「不定詞と動名詞ってどっちも名詞になるんだよね?使い分け方にいつも悩む」
「不定詞と動名詞の違いって何?」
「不定詞、動名詞片方しか取れない動詞の話が出てきて、暗記に困る」
不定詞と動名詞の違いでつまずく英語学習者は多いもの。その理由は、ズバリ丸暗記で乗り切ろうとしているからです。
しかし、不定詞と動名詞には、明確なイメージの違いがあります。片方しか使えない単語をひとつずつ丸暗記する必要はありません。イメージさえ理解すれば、どちらを使うべきなのか判断しやすくなります。
英語は暗記するしかないと思っていた方からすると、目からウロコなはず!
今まで丸暗記しては混乱し、英語に苦手意識を持っていた方ももう大丈夫です。この記事でしっかりマスターしましょう。
この記事では、数多くの方の英語学習をサポートし、結果を出してきた僕が、
- 不定詞と動名詞が持つイメージ
- 不定詞・動名詞片方だけを取る動詞
- どちらを使うかで意味が変わる動詞
- 文法上の2つの違い
といった内容を、まとめて解決します。
不定詞と動名詞の使い分け方に悩むのは、今日で終わりにしましょう!今までこの単元に苦手意識のあった方は、ぜひご覧ください。
( note:【イングリッシュおさる】英語スクール生の実績 )
不定詞と動名詞の違いや使い分けをイメージで解説
まずは本題の、不定詞と動名詞の違いから解説しましょう。まずはイメージから理解することが大切です。
- 動名詞:過去思考
- 不定詞:未来思考
というイメージが、ここから説明するすべての内容の基本となります。
ここでは、なぜこのようなイメージになるのかというところからしっかり掘り下げて解説するので、ぜひじっくり読んでみてください。
動名詞は現実に起こっていることやネガティブなこと
動名詞は、過去のことやマイナスイメージをもつ動詞と相性が良いです。
動名詞は〜ing をつけた形ですよね。〜ing と言われて思いつくのは、進行形です。
進行形は、今すでに起きていることを伝える形でした。ここから発展して、〜ing の付く動名詞は、すでに起こっていることを示します。
今まで起きていたことを振り返るイメージから、ネガティブな動詞とも相性が良いです。
さらに発展して、提案を意味する動詞にも使います。自分が提案できるのは、過去の経験があるからですよね。すでに知っていることでなければおすすめできないため、動名詞と相性がよい、というわけです。
動名詞がそもそもどういう文法か曖昧な方は、関連記事「【イメージ活用】例文で学ぶ「動名詞」の使い方!頻出文法4パターンと to不定詞との違いまで詳細解説」で復習してみてください。
不定詞は未来思考・まだ起こっていないこと
不定詞は、未来思考のイメージを持ちましょう。
このイメージがあるのは、前置詞の to がくっつくから。前置詞 to のイメージは「到達点に向かう」というもの。先に進んでいくイメージがあるため、「これから起こること」に関する動詞と不定詞は相性がピッタリ。
これからするイメージがあるため、話している時点ではまだ起こっていないことを伝えます。
そのほか、一般論を伝えるイメージも出せるのが不定詞です。動名詞は進行形と同じ〜ing が用いられるため、今起こっているリアリティがあります。不定詞にはこの「リアリティ」がないため、一般的な事柄を話すときにもよく使われます。
動名詞・不定詞の片方しか使えない動詞
動名詞・不定詞それぞれのざっくりしたイメージを理解すれば、片方しか使えない動詞の理解もスムーズに進みます。ここでは、さらに動詞の持つイメージを分けて、片方しか使えない動詞を例文付きで確認していきましょう。
動名詞しか使えない動詞
後ろに動名詞しか使えない動詞が持つイメージは、以下の4つに分けられます。
- やめる・中断系の動詞
- 反復するイメージのある動詞
- ネガティブ・逃避系の動詞
- 提案系の動詞
先ほど説明した、過去思考・マイナスのイメージという大前提があれば、しっかり理解できます!
具体的な単語や例文を見ながら、確認していきましょう。
やめる・中断系の動詞
やめたり中断したりするイメージのある動詞は、後ろに動名詞だけ取ります。「やめる」という行動を取れるのは、過去に続けていたことだけ。だからこそ、これから起きるイメージのある不定詞は取れません。
このイメージを持った動詞の例は以下の通り。
- quit
- give up
- finish
それぞれ例文も確認しましょう。
She quit smoking and started running every morning instead.
