「英検準1級の二次試験の難易度は?」
「スピーキングが上手くいくコツを知りたい」
「どうやってスピーキング力をつければいい?」
英検準1級の一次試験は上手くいくのに、面接のスピーキングがなかなか上手くできずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。落ち着いて解ける筆記とは違い、スピーキングとなるとその場で話すことを考えなければなりません。
きちんと対策をしておかないと、言葉が出てこなかったり、言いたいことが言えずに時間が終わってしまったりします。せっかくあと一歩で合格なのに、逃してしまったら悲しいですよね。
今回は、英検準1級にチャレンジする人に、以下の内容を解説します。
- 英検準1級の二次試験の概要
- スピーキングで高得点を取るコツ
- 面接に落ちる人の特徴
- スピーキング力を鍛えるトレーニング方法
- 合格できる万能テンプレート
スピーキング対策をしっかり行って英検準1級の合格をつかみたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
英検準1級の二次試験はスピーキング
英検3級以上は、一次試験と二次試験があります。二次試験はスピーキングです。
英検準1級の二次試験について、以下4つの内容に分けて解説します。
- 試験内容
- 試験の流れ
- 評価基準
- 配点と合格ライン
ひとつずつ見てみましょう。
試験内容
英検準1級の二次試験は面接方式で、約8分間のスピーキングを行います。面接官1人との個人面接です。
課題の形式は以下のとおり。
- 自由会話:面接官との簡単な日常会話
- ナレーション(2分間):4コマのイラストを見て展開を説明
- 受験者の意見を問う質問(4問):トピックに関連する内容の質問への回答
トピックの内容については、たとえば喫煙や貧困といった社会性の高い分野の問題が出されるケースが多くなっています。
なお、英検準1級は「大学中級程度」。「社会性の高い話題についてやりとりできる」レベルが求められます!
試験の流れ
二次試験の全体の流れを見てみましょう。
- 面接室に入る
- 面接官に「面接カード」を渡し、着席する
- 名前や受験する級などの簡単な質問に答える
- 4コマのイラストが書かれた「問題カード」を受け取る
- ナレーションの内容について1分間考える
- 4コマのイラストについて2分間ナレーションをする
- 面接官から問題カードに関する質問をされるので答える
- 問題カードを裏返す
- 面接官から3つ質問があるので答える
- 「問題カード」を面接官に返し、退室する
以上の流れです。1分間考える時間が与えられることをあらかじめ把握しておくと、限られた時間を有効活用できます。
2分間のナレーションでは、時間が来た時点で終了します。そのため、しっかり練習しておくことが大切です!
評価基準
二次試験では、発音や文法の正確さ、語法などが評価の基準です。また、面接官の質問に対する答えの内容や情報量も評価の対象になります。
さらに、アティチュード(態度)も配点に含まれるため、
- 積極的にコミュニケーションを取ろうとしているか
- アイコンタクトが取れているか
- 大きな声ではっきり話しているか
なども意識しましょう。
細かい文法のミスは気にせず、自信を持ってスピーキングを続けることも得点を取るためには重要です!
配点と合格ライン
英検の二次試験は、750点満点です。合格基準スコアは512点と公式サイトで公表されています。
参考:英検CSEスコアでの合否判定方法について | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
各問題の細かい配点については公表されていませんが、ナレーションは全体の4割程度、全4問のQ&Aは全体の5割程度の配点と言われています。
また、アティチュード(態度)は約1割の配点となっているようです。
英検準1級の難易度の目安については、関連記事「【恐れないで】英検準1級は難しいけど攻略は可能!難易度の目安や勉強法5ステップを解説」にて解説しています。ぜひご覧ください!
英検準1級の二次試験(スピーキング)で高得点を取る4つのポイント
英検準1級の二次試験でしっかり得点を取るためのコツを4つ紹介します。
- 英語でのナレーションに慣れておく
- 「イラスト問題」は登場人物の気持ちを代弁する
- 「トピックに関する問題」は自分の意見をしっかり述べる
- 積極的にコミュニケーションを取る
ひとつずつ見てみましょう。
1. 英語でのナレーションに慣れておく
2分間のナレーションは、約4割の配点です。得点を取りやすいため、しっかり練習して慣れておくとよいでしょう。
ナレーションは、慣れていないと日本語でも難しいですよね!
