「形容詞句ってなんだろう?節との違いもわからないなぁ」
「形容詞句ってどうやって作ればいいの?」
「形容詞句と名詞句・副詞句との見分け方は?」
英文法が苦手な方ならば、「形容詞句」という言葉を聞くだけでうんざりするかもしれません。そもそも句がなにかわからず、細かい説明を受けてもさっぱりわからないという声も数多く聞いてきました。
しかし、基本さえ押さえてしまえば形容詞句を理解するのは難しくありません!
この記事では、英語の講師として数多くの方の指導を行ってきた僕が、
- 形容詞句とはなにか
- 形容詞句を作るパターン
- 名詞句・副詞句との違い
- 形容詞句を文中で置く場所
といった内容を解説します。
形容詞句でつまずき、お手上げになってしまっている方でも理解できるように丁寧に解説しているので、ぜひご覧ください。
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
形容詞句とは?概要をサクッと解説
形容詞句とは、形容詞の役割をした上で句になっているものです。まずは例文で確認してみましょう。
The boy waving his hand there is Mike. (あそこで手を振っている少年はマイクです)
I don’t have time to come home. (私は家に戻る時間がない)
それぞれ、太字の部分が形容詞句に当たります。
しかし、形容詞・句がそれぞれ何かわからないと、ここで理解が追いつかない方もいるでしょう。そこで、それぞれの意味を簡単に説明していきます。
形容詞は名詞を説明するもの
形容詞を簡単に説明すると、「名詞について状態や性質を補足説明する」もの。
Nancy is beauliful. (Nancyは美しい)
この文では、「美しい」のは Nancy。つまり、Nancy がどんな人かを説明するのに使われていますね!もうひとつ例文を見てみましょう。
There is an old man. (年配の男性がいる)
こちらでは、男の人に対して「年配の」という情報を補足説明しています。このように、文中の名詞に対してどんな状態・性質なのかを付け足すのが形容詞の役割です。
ちなみに、名詞以外を補足説明するものを副詞と言います。あわせて覚えてしまいましょう。
句・節はまとまりで一つの品詞となるもの
句や節は、複数の単語がまとまりになって一つの品詞になるものを指します。特に、2つの違いは以下のとおりです。
- 句:まとまりのなかに主語・述語を含まない
- 節:まとまりのなかに主語・述語を含む
例文を見てみましょう。
The pen on the desk is mine. (机の上のペンは私のものだ)
on the desk はペンという名詞の位置関係を説明しています。そして、この中には主語・述語がありません。
名詞の説明をしていて、主語・述語がないのでこれは形容詞句と言えます。
He fell in love with a woman who lived in New York. (彼はニューヨークに住む女性に恋をした)
という文の場合、太字部分は女性という名詞の説明をしていますが、who が主語・ lived が動詞になっており、修飾部分の中に主語、述語があるので、形容詞節です。
形容詞節に関しては、「【基礎から押さえる】形容詞節はこれでマスター!基本2パターンと見分け方をわかりやすく解説」にて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
形容詞句を作る基本3パターン
形容詞句の概要がわかったところで、具体的にどのように用いられるのかを確認しましょう。形容詞句を作るのには、主に3つのパターンがあります。
- 前置詞
- 不定詞
- 分詞
それぞれ順番に解説します。
1. 前置詞
前置詞から始まる句が、形容詞の役割をすることがあります。
The cat under the desk is small. (机の下にいる猫は小さい)
という文章では、under the desk という句が、名詞の cat を説明しています。
The flight to Nagoya departs at 10:00. (名古屋行きのフライトは10時出発です)
こちらは、to Nagoya がフライトの行き先を補足説明していますね。
このように、前置詞が形容詞句を導くことがあります。ただし、前置詞が付けば必ず形容詞句になるわけではありません。
動詞など、名詞以外の要素を補足説明する場合は副詞句になるので要注意です。
2. 不定詞
不定詞も、形容詞句になることがあります。
He was the first person to talk with me. (彼は私と話した最初の人物だ)
この例文では、to talk 以下の文章が、名詞である the first person を補足説明しています。
形容詞句になる不定詞は、必ず名詞の直後に置かれるという点もあわせて覚えておきましょう。
なお、不定詞の形容詞的用法は別記事で詳しくまとめています。「【もう悩まない】不定詞の形容詞的用法は名詞を修飾!注意すべき用法やよくある疑問も解決」の記事もあわせて確認し、理解を深めましょう。
3. 分詞
分詞とは、動詞に ing 、ed をつけて変形させ、形容詞の役割をさせたものです。分詞も形容詞句を導きます。
There are TVs made in China. (中国製のテレビがある)
made in China がテレビについての説明を補足していますね。
現在分詞(ing)と、過去分詞(ed)には、以下のような違いがあります。
- 現在分詞:能動的な意味に使う
(dancing girl 踊る少女) - 過去分詞:受動的・もしくは完了の意味に使う
(broken door 壊された扉、fallen leaves 落ちた葉っぱ)
現在分詞、過去分詞それぞれで例文も確認しましょう。
Who is the man taking the picture? (写真を撮っている男性は誰ですか?)
