「人はwho、物はwhichは分かるけど、thatがいつ使えるのか分からない…」
「カンマの後はthatはダメって言われても、理由がわからずモヤモヤする…」
「関係代名詞の使い分けで文法問題を間違えてしまう…」

関係代名詞のwho / which / that は覚えているようで、ちゃんと使い分けできていないという方も多いのではないでしょうか?
テストの選択肢で間違えてしまう、どれを使うかいつも迷っている、という方に向けて、この記事では以下の内容を徹底解説します!
- who / which / that の基礎的な使い分けルール
- who / which / that / whose の使い方を例文で学ぶ
- that の特別ルールと応用テクニック
- 練習問題
この記事を読めば、豊富な例文と一覧表を通してwho / which / that の使い分けが根本から理解できます。
「なんとなく」ではなく「理論的に理解している」という自信がつき、明日から迷わず関係代名詞を使えるようになるでしょう!もう文法問題でつまずくこともなくなり、長文を読むスピードも上がるはずです。
- 基本ルール
- 「人」には who、「物」には which を使うのが基本。
- that は「人」「物」どちらにも使えるが、口語的で限定するニュアンスが強い。
- 格による使い方
- 主格(〜が)は who/which/that、目的格(〜を・〜に)は whom/who/which/that(省略が多い)、所有格(〜の)は whose(唯一の選択肢)。
- that が使えない場面
- カンマの後(非制限用法)や前置詞の直後では that は使えない。
- that の省略テクニック
- 目的格の関係代名詞は省略するのが最も自然。
- 特に会話やカジュアルな文章では省略が一般的。
- 最上級や「唯一」などが付くときは that が好まれる
- the only、the first、the best などの表現が先行詞につくと、that が使われやすい。


( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
【超入門】これだけは知っておきたい関係代名詞の基本


関係代名詞と聞くと、難しそうな文法用語に聞こえるかもしれませんが、その本質は非常にシンプルです。



関係代名詞は「ただの形容詞」であり、「長い形容詞」だと考えてみてください。
まずここでは、関係代名詞の基本である、以下について解説します。
- 「先行詞」と「関係詞節」とは?
- 先行詞の「主格」「目的格」「所有格」とは?
基本を理解することが、使い分けマスターへの第一歩です。使い方を例文などで実践的に学びたい方は、「【基本編】who / which / that / whose の使い方を例文でマスター」をクリック!
1. 「先行詞」と「関係詞節」とは?
関係代名詞が詳しく説明する直前の名詞(人や物)です。
who と which のどちらを使うかは、この先行詞が「人」か「物」かで決まるため、見極めることが絶対的な第一歩になります。
関係代名詞が導く「説明のカタマリ」です。
関係代名詞の文構造を理解するための地図のようなものだと考えてください。


例えば、
The man who lives next door is a doctor.
(隣に住んでいる男性は医者だ)
という文であれば、
- 先行詞:The man
- 関係詞節:who lives next door
このようなイメージです。



関係代名詞を理解する上で、絶対に欠かせない「先行詞」と「関係詞節」、しっかり覚えておきましょう!
2. 先行詞の「主格」「目的格」「所有格」とは?
関係代名詞は、関係詞節の中でどのような役割を果たすかによって「格」が変化します。
代表的な3つの格を理解しておきましょう。
- 元の文の主語、つまり「〜が」にあたる部分の代わり
- 先行詞が人の場合は who、人以外の場合は which、どちらの場合でも使えるのが that
- 元の文の目的語、つまり「〜を」「〜に」にあたる部分の代わり
- 先行詞が人の場合は whom(フォーマル)または who(口語・一般的)、人以外は which、どちらの場合でも使えるのが that
- 元の文の所有格である、「〜の」にあたる部分の代わり
- 先行詞が人でも人以外でも、どちらの場合でも使えるのが whose
【結論】who / which / that の使い分け一覧表



ここまで解説した基本ルールを1つの表にまとめました!
迷ったときの判断基準として活用してください。


「なぜこうなるの?」「もっと詳しく知りたい!」という方のために、これから各項目を豊富な例文で深掘りしていきます!
【基本編】who / which / that / whose の使い方を例文でマスター





