「TOEICってどんな試験なの?」
「パートごとの攻略法が知りたい」
「初心者がやるべきことってなんだろう」
初めてTOEICを受ける人の中には、このような悩みを抱えている人もいるでしょう。問題数が多く、スピード勝負だと思われがちなTOEIC。高スコアを出すには、パート別の対策が必要です。
しっかり対策すれば、初めてでも高スコアは取れます!
この記事では、TOEIC900点超えの元英語教師だった僕が、以下の内容について解説します。
- TOEICの全体像
- パート別攻略法
- 初心者がやるべきこと
今日から対策に取り組んで、スコアを伸ばしていきましょう。
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
【攻略の前に】TOEICの全体像
攻略法を説明する前に、TOEICの試験概要と平均スコアを説明します。
試験概要
TOEIC® Listening & Reading Testは、リーディングとリスニングが100問ずつから成る試験です。
パート1~4がリスニング(45分)、パート5~7がリーディング(75分)で合計2時間なので、長丁場になります。
リーディングは、説明文を含めた全ての文章が全て英語で書かれているのが特徴。長文読解が多いので、1問1問素早く解く必要があります。
また、リスニングの音声は一度しか流れません。アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアの英語がごちゃ混ぜで再生されます。
2時間の試験時間の間に休憩はありません。トイレなどは、試験前に済ませておきましょう。
平均スコア
2022年度のTOEICの平均スコアは608点。700点以上取れる人は全体の3割程度、800点以上取れる人は2割未満です。
TOEIC700点や800点は夢のまた夢かと思うかもしれませんが、しっかり対策すれば十分目指せます!
なお、TOEIC800点を目指したい方は、関連記事「TOEIC800点の勉強時間をレベル別に解説!再現性の高い学習法やおすすめの参考書を公開」を参考にしてみてください!
TOEICの7つのパート別攻略法
ここでは、TOEICのパート別の攻略法を紹介します。
こちらの内容は、関連動画「【たった1動画で全てがわかる】TOEICパート別完全攻略【永久保存版】」でより詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
パート1
パート1では、音声を聞いて適切に状況を説明している写真を選びます。
ここでは、実際の例題を見てみましょう。
この例題の答えは、「D:A woman is plugging a power cord into an outlet.(女性は電源コードをコンセントに差し込んでいるところだ)」となります。
そのほかの選択肢を確認してみましょう。
A:A woman is putting on a pair of shoes.
(女性は靴を履いているところだ)
B:A woman is dusting the television screen.
(女性はテレビ画面を拭いているところだ)
C:A woman is watching television.
(女性はテレビを見ているところだ)
D:A woman is plugging a power cord into an outlet.
(女性は電源コードをコンセントに差し込んでいるところだ)
パート1の問題では、人物の動作やモノの状態を説明しているものがほとんどなので、現在進行形が使われることが多いのがポイント。
ただし、現在進行形の受け身には注意が必要です!
ひっかけとして、現在進行形の受け身が使われることがあるので、選択肢から絞る際は、単語の意味や動作の主体をあわせて確認しましょう。特に、風景やモノの画像のときは動作主が写真だけでは判断できないので、しっかり聞き分けてください。
パート2
パート2では、音声で流れる質問に対する答えを3つの選択肢の中から選びます。
実際の音声を聞いてみましょう。
例題の質問では、「Where」を用いて「場所」を尋ねていることがわかります。そのため、場所を示している (A) の 「Next to the water fountain.」が答えとして適切です。
質問文と選択肢を確認しておきましょう。
Q. Where’s the new fax machine?
(新しいファックスはどこにありますか?)
(A) Next to the water fountain.(水飲み場の隣です。)
(B) I’ll send a fax tomorrow.(明日ファックスを送ります。)
(C) By Wednesday.(水曜日です。)
パート2の正答率アップのコツは消去法。1つ目または2つ目の選択肢を聞いて「これが正解だ」と決めつけてしまいがちですが、その進め方は危険です。必ず全部の選択肢を聞いてから、解答してください。
選択肢を見て○×で判断するだけでなく、△も用意して徐々に絞っていくことで、確実に正解を導き出せます。
リスニングが全くできないと苦戦してしまうところなので、まずはディクテーションとシャドーイングで英語に慣れる必要があります。
ディクテーションのやり方については、関連記事「【効果絶大】ディクテーションのやり方5ステップ!初心者向けの教材・アプリも紹介」でくわしく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
パート3
パート3では、複数人の会話を聞き取り、選択肢から正しい解答を選びます。
ポイントは、設問を先読みしておくこと。
音声が流れる前に選択肢を見てしまうと、情報量が多くて混乱してしまうので、短時間で選択肢を絞るのが難しくなります。どうしても見たい場合は、設問だけ見てストーリーを想像するくらいにとどめましょう。
たとえば、以下のような設問がある場合は、設問部分をしっかり目を通して、「どこに集中してリスニングすべきか」という情報を獲得することが大切です。
No.32 Why is the woman Calling?
