「TOEICってどうやって点数配分が決まっているの?」
「1問5点で考えればいい?」
「計算が複雑って聞いたけど、実際どうなの?」
TOEICの点数配分は、一般には1問5点とされています。大まかにいえば間違いはありませんが、実はさらに複雑な計算により点数配分が決まっているんです。
そのため、模擬問題の自己採点と実際の結果とで点数がズレてしまうケースがあります!
この記事では、TOEICでどのような基準で点数が配分されているのか、詳しく解説します。
- 正答数とスコアの換算表
- 主な試験との点数配分換算
- 高得点を取るための勉強法
- おすすめの参考書
これらも一緒に解説するので、TOEIC受験前に問題を解いて採点する際や、より高い点数を目指すためのリサーチなどでぜひお役立てください!
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
TOEICの点数配分の考え方
早速、TOEICの点数配分の仕組みを紹介していきます。点数配分について知るのに、とくに押さえておきたいポイントは次の3点です。
- TOEICには最低点数が設けられている
- TOEICは1問あたりの点数配分が決まっていない
- TOEICは統計を参考に点数配分が決まる
どれも、一般的な学校のテストや英検にはないTOEIC特有の特徴です。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1. TOEICには最低点数が設けられている
実はTOEICでは、0点を取ることはありません。確実に得点となる、最低点数が保証されているからです。
セクション | 最低点数 |
---|---|
リーディング | 5 |
リスニング | 5 |
リーディング・リスニングパートともに全問不正解でも、それぞれ5点ずつの計10点は必ず得点できる仕組みになっています。他のテストや資格試験ではなかなか聞かないシステムですよね。
ちなみに最高得点は990点。つまり10〜990点の範囲で点数が決まります!
2. TOEICは1問あたりの点数配分が決まっていない
TOEICの満点は各セクションで495点、合計990点です。
990点から逆算して考えると「990点÷200問=4.95」、1問あたりおよそ5点の点数配分と予想できます。実際、テスト結果も5点刻みで結果が算出されています。
しかし、実はTOEICに1問あたり何点という具体的な点数配分は存在しません。TOEICでは受験者の統計から採点しているからです。
統計を取った結果、正答者数が極端に少なかった問題は、採点の対象から除外される場合があります。
すると採点対象の母数が開催時期によって変わるため、割り算をすると「1問5点」には当てはまらなくなることがあるのです。
3. TOEICは統計を参考に点数配分が決まる
なぜTOEICでは複雑な統計処理により点数配分を決めているのかというと、受験者への不平等が生じないようにするためです。
開催回ごとの難易度の違いによる差が生まれないよう、特別な計算を用いていると公式から発表されています。
このようなシステムを導入することにより、たとえば「今回は簡単な問題が多かったから、平均点が高かった」「問題が簡単だった開催回と難しかった開催回では、同じ900点でも意味合いが変わってしまう」といった不平等をなくせます。
どのような統計処理をしているのかは、公式からは公表されていません。そのため、全問正解でなくても満点の990点を取れることがあり、かなり複雑な点数配分となっているのです。
TOEICの自己採点の方法は1問5点でOK
TOEICの点数配分は「1問5点」であるとは限りません。とはいえ、正確な計算方法は公開されていないため、自己採点では「1問5点」で考えて問題ないでしょう。
たとえば、全部で150問正解したら「150×5」で750点を獲得できると見込めます。
ただし、周りの受験生の正答率から影響を受けて、試験本番では同じ正答数でもプラス・マイナス40点程度まではブレがあると考えておいてくださいね。
より正確な点数予測ができる換算表は、記事後半の「TOEICの正答数とスコアの換算表」でも紹介しています。
より正確な実力を知るには、予想問題を複数回解いて平均点を算出してみるのがおすすめです。最低限、3回分程度の平均を計算してみましょう。
TOEICのパートごとの詳しい点数配分情報
TOEICの問題はリスニングセクションとリーディングセクションでテーマが分かれ、その中でもさらに「パート」と呼ばれる大問があります。ここでは、各パートでどの程度の点数配分となっているのか、解説します。
点数の配分が大きなパートは重点的に対策するといった工夫もできるので、ぜひ試験勉強のヒントにしてみてくださいね!
