「形容詞節って何なの?形容詞も節もよくわからないんだけど…」
「和訳をするとき、形容詞節って説明を受けたけどそもそもどういう意味だろう」
「形容詞節と副詞節・名詞節を見分ける方法が知りたい」
長文読解などで、文の構造を分析していると出てくる言葉、形容詞節。
そもそも何者かわからない、説明を聞いてもどれが形容詞節なのか理解できないという方もいるのではないでしょうか?
形容詞節は、名詞を説明するカタマリのこと。しっかり理解することで文の構造がわかりやすくなり、難しい英文もしっかり意味を理解できるようになるので、ぜひここでマスターしましょう。
この記事では、英語の講師として数多くの方の指導を行ってきた僕が、形容詞節について詳しく解説します。
- 形容詞節とはなにか?
- 名詞節・副詞節との違い
- 形容詞節になるもの
などを解説し、1記事で周辺知識までしっかりマスターできます。後半では、英文読解をするときのコツも紹介しているので、英文解釈を得意にしたい方や文法でつまずいてきた方は、ぜひご覧ください。
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
形容詞節とは?概要をサクッと解説
まずは、形容詞節は何者なのか、ざっくり理解するところから始めましょう。
形容詞節はその名の通り、形容詞の役割をした上で節になっているものです。例文を見てみましょう。
The T-shirt which she bought is cute! (そのTシャツ、彼女が買ったものなんだけど、かわいいよね!)
which 以下の文章は、Tシャツがどんなものか説明するために付け加えられています。もう一つ見てみましょう。
He has a son who lives in Tokyo. (彼は東京に住んでいる息子がいる)
こちらは、who 以下が、息子がどんな人か説明するのに使われています。
このように、名詞を説明するための文のカタマリが、形容詞節です。もう少し深く理解するために、
- 形容詞
- 節
という言葉の意味を補足説明していきます。
形容詞は名詞を説明するもの
形容詞を簡単に説明すると、「名詞について状態や性質を補足説明する」もの。
Nancy is beauliful. (Nancyは美しい)
この文では、「美しい」のは Nancy。つまり、Nancy がどんな人かを説明するのに使われていますね!もう一つ例文を見てみましょう。
I saw a young man. (私は若い男の人を見た)
こちらでは、私が見た男の人に対して「若い」という情報を補足説明しています。このように、文の中の名詞に対してどんな状態・性質なのかを付け足すのが形容詞の役割です。
ちなみに、名詞以外を補足説明するものを副詞と言います。合わせて覚えてしまいましょう。
節とは大きな文の一部分にある文のこと
節とは、大きな文の一部となって使われている「文」のこと。節のなかには主語と動詞が含まれていて、節だけ取り出しても文の形をしています。
He fell in love with a woman who lived in New York. (彼はニューヨークに住む女性に恋をした)
この文では、who 以下が節になります。ここだけ読んでも、「ある人はニューヨークに住んでいた」という文章が成り立ちますよね。
節は文の中のさまざまな位置において、自由に使える要素です。
これらをまとめると、形容詞節は「名詞を詳しく説明するために付け加えられた、文のかたちをしたもの」といえます。
なぜ「形容詞節」というものがあるかと言うと、形容詞一語では、うまく説明することができないから。
若い女性ならば young woman、美人な女性ならば beautiful woman と、形容詞1つで表現できます。しかし、うまく説明する形容詞がないこともあるんですよね。
ここで、先程の文章をもう一度見てみます。
He fell in love with a woman who lived in New York. (彼はニューヨークに住む女性に恋をした)
この文章で、もし「ニューヨークに住んでいる」という形容詞があれば、わざわざ節を使う必要はありません。ただ、ぴったり表現する形容詞が存在しないから、文章を使って補足説明しているんです。
形容詞を使いたいけれど、いい単語がないから文章で補足説明しているのが形容詞節というわけですね。
副詞節と名詞節・形容詞節との違い
形容詞節について勉強していくと、名詞節・副詞節という言葉も一緒に出てきます。「節」が色々出てきて、見分けがつかない方もいるのではないでしょうか?