問題としては、4コマのイラストを見て、状況を説明します。
- 誰がどうしたのか
- どんな様子なのか
- 誰が誰に何と言ったのか
- 登場人物はどう思っているのか
など、押さえるべきポイントを把握して練習しておけば、2分間で過不足なく必要な情報を伝えられるでしょう。
2. 「イラスト問題」は登場人物の気持ちを代弁する
ナレーションに使った4コマのイラストからひとつが選ばれて、その内容について質問されます。
「Please look at the fourth picture. If you were the man, what would you be thinking?(あなたが4コマ目の男性だったらどう思いますか?)」といった質問をされます。
仮定法で質問されることがほとんどなので「I’d be thinking~」から話し始めましょう。自分の考えを述べたあと、登場人物の気持ちになって、どんなことに困っているのか、その問題にどうやって対処したらよいのかについて話すとよいです。
3. 「トピックに関する問題」は自分の意見をしっかり述べる
英検の二次試験では、トピックに関する問題が3問出題されます。
たとえば「Do you think that the crime rate in Japan will increase in the future?(日本の犯罪率は将来的に増加すると思いますか?)」といったように、意見を問われる問題がほとんどです。
自分の意見をしっかり述べられるようには、以下のような文章で始めるとよいでしょう。
- I think that ~.「私は~だと思います」
- He should 動詞.「彼は~すべきです」
- It is hard to 動詞.「~するのは大変です」
ただ自分の意見を言うだけでは1文で終わってしまうので、主張する根拠もしっかり述べることを意識してみてください!
4. 積極的にコミュニケーションを取る
英検の二次試験では、アティチュード(態度)も点数に含まれます。
- あいさつがきちんとできているか
- 礼儀正しく受け答えできているか
- アイコンタクトができているか
- 毅然とした態度で臨んでいるか
- ハキハキと話しているか
など、細かいところも見られます。言葉に詰まって黙ってしまったら点数は付きません。
もし聞き取れなければ「Could you please say that again?(もう一度おっしゃっていただけますか?)」と聞き返しましょう。
答えがすぐに出てこないなら「It’s a difficult problem,(難しい問題ですが…)」「That’s a good question.(いい質問ですね)」などと繋ぎ、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢でいることが大切です。
英検準1級のスピーキング(面接)で落ちる人の特徴TOP3
英検準1級の面接で毎回落ちてしまう人は、何が原因になっているのかしっかり突き止めることで、合格にぐっと近づけます。ここでは、面接に落ちる人の特徴を3つ紹介します。
- 具体例がない
- 難しい英語を話そうとする
- 型に当てはめようとする
ご自身に当てはまっていないかどうか、ぜひ思い返してみてください。
1. 具体例がない
意見を話すときは「主張・理由・具体例」が基本です。しかし、主張と理由だけでもそれらしい文章になるため、具体例を飛ばしがち。
具体例がない文章は、説得力がないんですよね…
たとえば「私はタバコを禁止すべきだと考えます。なぜなら体に悪いからです。」という文章があります。一見、主張と理由があるため最もらしく聞こえますが、体に悪いものは他にもあり、なぜタバコだけ禁止するべきと主張しているのか説得力がありません。
しかし、ここに具体例を入れると「主張・理由・具体例」がしっかり含まれた文章ができ上がります。
「私はタバコを禁止すべきだと考えます。なぜなら体に悪いからです。タバコは肺がんのリスクを高め、実際に亡くなっている人がたくさんいます。また、タバコに含まれるニコチンは中毒になりやすく、自分でやめることができないため国が禁止するべきです。」
大切なのは、話す文章の量ではなく具体例がきちんと提示できているかです。
たくさん話しているのに面接の点数がなかなか上がらない人は、理由ばかり話していないか考えてみてください。
なお、具体例に専門的な難しい要素を入れる必要はありません。一般常識として知られている内容で十分です。
2. 難しい英語を話そうとする
難しい単語を使ったからといって、英語力の評価が上がることはほとんどありません…!
難しい単語を使おうとすると、間違いが起きたり相手に伝わる確率が下がったりするデメリットも。中学レベルの英語でもよいので、相手に伝わる内容を話すことが重要です。
誰にでもわかりやすい言葉できちんと説明したほうが、英語力の評価も高まります。難しい言葉で話そうとして言葉に詰まってしまっていた人は、ぜひ考え方を変えて練習してみてください。
3. 型に当てはめようとする
英検のスピーキングで「導入・本論・結論」の型に当てはめようとする人がいます。この型に当てはめると「わかりやすいスピーチができる」「説得力のあるスピーチができる」といったメリットがあると言われています。
もちろんよい部分もあり使いこなせるのが理想ではありますが、再現性が低いという難点が…。
文章を「導入・本論・結論」の型に当てはめるのは、日本語でも難しいもの。英語で話せるかは個人の才能にも関わってきてしまいます。
英検は個人の頭のよさを判断するのではなく、英語力を見る試験です。型に当てはめることではなく、まずは英語を話すことに集中するべきです。
止まらずに話すことを意識して、スピーキングの練習を行ってみましょう。
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英検準1級のスピーキング力を鍛えるトレーニング方法
英検準1級の面接に合格するために、スピーキング力を鍛える具体的なトレーニング方法を紹介します。
- 話すトピックをひとつ決める
- 日本語で1分間話す
- 英語にして1分間話す
このトレーニング方法を実践すれば、「面接で落ちる人の特徴」をすべて克服できるでしょう。英検1級も目指せるため、ぜひ取り入れてみてください。
1. 話すトピックをひとつ決める
まずは、どんなトピックについて話すのかテーマを決めましょう。初めのうちは自分が話しやすいトピックでもよいですが、英検準1級では社会性のあるテーマが多いので、慣れておくことをおすすめします。
過去の出題例では、在宅勤務、キャッチセールス、レストランでの喫煙などがあるので参考にしてみてください!