(なぜ女性は電話をしているのですか?)
→女性が電話をしている理由に集中して聞く
(A) To cancel an order
(B) To complain about a product
(C) To redeem a gift card
(D) To renew a warranty
No.33 What does the man ask the woman about?
(男性は女性に何について尋ねていますか?)
→男性の質問事項を集中して聞く
(A) A model name
(B) A brand of coffee
(C) A catalog number
(D) A date of purchase
No.34 What does the man offer to do?
(男性は何を提案していますか?)
→男性の話す内容・言葉を集中して聞く
(A) Provide a discount
(B) Send a free sample
(C) Extend a warranty
(D) Issue a refund
設問を頭に入れた状態で実際の例題を聞いてみましょう。
設問部分を先読みすることで、リスニングで注意すべきポイントを把握でき、より問題を解きやすくなります。
また、選択肢は3秒考えても1つに絞れなければ次の問題に切り替えてください。この「切り替え」もパート3を攻略するうえで非常に重要です。
パート3があまり解けない場合は、シャドーイングに取り組んでみてください!
シャドーイングのやり方については、関連記事「【勘違い】シャドーイングは効果なしといわれる6つの理由!リスニング力を鍛える正しいやり方を解説」で解説しています。独学で間違った勉強をしないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
パート4
パート4では、アナウンスや電話メッセージなどを聞いて正しく状況を説明している選択肢を選びます。パート2やパート3の会話ベースの問題とは異なり、音声から状況を判断して答えを選ばなければなりません。
パート4の正答率アップのコツもパート3と同様、設問や図の先読み。以下のような選択肢を先読みして、どの部分に集中してリスニングするかの情報を獲得することが重要です。
No. 77 What bothers the man about Torland Advertising?
(A) Their failure to meet deadlines
(B) Their problems with staffing
(C) Their request to revise a contract
(D) Their focus on cost cutting
実際の例題を聞いてみましょう。
設問では「男性がTorland Advertisingについてどのような点で困惑しているか?」と聞かれています。そして、会話の中盤では以下のように述べられていました。
I’m a little concerned they seem much more focused on cutting their costs than they are on providing good quality advertising for us.
(彼らが私たちに質の高い広告を提供することよりも、コストを削減することに重点を置いているように見えるのが少し心配です)
そのため答えは、「(D) Their focus on cost cutting(コスト削減に重点を置いている)」となります。
難解な英文の聞き取りでも、設問を先に見ておくだけで解きやすさがグンとアップします。
設問や図を見れば話のテーマが予測できるので、先読みがマストです!
会話やトークを聞きながら正しい選択肢が分かったら、放送が終わる前に解答し、次の設問に備えましょう。パート3と同様、3秒考えて分からなければ次の問題に切り替えてください。
パート5
パート5は語彙問題。単語力や品詞の知識が問われる問題であり、文全体の意味が理解できていない状態で答えるのはかなり難しいです。
出題例で確認してみましょう。
引用:TOEIC® Listening & Reading Test サンプル問題
選択肢の単語は、どれもcomplicate(複雑にする)という意味で、それぞれ品詞が異なります。ここで注目したいのが、that節の主語”many modern mobile devices”に続くbe動詞の”are”。選択肢には、areとセットで使えるものが当てはまる必要があるので、動詞であるBとCは該当しません。
続いて本文を訳してみると、「カスタマーレビューによると、最近のモバイルデバイスの多くは、しばしば不必要に〜」となります。Aのcomplicationは「合併症」という意味の名詞なので、これも当てはまりません。
よって、正解はDになるのです。
このように、それぞれの品詞の役割を理解することで、Part5は解答できます。
ただ、パート5に関してはTOEIC900点台の人でも間違えてしまうことがあるので、完璧を目指す必要はありません!
とにかくスピード勝負のTOEIC。繰り返し述べますが、分からなかったら、いさぎよく次の問題に切り替えるのが高得点を取る秘訣です。
パート5の後ろには、70問の長文問題が控えています。1問14秒考えて解けなければ諦めて次の問題を解いてください。
パート6
パート6は、長文に設置されている4つの空欄の中に当てはまる語句や文章を選択する穴埋め問題です。パート5では語彙や慣用的なフレーズが問われるのに対し、文法事項や話の流れから適切な文を予測する問題も出題されます。
また、パート6では、基本的にある程度読み進めないと答えを絞ることができないのが特徴。
そのため、パート6は1つの空欄で迷わないことを意識しましょう!