- 名詞節
- 副詞節
とは何か、ここで合わせて理解しておきましょう。
名詞節は名詞の役割をするもの
名詞節は、名詞の役割をする文のカタマリを指します。
I know that he is a doctor.(私は彼が医者であると知っている)
という文章では、that 以下が名詞節です。know という動詞の後には、「私が知っている内容」を示す名詞(目的語)が必要です。
I know the news. (私はそのニュースを知っている)
I know Bob. (私はボブを知っている)
といったように、知っているものや人を伝えますよね。ただ、「彼が医者である」という内容は1つの名詞では説明しきれないので、文章をくっつけて名詞の代わりにしています。
名詞節は、主語にもなれます。
Whether I buy it will depend on the price. (それを買うかどうかは値段による)
という文章では、Whether から始まる文が主語になり、名詞の代わりになっています。
このように、主語や目的語となっており、名詞の役割を果たしている文章が名詞節です。
副詞節は文の要素にならないもの
一方、副詞節は「名詞以外を詳しく説明するために付け加えられた、文のかたちをしたもの」です。
When I was a child, I lived in Tokyo. (私が子供の頃、東京に住んでいた)
この文章では、When がついている文章の方が、副詞節です。「私が東京に住んでいた」のがいつかという情報を補足説明しています。この節で補足説明しているのは、名詞に関する内容ではありません。
このように、
- 文の要素となる名詞ではない
- 名詞の説明をしているわけでもない
という節はすべて、副詞節になります。
副詞節に関しては、「【誰でもわかる】副詞節とはなにかわかりやすく解説!見分け方や使い方のルールも網羅」の記事でさらに詳しく取り上げています。合わせて確認してみてくださいね。
形容詞節を作る基本2パターン
形容詞節を作るのは、主に2つのパターンがあります。
- 関係代名詞
- 関係副詞
それぞれ詳しく解説します。
関係代名詞
関係代名詞は、直前にある名詞を補足説明するのに用いられます。名詞を説明するのに使われるので、原則どれも形容詞節です。
関係代名詞を使うと、説明しているのと同じ名詞が後ろにある文から消えます。消えた名詞がいた場所により、主格・所有格・目的格と用法が変わるのですが、どれも名詞を説明している点は変わりません。
例文で見てみましょう。
I have a son who lives in Tokyo. (私には東京に住んでいる息子がいます。)
この文では、後ろの文の主語が消えているので「主格」の用法と言われています。who 以下の節は、a son の追加説明をしていますね。
a son という名詞を説明しているため、これは形容詞節になります。
もう一つ例文を見てみましょう。
This is the pen which I bought yesterday.(これは昨日買ったペンです)
この文では、後ろの文の目的語が消えており、「目的格」と言われます。which 以下の節は、the pen を追加説明しています。
the pen という名詞を説明しているため、これも形容詞節です。
このように、後ろの文の形によって関係代名詞の種類は変わりますが、すべて名詞を説明しているので形容詞節である、という点は変わりません。
関係代名詞について理解できていないかもと思った方は、「【基本から丁寧に】関係代名詞が省略できるのは目的格のとき!例外のケースや理由も紹介」もご覧ください。関係代名詞の作り方を基礎から説明していますよ!
関係副詞
関係副詞は関係代名詞の親戚にあたるもの。こちらも、後ろから前の名詞をつまみ上げて説明を付け足し、修飾しています。
- where:場所に関する情報を付け足す
- when:時に関する情報を付け足す
- why:理由に関する情報を付け足す
- how:方法に関する情報を付け足す
This is the city where I was born. (ここは私が産まれた都市だ)
という文章ならば、where 以下の内容は the city という名詞の補足説明です。そのため、関係副詞も基本的には形容詞節になります。
英文読解のコツ!名詞節・形容詞節・副詞節をかっこでくくろう
形容詞節が理解できたところで、応用として、英文読解についても触れていきましょう。一文が長い文章を読むコツは、文の構造を理解すること。以下の例文を見てみましょう。
When AI develops further, robots which is programmed precisely will take human jobs.
※further さらに 、precisely 精密に
develop も is programmed も、will take も動詞に見え、混乱してしまった方もいるのではないでしょうか?
文章が長くなると、動詞がたくさんあるように見えて、訳しにくくなるんですよね…。
このような入り組んだ文章こそ、節を理解しているかどうかで差が付きます。
節は文を修飾している要素なので、一度省いて見ましょう。詳しい見分け方は後で説明しますが、とりあえず今は when から始まるのは副詞節、which の部分は形容詞節なので消去します。
(When AI develops further,) robots (which is programmed precisely) will take human jobs.
すると、「ロボットは人間の仕事を取っていくだろう」というシンプルな文になりました。節を省いてあげることで、スッキリとした文章になり、訳しやすくなります。
このように、複雑な文章をスッキリ理解できるので、節を理解するのが大切というわけです。
名詞節・形容詞節・副詞節のかっこの使い分け
節をかっこでくくって文章を整理するとき、節ごとにかっこの形を変えることがあります。予備校などで英文読解を教える場合、以下のわけ方にしていることが多いです。
- 名詞節:[]
- 形容詞節:<>
- 副詞節:()
これは英語のルールではないので、必ず覚えないといけないものではありません。
ただし、英語を教えるときにこのわけ方をしている講師が多く、カッコの形を共通化すると混乱しないので揃えておくと良いでしょう。
3つの節の見分け方
それでは、3つの節の見分け方も紹介します。
<名詞節の見分け方>
文の主語・目的語・補語のどれかになっている
<形容詞節の見分け方>
・名詞の直後にある
・節の中身が完全な文でなく、欠けている
<副詞節の見分け方>
・文の要素になっていない
・名詞の直後にない
・名刺の直後にあるが、節の中身が完全な文である
名詞節・形容詞節にならないものが副詞節、と消去法で見分けるのがわかりやすいです。
先程の文章で実践してみましょう。
(When AI develops further,) robots <which is programmed precisely> will take human jobs.
※further さらに 、precisely 精密に
後ろに robots があるので、When から始まる節は文の要素でなさそうです。直前に名詞もないため、副詞節になります。
また、which の部分は直前に robots という名詞があり、which 以降で主語が欠けているので形容詞節。robots という名詞を補足説明しているということですね。
which 以下の文章が robots を説明していることを意識して和訳してみましょう。
(When AI develops further,)
AIがさらに発展したとき
robots <which is programmed precisely>
精密にプログラムされたロボットが
will take human jobs.
人間の仕事を取っていくだろう。
節の役割を意識することで、動詞らしきものがたくさんある英文でもしっかり訳せました。ルールを理解すれば、数をこなすうちに難しい文章もわかるようになります。
ぜひ、形容詞節に関する内容を復習して、文の構造を理解できるようになりましょう。
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