(彼女は喫煙をやめ、代わりに毎朝走り始めた。)
After failing the test twice, he finally gave up getting his driver’s license.
(2回試験に落ちた後、彼は運転免許をとることを諦めた。)
Please finish discussing this debate.
(この議論を終わらせてください。)
以下、おさるによる音声です!
反復するイメージのある動詞
反復するイメージのある動詞も、後ろに動名詞だけを使います。具体例は以下の通りです。
- practice
- consider
- imagine
繰り返し続けているイメージがあるため、リアリティを感じる動名詞のほうが適します。例文は以下の通り。
She spends a lot of time practicing singing every day.
(彼女は毎日歌の練習に多くの時間を費やしています。)
以下、おさるによる音声です!
practice(練習する)は、まさに繰り返し何度も同じことをするため、動名詞の singing がくっつきます。
また、consider(じっくり考える・検討する)、imagine(想像する)は、考えを繰り返しながら深めているイメージがあります。そのため、反復のイメージに当てはまり、動名詞を取ります。
She is considering moving to a new city to be closer to her family.
(彼女は家族に近くなるために新しい都市に移ることを検討しています。)
Can you imagine living on a deserted island with no one else around?
(誰もいない孤島で生活することを想像できますか?)
以下、おさるによる音声です!
ネガティブ・逃避系の動詞
ネガティブ、逃避のイメージを持つ場合も動名詞。今より前のことを見るイメージがあるからです。具体例は以下の通り。
- miss
- avoid
- deny
He misses living in his hometown where he grew up. (彼は育った故郷に住んでいたことが恋しいです。)
They try to avoid eating processed foods and instead opt for wholefoods. (彼らは加工食品を避け、代わりに自然食品を選ぶようにしています。)
She denied stealing the money from the cash register. (彼女はレジからお金を盗んだことを否定しました。)
以下、おさるによる音声です!
提案系の動詞
提案など、過去の経験をもとに行う動詞は、後ろに動名詞を続けます。
- suggest
- recommend
例文も確認しましょう。
She suggested finishing the project together as a team.
(彼女はチームでプロジェクトを一緒に終えることを提案した。)
The teacher recommended reading books in English to improve their language skills.
(先生は、言語能力を磨くために英語の本を読むように薦めた。)
以下、おさるによる音声です!
不定詞しか使えない動詞
次に、不定詞しか使えない動詞もみていきましょう。具体的には以下の3つです。
- 希望や計画を意味する動詞
- チャレンジするニュアンスがある動詞
- 単発で終わる内容の動詞
前向きで未来思考というイメージを持っていれば理解しやすいはず!ぜひ確認していきましょう。
希望や計画を意味する動詞
計画や希望は、まさに「その時点でまだ起こっていないこと」について話しています。たとえば旅行の計画を立てているときは、まだ現地にはいないはず。だからこそ、不定詞を使います。
このイメージを持つ動詞の例は以下のとおりです。
- plan
- wish
- want
- prepare
それぞれ例文を見てみましょう。
You should plan to stay another day. (もう1日滞在するつもりでいたほうがいい。)
I wish to travel around the world someday. (私はいつか世界中を旅したいと願っています。)
She wants to learn how to cook Thai food. (彼女はタイ料理の作り方を学びたい。)
They need to prepare to move out of their apartment by the end of the month.
(彼らは月末までにアパートから引っ越す準備をしなければなりません。)
以下、おさるによる音声です!
チャレンジするニュアンスがある動詞
チャレンジは前向きで積極的なイメージがあるため、後ろは不定詞。「やり遂げよう!」という意思が込められます。具体的には以下のような動詞があります。
- aim
- manage
- venture
He aims to run a marathon next year, so he’s started training already.
(彼は来年マラソンに出場することを目指しているので、既にトレーニングを始めました。)
They managed to finish the project on time.(彼らはプロジェクトを期限内に完了することができました。)
He ventured to run for election. (彼は思い切って選挙に出馬した。)
以下、おさるによる音声です!
単発で終わる内容の動詞
単発で起こるイメージがある内容も不定詞を使います。これから1回だけ、今回だけというニュアンスがある場合は、不定詞です。
少しイメージしにくいかもしれないので、例を上げつつ解説もしていきます!