1問1分を目安に解答しましょう!
ただし、パート5と同様、じっくり考えて解答すると時間が過ぎてしまうので、順番通りに解答する必要はありません。分からなければ、次の問題に移ってください。
TOEICのパート6の具体的な解き方については、関連記事「【確実に攻略】TOEICパート6の問題タイプと解き方のコツ!おすすめの学習法や参考書も紹介」で詳しく解説しています。パート6の問題タイプ別のコツも紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
パート7
パート7は、長文を読み、内容に合う選択肢を選ぶ読解問題です。
出題数はなんと54問!TOEICの鬼門といっても過言ではありません。
タイムロスを減らす上でおすすめなのが、設問を確認してから本文を読み、選択肢を見る流れで解くこと。選択肢にはひっかけがあるので、先に読むと情報がごっちゃになる可能性があるからです。
また、本文は速読よりも、上から下に丁寧に精読することを心がけてください。なぜなら、内容を理解できていなければ正しい答えを導けないからです。
54問も問題があると速く読むことが重要だと考えてしまいがちですが、選択肢を絞り込む段階で話の内容が頭に入っていないと意味がありません。
全ての問題おいて、設問→本文→解答の順番で解き続けることで、時間内に解き終える可能性が高まります。
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TOEICを攻略するために初心者がやるべき5つのこと
TOEICを攻略するために初心者がやるべきことを紹介します。
- 出題形式を知る
- 現時点での自分の英語力を知る
- 受験日を決める
- 目標を設定する
- 学習計画を立てる
ぜひTOEICの勉強を始める際に、取り組んでみてください。
1.出題形式を知る
まずは、TOEICがどんな問題なのか確認してみてください。TOEICでは実際に出題された問題が公開されていないので、過去問題集や本番同様の問題で演習できるテキストを購入するのがおすすめです。
まだ問題は解かずに、パートごとの傾向を捉えましょう。とくに初心者の場合は、このプロセスが今後の学習計画を立てる上で非常に重要になります。
早い段階から出題形式を知っておくことで、傾向に合わせた対策ができます!
初心者がやるべきTOIEC対策については、「【これだけ押さえて】TOEIC初心者がまずやること7選!おすすめの学習法や参考書を徹底解説」で詳しく解説しています。学習方法や参考書についても詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
2.現時点での自分の英語力を知る
出題形式を確認した後は、実際に時間を計って問題を解いてみてください。
今の英語力に自信がなくても、全然構いません!
目標を達成するために大切なのは、現状を知ること。勉強はこれから始めれば良いので、まずは現状を測ってみてください。同時に、実際に問題を解くことで、TOEICがスピード勝負であることを体感できるはずです。
思っていたより全然スコアが取れなくても問題ありません。TOEICは慣れも得点アップに左右する要素です。
自分の学力がどれくらいなのかを把握した上で、対策を進めましょう。
3.受験日を決める
現状の学力が分かったら、受験日を決めましょう!
TOEICは年12~13回、毎月1回程度のペースで開催されます。時間帯は午前か午後のどちらかを選べるので、自分のスケジュールに合う日程を選んでみてください。
あまり先の日程だと気が緩んでしまう可能性があるので、できるだけ早い日程を選びましょう。早くて3ヶ月後、遅くても1年以内に受験日を設定しておくとモチベーションがキープしやすいです。
4.目標を設定する
受験日が決まったら、目指したいスコアを決めましょう。あまり高い目標だと挫折してしまうので、受験までの日数・確保できる勉強時間・自分の英語力を考慮して設定するのがポイントです。
目標がブレてしまうとモチベーションが下がってしまうので、ここはしっかり定めましょう!
とはいえ、TOEICを全く受けたことがないとなると、どのスコアを目指したら良いのか分からない人もいるでしょう。どうしても決められない場合は、平均の600点前後を目指してみてください。
もちろん、すでに力試しで600点以上取れている場合は、700点や800点といった高スコアを取りにいきましょう。
関連記事「TOEIC800点の勉強時間をレベル別に解説!再現性の高い学習法やおすすめの参考書を公開」では、TOEIC800点を獲得するためのレベル別学習法と勉強時間を解説しています。より高得点を獲得したい方はぜひ参考にしてみてください。
5.学習計画を立てる
目標が決まったら、いよいよ学習計画を立てます。計画を立てる上で重視すべきは、目標と現状の距離感です。
目標スコアから逆算して、必要な対策や勉強時間などを決めていきましょう!
計画を立てたら日々の学習スタートです。演習で苦手だったパートは重点的に補強したり、試験前は時間を計って演習したりすることで、着実に英語力を高めてみてください。
継続的に勉強することで、当日自信を持って試験会場に向かえること間違いなしです。
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