「単語を見ても正しい読み方がわからない」
「自分の発音が合っているかどうか確かめられない」
「つづりと発音のルールが多すぎて何を優先して覚えればいいのかわからない」
このような悩みから、英語の発音に苦手意識を持っていませんか?
英語の発音は日本語とルールが大きく異なるため、初心者がつまずきやすいポイントが山ほどあります。一つの単語を覚えても、別の単語でまた迷ってしまうといった経験も、誰しもあるはずです。
そこで本記事では、英語の初心者がまずザックリ知っておきたい基本の発音ルールをまとめました。まずは基本だけでも押さえて、英語の文字と正しい音の結びつきを頭に入れておきましょう。

( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
英語の入門的な発音ルール6つ

いきなりフレーズや文章を読む練習をしても、発音を作る要素が多すぎて混乱してしまいます。まずは単語単位で見て、実際に口に出しながら英語特有の音を体験してみてください。
- 母音の発音ルール
- 子音の発音ルール
- サイレントレター(発音しない文字)ルール
- 2文字セットの英語の特殊な発音ルール
- RとLの発音ルール
- 発音の強弱ルール

音声で発音例も紹介しますね!
なお、一部ルールはこの後に紹介するこれはフォニックスと呼ばれる発音規則とも重なります。しかしフォニックス全体で50近いルールがあり、最初から全て把握するのは困難です。
そのため、最初はフォニックスを丸暗記するよりも、もっとシンプルに基本のルールとしてご覧ください。
1.母音の発音ルール
母音とは、例えば日本語の「あ・い・う・え・お」にあたるもの。英語では「a・e・i・o・u 」の5つが母音と呼ばれています。
ザックリ言うと、舌の位置や口の開き具合で自然に出せる音が母音で、2種類の読み方に分かれています。
短母音(短く発音する)
短母音は、一口で「パッ」と切るように短く発音する母音です。日本語の「あ」「い」「う」「え」「お」を言うよりもさらに短く声を出します。
- hot(ホット)
- cat(キャット)
- bed(ベッド)
- sit(シット)
- cup(カップ)



「っ」が入るように、一瞬で声を切る感じで発音してみましょう!
長母音(アルファベット読みをする)
母音+子音+e の組み合わせでは、単語の最後の「e」は発音せず、その直前の母音をアルファベット名(長母音)で読みます。
例えば「cape(ケイプ)」でみてみましょう。単語の終わりが cap で「母音(a)+子音(p)+e」に該当します。
e は発音しないので、最後は「ペ」にはなりません。そして、e の前にある母音 a をアルファベットの読み方(エイ)のまま読みます。
- hope(ホープ)
- kite(カイト)
- make(メイク)
- take(テイク)
2.子音の発音ルール
子音について全て覚えるのは大変なので、最初は代表的な発音ルールから覚えましょう。英単語でよく出てくる子音に絞って、ルールを紹介します。
基本的な子音
子音は、口や唇、舌で息の通りを一時的に止めたり狭めたりして作る音です。まずは表を見ながら声に出し、カタカナ英語との違いをじっくり体感してみましょう。
子音 | ポイント | 発音例 | 発音イメージ |
---|---|---|---|
b | 唇を閉じて「ブッ」と破裂音。直後に母音がくると「ブァ」のようになる | bag(バッグ) | ブァッグ |
d | 舌先を歯ぐきに当てて「ドゥ」。後に母音がくると「ダ」に近い音 | dog(ドッグ) | ドァッグ |
f | 上の歯で下唇を軽くかんで「フッ」。空気を吐き出すように | fan(ファン) | ファン(比較的近い) |
m | 唇を閉じて「ムー」。鼻に響かせる | man(マン) | マァン |
p | 唇を閉じて一気に空気を出す「プッ」音 | pen(ペン) | ペン(やや「プェン」に近い) |
s | 歯の間から空気を出す「スー」。鋭くはっきり | sun(サン) | サン(「スァン」に近い) |
t | 舌先を歯ぐきに当てて「トゥ」。強めの破裂音 | top(トップ) | トァップ |
c と g の特別なルール
c と g は、ほかの子音と違って「後に続く母音によって音が変わる」特別なルールがあります。
まず、c は後ろに e・i・y がくると「ス」、それ以外は「ク」と発音します。
単語 | ポイント | カタカナ表記 | 発音イメージ |
---|---|---|---|
city | c → s のように「スィ」音(やや摩擦音)t が弱くなるので「ティ」より「ディ」に近い | シティ | スィディ |
cup | u → アより少し喉の奥で「ʌ」(カァ)破裂音の p もしっかり空気を出す | カップ | カァプ |
g は後ろに e・i・y がくると「ジ」、それ以外の発音は「グ」です。
単語 | ポイント | カタカナ表記 | 発音イメージ |
---|---|---|---|
giant | ・gi → ジャイ(「アイ」が強い) ・aとntの間の母音があいまいで「ァ」っぽく ・最後の t は軽く「トゥ」 | ジャイアント | ジャイァントゥ |
game | ・a → エではなくエイ ・g → グではなくゲに近い ・最後の e は発音しないが、aの音を長く | ゲーム | ゲイム |
3.サイレントレター(発音しない文字)ルール
英語には「綴りでは書くけど発音しない文字」があります。
- 語尾の e は基本発音しない(例:name ネーム)
- 語頭の k は n の前では発音しない(例:knock ノック)
- 語頭の w は r の前で発音しない(例:write ライト)