- happen
- pretend
I just happened to encounter an accident.(たまたま事故に遭遇してしまった。)
happen はたまたま起きたというニュアンスがあるため、単発のイメージ。
She pretended to be sick.(彼女は病気のフリをした。)
以下、おさるによる音声です!
本当は違うけれども、今回だけは「〜のフリをしておく」というニュアンスがあるため、不定詞を用います。
【例文つき】動名詞と不定詞で意味に違いが出る動詞5選
ここからは、不定詞も動名詞も後ろにくっつくけれども、それぞれ意味が変わる動詞を紹介します。
- remember
- stop
- try
- forget
- regret
これらの意味の違いも、不定詞・動名詞のイメージの違いを理解しておけば一撃です!
remember
rememberの意味は以下の通り。
- 動名詞:思い出す
- 不定詞:覚えておく
動名詞は過去思考なので、すでに覚えたことを思い出すという意味。不定詞は、今後のために覚えておくというニュアンスになります。
【動名詞】
He remembered meeting her at a party a few years ago, but he couldn’t remember her name.
(彼女と数年前のパーティーで会ったことを覚えていたが、名前を覚えていなかった。)
【不定詞】
She remembered to buy bread at the grocery store after work.
(彼女は仕事の後、スーパーでパンを買うことを覚えていました。)
以下、おさるによる音声です!
stop
stopの意味の違いは以下の通り。
- 動名詞:やめる
- 不定詞:ちょっと立ち止まる
動名詞は過去思考なので、すでに起きていることを stop するというニュアンス。不定詞は、これからすることのために止まるというニュアンスなので、立ち止まるという意味になります。
【動名詞】
She stopped smoking three years ago and feels much healthier now.
(彼女は3年前に喫煙をやめ、今はずっと健康的に感じています。)
【不定詞】
He stopped to talk to his neighbor on his way to work this morning.
(彼は今朝、仕事に行く途中で隣人と話をするために立ち止まった。)
以下、おさるによる音声です!
try
tryの意味の違いは以下の通り。
- 動名詞 試しに何かをしてみる
- 不定詞 しようとする
不定詞の方はまだ起こっていないから、これから〜しようとするという意味になります。
【不定詞】
She tried to fix the broken vase, but it was too damaged to repair.
(彼女は壊れた花瓶を修理しようとしましたが、修復するにはあまりにも損傷がひどかった。)
【動名詞】
He tried buying a lottery ticket.
(彼は試しに宝くじを買ってみた。)
以下、おさるによる音声です!
forget
forgetの違いは以下の通り。
- 動名詞:過去にしたことを忘れる
- 不定詞:これからすることを忘れる
【動名詞】
She forgot meeting him at the conference last year, even though they had have a long conversation.
(彼女は去年の会議で彼に会ったことを忘れてしまった。長い話をしたにもかかわらずでした。)
【不定詞】
He forgot to turn off the lights before leaving the house this morning.
(彼は今朝、家を出る前に電気を消すのを忘れました。)
以下、おさるによる音声です!
regret
regret の意味の違いは以下のとおりです。
- 動名詞 したことを後悔する
- 不定詞 残念ながら〜をこれからする
【動名詞】
He regretted not telling her how he felt before she moved away.
(彼女が引っ越す前に彼女に気持ちを伝えなかったことを後悔しました。)
【不定詞】
We regret to disagree with this idea.
(この考えには、残念ながら賛同しかねます。)
以下、おさるによる音声です!
不定詞と動名詞のその他の2つの違い
最後に、動名詞と不定詞の文法的な違いにも触れておきましょう。覚えておくルールは2つです。
- 前置詞の後ろにおけるのは動名詞だけ
- 動名詞は名詞以外になれない
1. 前置詞の後ろにおけるのは動名詞だけ
前置詞の後ろは、必ず動名詞がつきます。不定詞をつけることはできません。
不定詞をつなげると、前置詞が2つ続いてしまい意味が取りにくくなるためです。
2. 動名詞は名詞以外になれない
動名詞は名詞の役割にしかなれません。一方で、不定詞は、形容詞や副詞の役割をすることもあります。
名詞以外の役割にもなる点を覚えておきましょう!どんな使い方か忘れてしまった方は、ぜひ関連記事も確認してみてください。
動名詞と不定詞の違いは、イメージを理解すれば一撃ということが理解できたのではないでしょうか?動名詞は過去思考、不定詞は未来思考と理解できれば、暗記量が減りすんなりとマスターできるはずです。
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