ここからがこの記事のメインパートです!
先ほどの「使い分け一覧表」の内容を、「主格」「目的格」「所有格」という役割(格)ごとに解説します。
- 主格の使い方(who / which / that)
- 目的格の使い方(who(m) / which / that)
- 所有格の使い方(whose)
豊富な例文を使いながらそれぞれ丁寧に説明していくので、一緒に学んでいきましょう!
1. 主格の使い方(who / which / that)
主格とは、関係詞節の中で「〜が」という主語の役割を果たす関係代名詞です。関係代名詞の直後に動詞が来るのが、主格の最大の特徴であり、見分けるための最大のヒントになります。
先行詞が「人」の場合 (who / that)
先行詞(説明される名詞)が「人」のときは、who を使うのが基本です。that も同じように使えます。
I have a friend who lives in Canada.
(私にはカナダに住んでいる友達がいます。)
The woman who is standing over there is my boss.
(あそこに立っている女性は私の上司です。)
We are looking for someone who can speak Chinese.
(私たちは中国語を話せる人を探しています。)
先行詞が「物・事」の場合 (which / that)
先行詞が「物」や「事柄」のときは、which を使うのが基本です。こちらも that で代用可能です。
This is a bus which goes to Shibuya Station.
(これは渋谷駅へ行くバスです。)
Please send me the file which contains the sales figures.
(売上数値が含まれているファイルを私に送ってください。)
I don’t like movies ( that ) have sad endings.
(私は悲しい結末の映画が好きではありません。)
【結局どっち?】主格の who / which と that の使い分け
結論から言うと、基本的にはどちらを使っても問題ありません!



しかし、微妙なニュアンスの違いがあるので注意しておくべきポイントです!
who / which のニュアンス
よりフォーマルな響きがあり、書き言葉(ビジネスメール、論文など)で好まれます。「どの人/物か」という情報を、客観的に付け加えるイメージです。
that のニュアンス
より口語的・日常的で、会話で頻繁に使われます。「(たくさんある中で)あの〜な人/物だよ!」と、特定のひとつを指し示す感覚が強くなります。
初心者向けアドバイス
迷ったら that が最も安全で自然です。ビジネスメールなど、少し丁寧な印象を与えたい場合は、意識して who や which を使ってみましょう。
ただし、この後の【中級編】で解説する「that が使えない場合」だけは絶対に避けてください。
【理解度チェック】
以下の文の空欄に、適切な関係代名詞(who / which / that)を入れてみましょう!
① I have a friend ( ) lives in Canada.
②Please send me the file ( ) contains the sales figures.
答えと解説はこちらをクリック!
正解
①I have a friend ( who / that ) lives in Canada.
(私にはカナダに住んでいる友達がいます)
② Please send me the file ( which / that ) contains the sales figures.
(売上数値が含まれているファイルを私に送ってください)
解説
①について
- 先行詞「a friend」は人なので、基本は who。ただし、that もOK。
- 関係代名詞の後ろに「lives(動詞)」が来ているので、主格である。
②について
- 先行詞は「the file(物)」なので、which が基本。that でも可。
- こちらも関係代名詞の後に動詞「contains」が来ているので、主格の用法。



間違えてしまったら、ぜひ「1. 主格の使い方(who / which / that)」に戻って、復習してみてくださいね!
なお、関係代名詞と組み合わせて覚えておきたい重要文法や、長文読解で頻出する構文パターンなどのリストは、LINEで配布しています。計15個の無料プレゼントがありますので、英検やTOEIC対策でぜひお役立てください!
2. 目的格の使い方(who(m) / which / that)
目的格とは、関係詞節の中で「〜を」「〜に」という目的語の役割を果たす関係代名詞です。
関係代名詞の直後に「主語+動詞」が来るのが、目的格を見分けるヒントになります。



目的格の関係代名詞は、会話やカジュアルな文章では省略されることが多いです!
先行詞が「人」の場合 (who(m) / that)
先行詞が「人」のときは、フォーマルな文章では whom、カジュアルな会話や文章では who がよく使われます。迷ったら who か that、もしくは省略すれば問題ありません。
The woman whom I met yesterday is a famous singer.
(昨日私が会った女性は有名な歌手です。)
The boy who she is talking to is my cousin.
(彼女が話しかけている男の子は私のいとこです。)
The clients that we visited last week were very satisfied.
(先週私たちが訪問した顧客はとても満足していました。)
【省略形】
The woman I met yesterday is a famous singer.
→これが最も自然な形です。
先行詞が「物・事」の場合 (which / that )
先行詞が「物」や「事柄」のときは、which を使います。