2. 日本語で1分間話す
1で決めたトピックについて、まずは日本語で1分間話します。
慣れてきたら2分間、3分間と時間を調節してみてください!
日本語で先に話すメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 自分の意見を持つ練習になる
- 話し続ける感覚を鍛えられる
- 日本語で言えるけれど英語では言えない部分に気づける
自分の意見を持つ感覚がなかった人も、トレーニングすれば話せるようになります。なお、ある程度英語ができる人はこの工程を飛ばしても構いません。
3. 英語にして1分間話す
日本語で話した内容を英語にして1分間話してみてください。2のステップで気づいた「日本語では言えるのに英語で言えない」という部分を意識することで、脳が英文をすぐに吸収します。
スマホを使って日本語を録音し、英語に訳してみるやり方がおすすめです!
型に当てはめず、簡単な英語を使って誰にでもわかる英文が言えるようにトレーニングしていきましょう。
英検の二次試験対策については、関連記事「【レベルアップ】英検二次試験の対策に!気を付けたいポイント3選と超有効な3つの練習方法も解説」でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください!
【裏ワザ】英検準1級のスピーキング対策!面接の万能テンプレート
スピーキングでつい頭が真っ白になってしまう人に、どんなパターンでも当てはめられる面接用のテンプレートを紹介します。
二次試験では、Yes,Noとはっきり答えにくい質問が来ることも多く、「Yes」「No」のどちらにも答えられない場合に役立つテンプレートとなっています。
ここで紹介する内容はYouTube動画「【悪用厳禁】英検2次試験対策:どんな質問にも答えられる万能テンプレート紹介」で詳しく話しているので、ぜひご覧ください。
万能テンプレート
ここでは、英検準1級のサンプル問題を例に、万能テンプレートを紹介します。
面接官:Do you think that public opinion can influence decisions made by the government?
(世論は政府の決定に影響を与えうると思いますか)
出典:準1級の過去問・試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
回答者:Firstly, it’s easy that I answer this question with just Yes or No. But I think a highly social topic like this shouldn’t be answered without thinking anything. It looks different depending on the position where the person stands. For example, many people in developed countries will say Yes, but those in developing countries won’t say so. However, if I had to answer this question about Japan, I’d say Yes(No).
(直訳:この質問にただイエス・ノーで答えることは簡単です。しかし、このトピックには安易に答えるべきではありません。その人の立場によって見え方が異なるからです。
例えば、先進国の人の多くはイエスと答えるでしょうが、発展途上国の人々の多くはそうは答えないでしょう。ですが、日本について答えるのであれば、イエス(ノー)と答えます。
実際には試験なので、さらに自分の意見をもう少し加えます。ただし、試験時間は限られているので、自分の意見は2〜3文程度でまとめるといいでしょう。
回答者:I think that public opinion is the public will shared by many people regarding politics and social issues, and in a democracy the government cannot ignore public opinion and make political decisions. Recently, extreme opinions on social media have become noticeable, even if it’s just a minority opinion. So, I am concerned that this hinders forming public opinion.
(直訳:世論とは、政治や社会問題に関して多くの人々が共有する民意であり、民主主義において政府は世論を無視して政治的決定を行うことはできないと思っています。 最近では、SNSの極端な意見がたとえ少数派であったとしても目立ってしまっています。このことが世論の形成を阻害しているのではないかと懸念しています。)
このテンプレートは面接官の質問によってアレンジする部分もありますが、社会問題といった複雑なトピックへの質問が出されるので「Yes」「No」をはっきりと決めずに話す手法は、さまざまなテーマで使えるはずです。
メリット
紹介したテンプレートを使うメリットは以下のとおりです。
- どんな質問が来ても答えられる
- 自分の意見を言うまでの時間を稼げる
- 英語が話せることをアピールできる
- 周りと違う回答で印象アップが期待できる
- 議論の本質を突ける
これまで、面接練習をしてもなかなか上手くできなかった人は、ぜひこのテンプレートを活用してみてください!
注意点
このテンプレートは模範回答ではなく、丸暗記して答えるだけでは準1級に受かるのは難しいでしょう。自分の意見もきちんと加えることを忘れないようにしてください。
「どうしても今回受からないと入試に不利になってしまう」「留学に行く資格がもらえない」などで困っている人には、紹介したテンプレートが参考になるはずです!
ぜひこの記事を参考にして、英検準1級をクリアして1級を目指してみてください。
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