいね。
4. 先行詞が固有名詞の場合
先行詞が固有名詞で関係代名詞・副詞を使いたい場合は、基本的に非制限用法を使います。固有名詞は既に特定されていて、限定する余地がないですよね。そのため、制限用法は基本的に使えません。
固有名詞に the をつけて制限用法で使うこともありますが、かなり特殊な使い方なので「固有名詞は非制限用法」と覚えてOKです。
Anne, who works for that shop, seems to quit soon.(アンはあの店で働いているのだが、もうじき辞めるそうだ。)
固有名詞でも関係代名詞・副詞は使えるのでぜひ例文とともにマスターしてくださいね。
【確認テスト】制限用法と非制限用法を訳し分けてみよう
こちらでは、制限用法と非制限用法の確認テストを7問出題します。以下の点に気をつけて、取り組んでみてくださいね!
- 制限用法か非制限用法か
- 先行詞はどれか
- 訳のニュアンスは適しているか
1.He has three daughters, whom I met in New York.
訳:彼には3人の娘がいて、私はニューヨークで彼女たちに会った。
非制限用法が使われているので、he に他の娘はいないということがわかります。先行詞は three daughters で「3人の娘がいる」ことを訳したうえで、補足的に彼女たちにニューヨークで会ったことを説明できる訳が望ましいです。
2.He has two daughters who are studying music.
訳:彼には音楽を勉強している2人の娘がいる。
制限用法が使われており、先行詞は two daughters です。この文章からは娘が何人いるかはわかりませんが、2人の娘は音楽を学んでいるということがわかるように訳しましょう。
3.Logan promised his wife that he had quit drinking, which was a lie.
訳:ローガンはお酒はやめたと妻に約束したが、それは嘘だった。
非制限用法が使われており、先行詞は Logan promised his wife that he had quit drinking という文章全体です。非制限用法は、内容によっては逆接のように訳したほうが自然な場合があります。
4.I was cooking dinner at seven, when my phone rang.
訳:私が7時によるご飯を作っていた、そのとき電話が鳴った。
非制限用法が使われており、先行詞は I was cooking dinner at seven という文章全体です。非制限用法の when は、 at that time や and then に置き換えても同じ意味になります。
5.My sister, who is sitting next to him, is a dancer.
訳:私の姉はダンサーで、彼の隣に座っている。
非制限用法が使われており、先行詞は my sister です。文中に非制限用法が挿入され、コンマで囲まれているので一見文構造が複雑に見えますが S = my sister V = is C = a dancer のシンプルな文章です。
6. France, where my grandmother was born, is a beautiful country.
訳:フランスは祖母の生まれたところであり、美しい国だ。
非制限用法が使われており、先行詞は France です。where の非制限用法はこの文のように先行詞のみが最初にきて文中に挿入される場合も珍しくありません。V=is C=a beautiful country のシンプルな構造です。
7. The exact time when the accident happened isn’t unknown.
訳:その事故が起こった正確な時間は分かっていない。
制限用法が使われており、先行詞は the exact time です。V=isn’t unknown と受動態の文章になっています。コンマがない点で制限用法だと分かった方は、素晴らしいですね!
制限用法・非制限用法の使い方をマスターできれば、英語のニュアンスを考えるのに非常に役に立ちますよ!ぜひこの記事を読み込んで、マスターしてくださいね。
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