that も同じように使用することが可能で、which 同様に省略できます。
This is the movie which I wanted to see.
(これが私が見たかった映画です。)
The presentation which he gave was excellent.
(彼が行ったプレゼンテーションは素晴らしかった。)
Where is the report that I left on your desk?
(あなたの机の上に置いておいたレポートはどこですか?)
【省略形】
The movie I wanted to see.
→こちらも省略形が非常に多いです。
【結局どっち?】目的格の使い分けと「省略」という最強の選択肢
結論から言うと、会話では省略するのが最も自然です。目的格の関係代名詞は、日常会話ではほとんどの場合、省略されます。
- 省略する(最も自然で簡単)
- The woman I met yesterday is a famous singer.
- thatを使う(口語的)
- The woman that I met yesterday is a famous singer.
- who / which
- The woman who I met yesterday is a famous singer
- whomを使う(非常にフォーマル)
- The woman whom I met yesterday is a famous singer.
※書き言葉や格式の高いスピーチで使います。
- The woman whom I met yesterday is a famous singer.
初心者向けアドバイス
英作文や英会話では、まず省略することを考えてみてください。省略が不安な場合や、文の構造をはっきりさせたい場合は、主格と同じく that を使うのが無難です。
【理解度チェック】
以下の文の空欄に、適切な関係代名詞を入れてみましょう!
選択肢: who / whom / which / that / 省略
① The teacher ( ) we respect the most is Mr. Smith.
②This is the woman about ( ) I told you yesterday.
答えと解説はこちらをクリック!
正解
① The teacher ( 省略 ) we most respect is Mr. Smith.
(私たちが最も尊敬している先生はスミス先生です。)
②This is the woman about ( whom ) I told you yesterday.
(この人が昨日あなたに話した女性です。)
解説
①について
- 目的格の関係代名詞なので、使い分けの優先順位で考えると「省略」が最も自然
②について
- 前置詞「about」の後なので、省略は不可能(前置詞の直後は省略ができません)
- 使い分けの優先順位で考えると、whom を使うのが適切
なお、前置詞の後は省略できないことについては、このあと解説する「1. 原則として that が使えない場合」内の「2. 前置詞の直後」にて詳細を説明します。そちらもチェックしてくださいね。
3. 所有格の使い方(whose)
関係詞節の中で「〜の」という所有の関係を表す関係代名詞です。「whose の直後には必ず名詞が来る (whose + 名詞)」という鉄板ルールがあります。
先行詞が「人」でも「物」でも、どちらにも whose を使えるのが大きな特徴です。
先行詞が「人」の場合 (whose)



whose は、先行詞が所有する人や物を説明する際に使います!
例えば、「先行詞の父親が〜」「先行詞の履歴書が〜」といった所有関係を表します。
I have a friend whose father is a famous actor.
(私には、お父さんが有名な俳優の友達がいます。)
We interviewed an applicant whose resume was very impressive.
(私たちは、経歴書が非常に印象的だった応募者と面接しました。)
先行詞が「物・事」の場合 (whose)
物に対して whose を使うことに違和感があるかもしれませんが、文法的に正しく、非常によく使われます。
I saw a house whose roof was painted red.
(私は、屋根が赤く塗られた家を見ました。)
We are developing a product whose main feature is battery life.
(私たちは、主な特徴がバッテリー寿命である製品を開発しています。)
【迷う必要なし!】所有格は whose 一択
所有格には that は使えず、また省略することもできません。
そのため、先行詞が「人」でも「物」でも、「〜の」と言いたいときは、迷わず whose を使いましょう。



whose を使いこなせれば、表現の幅が大きく広がりますよ!
【理解度チェック】
以下の2つの文を関係代名詞 whose を使って1つの文に結合してみましょう!
A: I know a student.
B: Her grades are always excellent.
答えと解説はこちらをクリック!
正解
I know a student ( whose ) grades are always excellent.
(私は、成績がいつも優秀である学生を知っています。)
解説
- whose は所有格の関係代名詞で、「〜の」という所有関係を表す
- whose の直後には必ず名詞が来るというルールがある(ここでは「grades」)
- 先行詞が「人」(student)でも「物」でも、所有格には whose を使う
- 所有格には that は使えず、省略もできない
文の構造
- 先行詞:a student(人)
- 関係代名詞:whose(所有格)
- 所有される名詞:grades
- 関係詞節:whose grades are always excellent
【中級編】that の特別ルールと応用テクニック





基本をマスターした方は、より正確で自然な英語を使うためのルールを理解しましょう。
ここでは、以下の各ルールの「概要」や「簡単な例文」を紹介していきます。
- 原則として that が使えない場合
- 原則として that が好んで使われる場合
- 関係代名詞の省略ルール
これらの特別ルールを把握し、that を正しく使いこなせるよう学習を深めましょう。
1. 原則として that が使えない場合
基本を理解したところで、今度は that が使えない特別なケースを見ていきましょう。これらのルールを知ることで、より正確な英語表現が可能になります。
1. カンマの後ろ(非制限用法)
「カンマあり(補足説明)」と「カンマなし(限定)」のニュアンスの違いを理解しておきましょう。