なお、本章では1問あたり5点をベースに、配点の目安を算出しています。
1. リスニング問題の点数配分の目安
出題内容 | 出題数 | 点数配分の目安 | |
---|---|---|---|
Part1 | 写真描写問題 | 6問 | 30点 (6×5) |
Part2 | 応答問題 | 25問 | 125点 (25×5) |
Part3 | 会話問題 | 39問 | 195点 (39×5) |
Part4 | 説明文問題 | 30問 | 150点 (30×5) |
合計 | ー | 100問 | 495点 |
前半のPart1・2は比較的易しい英文をリスニングします。とくに写真に関する説明文を聞くPart1は配分が少ないですが、難易度的には確実に点数を取りたいところ。
後半のPart3・4は長文を聞く必要があり前半よりもやや難しくなります。しっかり得点を稼ぐには、問題に慣れて正答率を上げていきましょう。
2. リーディング問題の点数配分の目安
出題内容 | 出題数 | 点数配分の目安 | |
---|---|---|---|
Part5 | 短文穴埋め問題 | 30問 | 150点 (30×5) |
Part6 | 長文穴埋め問題 | 16問 | 80点 (16×5) |
Part7 | 文書を読んで設問に答える問題 | 54問 | 270点 (54×5) |
合計 | ー | 100問 | 495点 |
リーディングセクションでは、Part7が全体の半分を占めます。その分点数もPart7に偏って配分されているため、難易度は高く、十分な対策が求められるでしょう。
なお、僕の公式LINEでは、リーディング・リスニング力を鍛える勉強法を徹底的に解説しています。有料級の特典15個もついてくるので、ぜひお気軽にご登録ください!
TOEICの正答数とスコアの換算表
自己採点の正答数から予想点数をスピーディに計算できるよう、換算表を控えておくと便利です。
問題集やノートの先頭に貼っておけば、いちいち計算をしなくても表を見るだけで1秒で点数がわかりますよ。
【リスニングセクション】
正答数 | 点数配分の目安 |
---|---|
96〜100 | 475〜495 |
91〜95 | 435〜495 |
86〜90 | 405〜470 |
81〜85 | 370〜450 |
76〜80 | 345〜420 |
71〜75 | 320〜390 |
66〜70 | 290〜360 |
61〜65 | 265〜335 |
56〜60 | 240〜310 |
51〜55 | 215〜280 |
46〜50 | 190〜255 |
41〜45 | 160〜230 |
36〜40 | 130〜205 |
31〜35 | 105〜175 |
26〜30 | 85〜145 |
21〜25 | 60〜115 |
16〜20 | 30〜90 |
11〜15 | 5〜70 |
6〜10 | 5〜60 |
1〜5 | 5〜50 |
0 | 5〜35 |
【リーディングセクション】
正答数 | 点数配分の目安 |
---|---|
96〜100 | 460〜495 |
91〜95 | 425〜490 |
86〜90 | 400〜465 |
81〜85 | 375〜440 |
76〜80 | 340〜415 |
71〜75 | 310〜390 |
66〜70 | 285〜370 |
61〜65 | 255〜340 |
56〜60 | 230〜310 |
51〜55 | 200〜275 |
46〜50 | 170〜245 |
41〜45 | 140〜215 |
36〜40 | 115〜180 |
31〜35 | 95〜150 |
26〜30 | 75〜120 |
21〜25 | 60〜95 |
16〜20 | 45〜75 |
11〜15 | 30〜55 |
6〜10 | 10〜40 |
1〜5 | 5〜30 |
0 | 5〜15 |
スクショしてぜひ使ってくださいね!
TOEICと英検など主な試験の点数配分換算
TOEICの点数と、それ以外の主な試験のレベルの違いをチェックしてみましょう。
TOEIC | 英検 | IELTS | TOEFL iBT |
---|---|---|---|
945〜 | 1級 | 7.0〜 | 95〜 |
785〜 | 準1級 | 5.5〜6.5 | 72〜94 |
550〜 | 2級 | 4.0〜5.0 | 42〜71 |
225〜 | 準2級 | 3.0 | ー |
120〜 | 3〜5級 | 2.0 | ー |
出題内容がそれぞれ異なるので正確な比較はできませんが、あくまで目安として参考にしてみてください!
なお、TOEICで900点台を取るよりも英検1級に合格するほうが難しいといわれています。TOEICはリスニング・リーディング力を問われるのに対し、英検ではさらにライティング・スピーキング力も求められるためです。
ただし企業の昇進要件では、英検の級よりもTOEICのスコアを参考に実力を測る場合もあります。自分のなりたい姿にはどんな試験でどの程度のレベルを示す必要があるのかを調べ、目標を決めると良いでしょう。
なお、TOEICと英検に関しては関連記事「【換算表あり】TOEICと英検を10項目で比較!必要なレベルや試験対策の方法を徹底解説」で比較しています。あわせて参考にしてみてください!
TOEICで高得点を取るための勉強法5ステップ
点数の仕組みを知ったら、具体的な対策に進みましょう。僕がおすすめしているのは、次の5ステップでの勉強法です。
- 文法学習
- 基礎単語・発音の学習
- 試験に向けた単語学習
- 模試や予想問題
- TOEICならではのスキルの習得
なお、この勉強法は関連動画「【最短爆速】TOEIC900点を3ヶ月で達成する方法」でも詳しく解説しています。「文字より動画で学びたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
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1. 文法学習
TOEICは英語の総合力を問われる試験です。文法の知識なしでは、リスニング・リーディングともに問題に太刀打ちできません。
僕が使った参考書は「キク英文法」(※クリックでAmazon購入ページへジャンプします)です。英文法の9割は、この本で網羅できます。
1日あたり15ページ、約10日で「キク英文法」を1周するのがおすすめです。
2ヶ月で6周もすれば、終わる頃には大体の文法を把握できます!