語尾の「e」のルールは長母音のことでもあります!
語尾の「e」は例外として、e がないとその単語が声に出せない場合には発音します。
he、she、me、we、be
※ e を発音しないとどうなるか、ぜひ試してみてください!
また、末尾の e が消えても前の母音が長音にならない(アルファベットのまま読まない)例外もあるので、どんな単語が該当するのかチェックしておきましょう。
have、come、love、some
4.2文字セットの英語の特殊な発音ルール
英語では、2文字で特別な音をつくる組み合わせがあります。
2文字のセット | 発音 | 例単語 | カタカナ発音 |
---|---|---|---|
sh | シュー | shop | ショップ |
ch | チ | chair | チェア |
th | 無声音:ス | think | シンク |
有声音:ズ | this | ズィス | |
ph | フ | phone | フォン |
wh | ワ/ウァ | what | ワット |
ng | ング | sing | シング |
think の th は前歯の間に舌先をそっと当て、息だけを出します。一方で同じ th でも this の th は前歯の間に舌先を当てつつ摩擦音を意識し、声を震わせて発音することがポイントです。



言葉で説明すると難しく感じると思いますが、直感的に読み方をイメージできた方も多いかもしれません。
5.RとLの発音ルール
日本人にはどちらも「ラ行」に聞こえがちですが、R と L はまったく異なる発音になります。
R:舌全体を後ろに引き、舌先を上に向けて(どこにも触れずに)「ゥラ」と発音
L:舌先を上の前歯の裏(歯茎あたり)に軽く当て、舌の両側を開けて息を抜きながら「ラ」と発音





例えばカタカナでは同じ「ライト」でも、R と L では発音の仕組みも意味も全く違います!
単語 | 意味 | 発音 |
---|---|---|
right | 右/正しい | 舌を奥に引いて巻く(R) |
light | 光/明かり | 舌を前歯の裏につける(L) |
鏡の前で観察すると、
- light の L では舌先が歯茎に当たって見えやすい
- right の R では舌が奥で丸まるため見えにくい
という違いを確認できます。
次の単語例で、実際に R と L の発音を繰り返して感覚をつかみましょう。
R | L | ||
---|---|---|---|
単語 | 意味 | 単語 | 意味 |
rice | ごはん | lice | シラミ(虫) |
road | 道 | load | 荷物を積む |
read | 読む(現在形) | lead | 導く(現在形) |
rock | 岩、石 | lock | 鍵、錠 |
ray | 光線/エイ(魚) | lay | 横たえる |
rip | 破る | lip | 唇 |
rap | 叩く、ラップ音楽 | lap | ひざ、ひざの上 |
row | 並び、ボートをこぐ | low | 低い |
6.発音の強弱ルール
英語には、アクセント(強く読む部分)によって意味が変わる単語があります。
- PREsent(プレゼント=名詞)
- preSENT(プレゼントする=動詞)
のように、日本語の「雨/飴」と同じで、強弱を間違えると本来の意味が伝わりにくくなるのです。
主なアクセントの置き方は次のとおりです。
ルール | 説明 | 例 |
---|---|---|
2音節の名詞・形容詞 | 前の音節にアクセント | TAble(テーブル) |
2音節の動詞 | 後ろの音節にアクセント | beGIN(始める) |
4音節以上の単語 | 後ろから3つ目の音節にアクセント | phoTOgraphy(写真撮影) |
語尾が -tion / -sion / -ic の単語 | その直前の音節にアクセント | inforMAtion, ecoNOMic(経済的) |