カンマなし(限定用法)
- 先行詞を特定するために情報が不可欠な場合に使う
- 「〜する人/物」と限定する意味合いが強くなり、that がよく使われる
カンマあり(非制限用法)
- 先行詞に補足的な情報を付け加える場合に使う
- 「〜はね、〜なんだけどね」というニュアンス
that は「名詞を限定するニュアンス」が強いため、先行詞を補足するだけの非制限用法では使えません。



よって、カンマの後ろでは that は基本的に使われないのです!
※例文で理解を深めましょう!
The man that helped me is my uncle.
(私を助けてくれた男性は私のおじです)
限定用法:どの「男性」かを限定している
My uncle, who helped me, is very kind.
(私のおじは、私を助けてくれた人なんですが、とても親切です)
非制限用法:「おじ」という情報はすでに特定されていて、その補足説明を加えている
2. 前置詞の直後
前置詞の直後に関係代名詞を置く場合、that は使えません。in which や for whom のように、適切な関係代名詞を選びましょう!
This is the city in which I grew up.
(これが私が育った街です。)
前置詞と関係代名詞の組み合わせや作り方について、もっと詳しく知りたい方は以下の記事がおすすめです。
【まるわかり】前置詞+関係代名詞の文の作り方2ステップ!種類や見分け方・訳し方を例文でわかりやすく解説
【お悩み解決】in whichは「関係代名詞の一種」!whichとの違いも徹底解説



理解を深め、英語力を高めていきましょう!
2. 原則として that が好んで使われる場合
最上級(the best)や序数(the first)、the only などが先行詞に付く場合、that が好まれます。
【最上級】
This is the best movie that I have ever seen.
(これは私が今まで見た中で最高の映画です。)
【序数】
He is the first person that came up with the idea.
(彼がそのアイデアを思いついた最初の人です。)
【 the only 】
She is the only one that can help us.
(彼女だけが私たちを助けることができます。)



より自然な英語表現に近づけられるので、ぜひ理解しておきましょう!
3. 関係代名詞の省略ルール
目的格の関係代名詞は会話で頻繁に省略されます。
The woman (whom) I met yesterday is a famous singer.
(私が昨日会った女性は有名な歌手です。)
なお、注意すべきは主格の関係代名詞は省略できないという点です。
関係代名詞の省略には、実は例外的なパターンもあります。ルールをマスターしたい方は、関連記事【基本から丁寧に】関係代名詞が省略できるのは目的格のとき!例外のケースや理由も紹介」もチェックしておいてください!


よくある質問(FAQ)
本文では詳しく触れなかった that の仲間たちについて、Q&A形式で形式で簡単に紹介します。
関係代名詞の that と接続詞の that はどう違うの?
関係代名詞の that は直前の名詞を説明する一方で、接続詞の that は主に「~ということ」という意味で使われ、文と文をつなぐ役割を持っています。
【関係代名詞】
This is the book that I bought yesterday.
(これは私が昨日買った本です。)
- 名詞を説明する
- 「who」「which」の代わりに使える(人・物どちらでもOK)
【接続詞】
I know that you are tired.
(私はあなたが疲れているということを知っています。)
- 「~ということ」と訳す
- 「think」「say」「know」などの動詞とセットで使うことが多い
- 「the fact」や「the idea」のような名詞の後ろに that が来て、「〜という事実」「〜という考え」などを表すときに、同格の that と呼ぶ
上記以外にも、接続詞 that にはさまざまな使い方があります。



詳しい見分け方や用法は以下の記事で徹底解説しているので、あわせてチェックし、that の使い方をマスターしましょう!
接続詞 that の使い方を完全理解!関係代名詞との違いや練習問題を紹介
【表現力UP】that節を例文つきで解説!よくある使い方5選&3つの疑問を練習問題で解消
同格の that って何ですか?
前の「接続詞 that」の説明でも触れましたが、「the fact」や「the idea」のような名詞の中身(内容)を that 節で詳しく説明する用法を「同格の that」と呼びます。
関係代名詞 that の後ろは不完全な文、同格 that の後ろは完全な文、という簡単な見分け方があります。
【関係代名詞】
This is the book that I bought yesterday.
(これは私が昨日買った本です。)
→「I bought yesterday」は目的語が欠けているため不完全な文
【同格】
The fact that he passed the exam surprised everyone.
(彼が試験に合格したという事実は皆を驚かせました。)
→「he passed the exam」は主語と動詞、目的語があり完全な文
同格の that の使い方や関係代名詞 that との見分け方について、より詳しく知りたい方は関連記事「【例題アリ】同格のthatの使い方を解説!関係代名詞thatとの見分け方や使える名詞も紹介」も読んでみてください。理解が深まるはずです!





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