taking the picture が形容詞句であり、男の人の行動を補足説明しています。男の人が自ら写真を取っている(能動的)ので、現在分詞が使われます。
過去分詞の方も、例文を見てみましょう。
Look at the window broken yesterday. (昨日割られた窓を見てください)
窓が割られた日にちを、形容詞句の broken yesterday が説明しています。窓は勝手に割れないので、受動的な意味を持つ過去分詞が選ばれます。
形容詞句と名詞句・副詞句の違い
ここまで形容詞句を説明してきましたが、句には形容詞以外の役割を担う種類もあります。
- 名詞句
- 副詞句
についてそれぞれ簡単に確認していきましょう。
名詞句は名詞の役割をする句
名詞句はその名前のとおり、名詞の役割をするものです。「句」なので、主語述語は持たず、2つ以上の単語が連なっています。
Winning games is fun. (ゲームに勝つのは楽しいものだ)
という文章では、名詞句の Winning games が主語になっています。
このように名詞と同じ扱い方ができるので、名詞句は文中で以下の役割を果たします。
- 主語
- 補語
- 目的語
- 前置詞の目的語
名詞句は、動名詞や不定詞を用いられることが多いです。
名詞句を導く不定詞・動名詞については別記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
名詞句になる不定詞の解説:不定詞の名詞的用法をわかりやすく解説!動名詞との違いや形式主語まですっきりわかる
動名詞の解説:【イメージ活用】例文で学ぶ「動名詞」の使い方!頻出文法4パターンと to不定詞との違いまで詳細解説
副詞句は名詞以外を修飾する句
副詞句は、文中にある名詞以外の語句を修飾します。
I want to go to New Yerk. (ニューヨークに行きたい)
という文章では、動詞の「go(行く)」に対して、その場所を補足説明しています。
I worked hard to buy a car. (私は車を買うために必死に働いた)
という文章では、働いた理由を追加で説明していますね。
副詞句になることが多いのは、
- 前置詞+名詞
- 不定詞
- 分詞構文
です。
副詞句になる不定詞の解説:【ニガテを克服】不定詞の副詞的用法のポイント!7種類の意味やよく使う表現を例文付きで解説
分詞構文の解説:【例文たっぷり】分詞構文をわかりやすく解説!過去分詞を使うケースや慣用表現まで完全網羅
形容詞句を置く位置はどこ?基本ルールと意味の違いを解説
形容詞句を自由自在に使いこなせるように、文中のどこに置くべきかルールを確認しておきましょう。
形容詞句を置ける場所は2つあります。
- 名詞の直後
- 補語を取る動詞の後ろ
それぞれ例文をいれて解説します。
1. 名詞の直後
形容詞句の最も基本的な使い方は、名詞の直後に置くものです。
形容詞は名詞の前、後ろ両方に置けますが、形容詞句は直後だけ。これは「2語以上のカタマリで形容詞扱いにする場合は後ろに置く」というルールがあるからです。
This is a diary written by Anne. (これはアンネが書いた日記だ)
日記の詳細を説明している written 以下の句は、必ず後ろに置かれるというわけです。
ちなみに、1語で名詞を説明する場合は、前にも後ろにも置け、意味が変わります。
- 分詞が1語で前につくパターン:ずっと続くこと、一般的なこと
- 分詞が1語で後ろにつくパターン:一時的なこと
あわせて覚えておきましょう。
2. 補語を取る動詞の後ろ
形容詞句は補語にもなれるため、第二文型を取る動詞の後ろにも置けます。
The ball is under the tree. (ボールは樹の下にある)
のように、be 動詞と組み合わせることで位置関係を表すことが可能です。また、be 動詞以外でも形容詞句を後ろに取る場合もあります。
The baby looks like an angel. (赤ちゃんは天使のようだ)
このlike は、前置詞で「〜のような」という意味を持つもの。赤ちゃんの様子を補足説明している形容詞句です。
補語を取れる動詞や第二文型について理解が曖昧な方は「【これでわかる】第二文型のわからないを解決!文型を理解するメリットもあわせて解説」もご覧ください。
形容詞句は、複数の単語がまとまって形容詞のような働きをするもの。主語・述語の形を取らないのが特徴です。
形容詞句は、前置詞・不定詞・分詞が導くこともあわせて、しっかり理解しておきましょう。
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