1周目で文法を徹底的に理解し、2周目からは英作文で実践しながら学びましょう。
2. 基礎単語・発音の学習
文法学習と同時に、問題を読む・聞くにあたり最低限知っておきたい単語と発音を学習します。
暗記するポイントは、何度も復習をして覚えたい単語との接点を増やすこと。
ひとつの単語の意味を完璧に覚えようと丸1日かけるよりも「1日で100個」を繰り返して多くの単語と何度も出会ったほうが効率的です。
そして発音の学習では、記号の意味や音変化をインプットします。こちらは覚える量に限りがあるので、GoogleやYouTubeで検索して参考にしてみてください。
3. 試験に向けた単語学習
TOEICでは、基礎的な学習では出てこなかったビジネス単語も出題されます。
TOEICを意識した参考書で、基礎に加えてインプットしておきましょう。僕のおすすめは「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」(※クリックでAmazon購入ページへジャンプします)です。
試験を意識した単語帳であれば、何冊も購入する必要はありません。模擬試験を解いているうちに覚えきれていない単語がわかってくるからです。
何冊も手を出したり、難しすぎる単語帳に挑戦したりして挫折するより、まずは1冊を極めましょう!
4. 模試や予想問題
文法や単語を習得できたら、いよいよ問題演習です。公式の問題集や、市販の予想問題集を使って積極的に問題を解いていきましょう。
問題を解くのに意識すべきことは主に2つです。
- 時間を計測する
- 解き終わったら復習する
TOEICは問題数が多いため、時間への意識が重要です。
リーディングは75分間で100問解くことになり、解答がハイペースになると予想されます!
時間内に解き終わるよう、計測しながら何度もチャレンジしましょう。
復習では、僕は1回解くごとに3日ほどかけて振り返りをしていました。答えを読んで終わり・書き写して終わりではなく、単語や文法を徹底的に復習してみてください。
5. TOEICならではのスキルの習得
TOEICの出題形式は、毎回固定されています。
リスニング・リーディングセクションの各パートの問題の特徴をつかみ、それにあわせた対策をしていきましょう。
すると、問題の傾向や自分の苦手なことがわかるので「時間をかけずに解けるPart◯から手をつけよう」といった対応ができるようになります!
また、TOEICで思うような結果を残せない大きな原因が、時間不足です。パートごとにどの程度の時間を割り当てるのかを事前に考え、意識して日々問題を解いてみてくださいね。
なお、関連動画「【たった1動画で全てがわかる】TOEICパート別完全攻略【永久保存版】」では、TOEICのパートごとの出題形式について解説しています。あわせてチェックしてみてください。
TOEICの勉強でおすすめの参考書3選
ある程度の英語力がついたら、TOEIC対策に特化した参考書を積極的に使いましょう。ここからは、おすすめの参考書を3つ紹介していきます。
- TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
- TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
- 公式TOEIC Listening & Reading 問題集
なお、これらは基礎的な英語のやり直し学習ではなく、TOEICの受験をターゲットとした参考書です。文法・単語に不安がある方は、もっと初心者向けの本で事前に基礎力をトレーニングしてからのチャレンジが望ましいでしょう。
たとえば大人の英語初心者におすすめの本は、具体的な勉強方法とともに関連記事「【まだ間に合う】英語の勉強を大人の初心者が習得する方法3ステップ!学習を成功させる8つのコツを解説」で紹介しています。
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1. 文法:TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
とくにTOEICのPart5でよく出題される文法事項を「出る順」(頻出される順)でまとめている参考書です。
問題部分の解説は、ただ正解を示すだけでなく「なぜその選択肢が誤りなのか?」までしっかり教えてくれます。
曖昧な知識で終わらず、納得感を持って勉強できるでしょう。
この参考書で、スコア500〜900点台までを網羅できます。
2. 単語:TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
TOEICの単語対策で超定番の1冊です!
TOEICで出題された単語に絞って掲載されているので、無駄なく学習できます!
TOEICでは、過去に出題された単語や表現が、文章を変えてよく再登場しているんです。
そして、目指すべき点数ごとに単語がラベリングされています。初心者の方でも自分のレベルにあわせてステップアップしながら学習できますよ。
3. 演習:公式TOEIC Listening & Reading 問題集
公式が販売する、問題集シリーズです。
毎年10月に最新版が登場しています!
本番と同じように作られた問題なので、TOEIC対策ではチャレンジ必須。時間を計測しながら、本番同様に解いてみましょう。
内容は毎年アップデートされているため、まずは最新版を手に取ってみるのがおすすめです。
この記事でTOEICの仕組みがわかったら、次は具体的な試験対策を始めてみましょう。
他にも、試験対策で使えるコンテンツをイングリッシュおさる公式LINEで配信中です。すべて無料で受け取れるので、ぜひ友だち登録してTOEIC対策で活用してくださいね!