音節とは、ひと息で発音できる音のまとまりのこと。
例えば pen-cil は「ペン」と「シル」の2音節です!
単語ごとにどこが強くなっているか意識しながら声に出して練習しましょう。
アクセントのもっと詳しいルールは、関連記事「【音声付き】英語のアクセントルール超入門!ネイティブっぽく話すポイントとは」で紹介しています。単語だけでなく文章のアクセントも紹介していますので、発展としてぜひご参考ください!


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「英語らしい発音」に近づくためのやや応用的なルール


ここからは、単語レベルを超えてフレーズや文全体で自然に聞こえるコツを学びましょう。
- フォニックス
- リンキング(リエゾン)
実際の会話でネイティブらしいリズムとつながりを生む応用ルールを紹介します。
1.フォニックス
- 英語の文字の組み合わせが、どんな音を表すかを学ぶルール
- いくつかカテゴリーでそれぞれに10~15程度のルールがある
記事中で紹介した「サイレントレター」や「2文字セットの英語の特殊な発音ルール」も、フォニックスのルールのうちの1つです。
ここまでは、単語を読むためのシンプルなルールとして紹介してきました。しかし、さらに踏み込んでフォニックスの全体像を学ぶことで、初めて見る単語でも正確な発音を推測できるようになります。
ジャンル | 代表的なルール | 例単語 |
---|---|---|
子音合字(Consonant Digraph) | 2文字で1つの音を作る (sh, ch, th, ph, wh, ng) | ship, chair, think, phone |
母音合字(Vowel Digraph) | 2文字で長い母音を表す (ai, ea, oa, ee, ie) | rain, meat, boat, see, field |
二重母音(Diphthong) | 滑らかに母音が変化する音 (oi, ou, au, ow) | coin, out, house, cow |
サイレントe(Silent-e) | 母音+子音+e で母音を長くし、e は発音しない | cake, home, ride |
R制御母音(R-controlled) | 母音の後ろに r がつくと、2つで1つの新しい音に (ar, er, ir, or, ur) | car, her, bird, for, turn |
曖昧母音(Schwa) | 強く読まない部分の母音が、「ア」に似た小さく短い音に | about, banana, problem |
2.リンキング(リエゾン)
英語の単語と単語がつながって、1つのまとまった音のように聞こえる現象
特に子音で終わる単語+母音で始まる単語がつながりやすくなります。



理解すると文章をより英語らしく発音できますよ!
パターン | 例 | 聞こえ方・解説 |
---|---|---|
子音+母音 | get it → 「ゲリッ」 | t と it がつながって t がはじける |
t/d の変化(flap T) | water → 「ワラー」 | t が r っぽくなる |
同じ音の重なり | good day → 「グッデイ」 | d + d の1つ目が軽くなる |
子音が落ちる | next day → 「ネクステイ」 | t が聞こえにくい・または消える |
挿入音(Y/W音が入る) | Do it. → 「ドゥウィッ」 | 母音が連続すると Y や W でつながる |
簡単な文章でも、リエゾン前提で読み方を表し声に出してみると、かなり本格的に聞こえます。
What do you want? → ワダユワン?
Did you eat it? → ディジュイーディッ?
Can I help you? → キャナイヘルピュー?
英語の発音の本質はルールよりも「喉発音」


ここまでご紹介したルールは、全て丸暗記してほしいわけではありません。



あくまで、「英語の発音ルールって?」という疑問にお答えするために説明してきました。
基本のルールを知ったら、その次のステップとして喉発音を習得しましょう。
唇や舌を口の前のほうで動かして、音をパキッと切るように出す
声帯やのどの奥を使い、息を振動させて深みのある音を出す
英語圏の方は「water は t が r っぽくなるから…」を頭で考えるのではなく、「喉発音だから自然とそれができている」状態なんです。



喉発音は次の5ステップで練習できます!
- あくびをする
- 喉の力を抜く
- 息を出し続ける
- 音を出し続ける
- 英文で練習


一緒に喉発音にチャレンジできる関連動画「【有料級】一撃でネイティブ発音になる喉発音5STEP」も参考に、ぜひ実践してみてください。
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